富士キメラ総研、「機能性センサー」の2009年市場調査結果を発表
自動車のセンサー搭載数が増加傾向、2013年には2兆円市場に

2010年4月2日発表



 富士キメラ総研は4月2日、自動車や電子機器に搭載されている「機能性センサー」の世界市場調査結果「2010年機能性センサー市場・構成材料の現状と将来展望」を発売した。A4判213ページで価格は10万1850円。

 機能性センサーとは、衝撃や振動、運動、位置などを検出するためのセンサーで、自動車のほか、携帯電話、ゲーム機、ノートPC、ロボット、製造装置、医療機器など、幅広い機器に搭載されている。ここでは自動車に関わる調査結果を紹介する。

 なお機能性センサー全体の2009年の市場は、景気後退の影響受けて前年比7.6%減の1兆5996億円。しかし自動車を中心に1台あたりのセンサー搭載数が増えており、2010年には景気が回復に向かうと見込まれることから、2010年は3.9%増の1兆6596億円、2013年には2兆円に迫ると見ている。

加速度センサー
 物体の速度がどれだけ変化したかを計測するセンサーで、振動や衝撃を検出するのに使われる。用途は自動車が33%で最も大きく、その過半数が、衝撃を検知してエアバッグを動作させるのに使われている。また、ESC(横滑り防止装置)にも使われている。

 このほか携帯電話30%、ゲーム機14%、ノートPC7%と続き、万歩計、ロボット、医療にも用いられる。

 2009年の市場は、電子機器は堅調だったものの、自動車の急激な落ち込みが影響し、前年比6.5%減の1343億円となった。2010年は6.3%増の1427億円を見込むが、これは自動車市場が回復し、ESCが日本ではまだ普及率10~20%と拡大する余地があり、さらに欧州では搭載義務化が決定されているため。

角速度センサー
 物体の角度の変化を検出するもので、ジャイロセンサーとも呼ばれる。カメラの手ブレ補正用途が58%を占め、ついで自動車のESCやカーナビが20%、ゲーム機が16%で続く。

 2009年はやはり自動車の落ち込みが響いて9.5%減の371億円。2010年は自動車の回復により、9.4%増の406億円を予想する。

磁気センサー
 回転速度やリニアポジションなどを計測するもので、エンジンのカム角・クランク角、ギア位置、パワーウインドー、スロットル開度らの検出、吸気系など、自動車に多く使われている。調査は自動車に使われる磁界誘導式センサーが対象となっており、2009年は19.9%減の415億円。2010年は7%増の444億円を見込む。

 環境対応のため、エンジンやブレーキ制御用に搭載されるセンサー数が増える傾向にあるほか、ハイブリッド車、電気自動車の電流測定用途で、2013年には2009年比31.8%増の547億円と予想している。

(編集部:田中真一郎)
2010年 4月 2日