NEXCO東日本、東関東道 茨城空港北IC~茨城町JCT間 開通式を開催
茨城空港までの走行写真も掲載

茨城空港北IC近くの高速道路本線上で行われた開通パレード

2010年3月6日15時開通



 NEXCO東日本(東日本高速道路)は3月6日午前、東関東自動車道 茨城空港北IC(インターチェンジ)~茨城町JCT(ジャンクション)間の開通式を、茨城町中央公民館(茨城県東茨城郡茨城町大字小堤)で開催した。

右上が開通する茨城空港北IC~茨城町JCT間。霞ヶ浦を囲むようにして高速道路網が作られつつある開通する主要個所の航空写真。上が茨城町JCT、下が茨城空港北IC

 開通する東関東道 茨城空港北IC~茨城町JCT間は、東関東道水戸線として建設が続けられていたもので、北関東自動車道 茨城町西IC~茨城町東IC間に設けられた茨城町JCTから分岐する延長8.8kmの高速道路。将来的には東関東道 潮来ICへと結ばれる予定の路線だ。

NEXCO東日本代表取締役社長 井上啓一氏

 開通式の冒頭に挨拶に立ったNEXCO東日本代表取締役社長 井上啓一氏は、「本日開通する茨城空港北IC~茨城町JCT間8.8kmは、平成11年(1999年)に事業に着手して以来、約11年の歳月をかけて建設を進め、ここに無事開通を迎えることができた」と切り出し、土地を提供した地権者や工事関係者に感謝の言葉を述べた。

 井上社長は今回の開通の意義を「茨城空港北IC~茨城町JCT間が開通することにより、3月11日に開港する茨城空港へのアクセス強化、北関東道と接続されることにより、常陸那珂港や栃木県方面へのアクセスが容易になる」と語り、今後は茨城空港北IC以南の工事に取り組んでいくと結んだ。


茨城県知事 橋本昌氏

 続いて挨拶に立った茨城県知事 橋本昌氏は、「北関東道の開通(真岡IC~桜川筑西IC間)で茨城と栃木が高速で結ばれて1年とちょっとたったが、すでによい効果が現れている。栃木の方が常陸那珂港に遊びに来る、また、茨城の方が栃木に遊びに行くなどの人の動きがある。今回の区間の開通は、茨城空港の入口として大変大きな意味がある。茨城空港については、現在スカーマークとアシアナ航空の2社しか定期便が決まっていないが、中国の航空会社などと交渉している最中だ。将来の航空需要を考えると、成田空港、羽田空港だけでは不十分でもあるので、東関東道ができることによっての、成田空港との連携なども視野に入れていきたい。成田空港の至近に茨城空港ができることにより、成田空港が悪天候により着陸できないときでも、代替空港として従来より便利になるだろう。そういう意味でも、茨城空港北IC以南となる区間を早く作って、成田空港と茨城空港間を高速道路で結びたい」と語った。

 その後、地元選出の国会議員らによる挨拶や、NEXCO東日本の工事担当者による道路工事の概要の説明が行われた。工事の概要説明では、今回開通する区間は当面片側1車線での運用が行われるが、切り通しなどの区間では片側2車線分の用地が確保してあり、将来的には片側2車線の高速道路になること、雨の日の水はけのよい高機能舗装が施されていること、超高輝度反射板により夜間も標識が見やすいことなど、開通区間に用いられた高速道路技術が語られた。


東関東道の概要。緑色の区間が未開通区間。この区間が開通すれば、成田空港から茨城空港までの移動時間が大幅に減少するほか、空港と港を結ぶネットワークが完成する常磐自動車道の代替ネットワークとしての役割も期待されている
今回の開通区間では、地元茨城の特産品である果物の販路拡大や、救急医療への貢献、茨城空港へのアクセス向上を期待している
4車線分切り開いた土地の土を、別の区間の盛り土に利用している近年の高速道路の標準舗装とも言える水はけのよい高機能舗装を採用4車線分の用地がある区間では、当面の走行車線を外側にシフトすることで、快適な走行空間を確保した
超高輝度反射板により、夜間の標識の見えやすさを改善路面標示に突起を併用することで、目だけではなく、音と振動で注意を喚起するLEDを料金所ゲート内など、施設照明に積極的に採用している

 鋏み入れ式と久寿玉開披は、茨城空港北IC近くの高速道路本線上に移動して行われた。茨城空港北IC~茨城町JCT間の橋梁名称板の題字は地元小学生の筆によるものが使われおり、鋏み入れ式は題字を書いた小学生らとともに、茨城県知事、地元選出の国会議員、NEXCO東日本代表者によって行われ、その後開通パレードへと続いた。

鋏み入れ式と久寿玉開披は、茨城空港北IC近くの高速道路本線上で行われた茨城県警のパトカーを先導車に開通パレード。後方には県知事や国会議員の乗った車、地元の招待客の乗った観光バスが続く鋏み入れ式が行われたのは、114.6KP(キロポスト)地点。起点は首都高速湾岸線と接続する千葉県市川市の市川JCTになる
茨城空港北ICから茨城町JCT方向を見る。片側1車線の高速道路として開通する舗装は水はけのよい高機能舗装が用いられている

 開通式は3月6日の午前に行われたが、開通時刻は15時。15時少し前に雨が降り始め、開通時刻には小雨模様となっていた。開通時刻の30分前に、茨城空港北ICで開通1号車から5号車を認定する認定式が行われた。開通1号車となったのは池田文紀氏で、事前募集が行われたNEXCO東日本水戸管理事務所に、3日前から並んだとのこと。NEXCO東日本のスタッフから、開通1号車~5号車のオーナーに、認定書と記念品が贈られた。

 開通時刻の15時に茨城空港北ICのゲートが開き、開通1号車を先頭に車が流入する。1号車は通常ゲートを、2号車はETCゲートをくぐり高速道路本線上へと走って行った。通常ゲートとETCゲートの利用割合は、開通直後で1:9程度。数十台通過したところで、ETCゲート通行車側の問題により、ETCゲートが閉鎖されるなどのトラブルはあったものの、その後順調に車は流れ、開通待ちの車列も解消した。

開通時刻近くには雨が降り出し小雨模様に茨城空港北IC内で、開通1号車~5号車のオーナーに認定状と記念品が贈られた
開通10分前ほどに、ICの機械類のスイッチを入れる。ETCゲートや自動車検知器が起動する開通を待つ車列
開通1号車が茨城空港北ICに入ってくる。1号車はETCゲートではなく、通常ゲートで発券を受けていた
開通2号車はETCゲートを通過数十台通過したところでゲートがいったん閉鎖に。おそらくETC車載器にETCカードが入ってなかったためとのこと。数分して再度ゲートが開いた

 3月11日の茨城空港開港後は、茨城空港北IC~茨城町JCT間を利用する車の多くは、茨城空港へのアクセスを期待してのものになるだろう。そこで、茨城空港北IC~茨城町JCT間と、茨城空港北IC~茨城空港間のルートを写真で掲載しておく。

茨城空港北IC~茨城町JCT間

茨城空港北ICのETCゲートをくぐるすぐに分岐があるが、北関東道の宇都宮・ひたちなか方面にしか進めない高速道路本線へ。片側1車線の対面通行
北へ進むと盛り土から切り通しのへと変化する。雨が降っているが、写真からも分かるように高機能舗装のため、路面に水がたまることはない8.8kmの区間のため、ほどなく茨城町JCTが見えてくる。左が北関東道の宇都宮・常磐道方面、右が北関東道の常陸那珂港、水戸方面

北関東道 宇都宮・常磐道方面、常陸那珂港・水戸方面からの流入

北関東道の宇都宮・常磐道方面から茨城町JCTを見る。左へ分岐すると茨城空港北IC方面へ。北関東道のKP表示は、ほかの高速道路と異なり、紫色のものになる。茨城町JCTは172KP地点にある
北関東道の常陸那珂港、水戸方面から茨城町JCTを見る。茨城空港北IC方面は左への分岐

茨城空港北IC~茨城空港

茨城空港北ICを下りて一般道へ最初の信号となる「茨城空港北IC入口」を左折
しばらく直進し、左手にセブンイレブンが見える「紅葉北」交差点を右折右折後直進し、「川戸西」交差点を左折。川戸西交差点を左折したら、茨城空港までは1本道
茨城空港開港にあわせて作られたアクセス道路。茨城空港北ICを下りて、交差点を3度曲がれば、空港に到着する
茨城空港のターミナル。茨城空港は航空自衛隊百里基地と隣り合わせに作られた空港で、西側が茨城空港、東側が百里基地になる茨城空港の外周路を走って反対側に回ると、百里基地の正門を見ることができる

 【お詫びと訂正】記事初出時、一部茨城町を茨木町と記載した部分がありました。ご迷惑をおかけした皆様にお詫びを申し上げるとともに、訂正させていただ きます。

 

(編集部:谷川 潔)
2010年 3月 8日