ゴルフ練習場でフォルクスワーゲンのエコトレーニングを受けてみた 「パサートCC」「ジェッタ」展示試乗会&最強の試打会キャラバン隊2010 |
フォルクスワーゲン グループ ジャパンが、ゴルフダイジェスト誌主催の、新作ゴルフクラブの試打会「最強の試打会キャラバン隊2010」とあわせて開催している、4ドアクーペ「パサートCC」、4ドアセダン「ジェッタ」の展示試乗会。全国8会場で開催され、ゴルフ練習場を訪れる人に、パサートCCやジェッタのよさを体感してもらおうというものだ。
開催日程は下記のとおり。初日となる4月3日に「ロッテ葛西ゴルフ」を訪ねてみたので、その模様をここにお届けする。
開催日 | 会場 | 住所 |
4月3日、4日 | ロッテ葛西ゴルフ | 東京都江戸川区臨海町2-4-2 |
4月10日 | ゴルフ倶楽部大樹・瀬戸 | 愛知県瀬戸市菱野町465 |
4月11日 | ゴルフ倶楽部大樹・大府 | 愛知県大府市横根町箕手1-1 |
4月17日、18日 | 昭和の森ゴルフ練習場 | 東京都昭島市つつじヶ丘1-1-7 |
5月15日、16日 | ポートアイランドゴルフ倶楽部 | 兵庫県神戸市中央区港島9-2-5 |
5月22日 | 星田ゴルフセンター | 大阪府交野市星田西1-80-1 |
5月23日 | 和幸カントリー倶楽部 | 大阪府枚方市尊延寺835 |
5月29日、30日 | 藤沢ジャンボゴルフ | 神奈川県藤沢市遠藤3415 |
ロッテ葛西ゴルフは、葛西臨海公園からほど近い場所にあり、敷地面積2000坪、3階建て300打席の規模の巨大ゴルフ練習場。打席から打ち込める見通し距離は250ヤードもあり、自分が打ったゴルフボールの球筋をネットにじゃまされることなく見極められる。最強の試打会キャラバン隊2010では、1階の左側の打席を使い、Tour Stage(ブリヂストンスポーツ)、XXIO(SRIスポーツ)など、多くのゴルフクラブメーカーの新作クラブを試打できるようになっていた。
パサートCCやジェッタの展示試乗会は、その巨大ゴルフ練習場の駐車場の一角を使い(ロッテ葛西ゴルフの駐車スペースは400台もある)開催されており、展示車としてはパサートCCとジェッタを用意。試乗車としてはその2車に加え、「ゴルフ」「ゴルフ ヴァリアント」「シロッコ」が用意され、ゴルフ場を訪れる多くの人が展示車を見たり、試乗を申し込んでいたりしていた。
ゴルフ練習場だけに、展示試乗会を訪れる人の質問は「この車はいくつゴルフバッグが入るの?」というものから、細かい装備までさまざま。スタッフは質問にていねいに答えていたほか、トランクルームにゴルフバッグを4個入れたジェッタを展示していた。
さらにこの展示試乗会では、NPO法人モビリティ21の協力によってエコドライブトレーニングも実施。多機能燃費計「モダンドライブ」を取り付けたゴルフとジェッタを使用し、希望者は無料で、フォルクスワーゲンの推奨するエコドライブトレーニングの簡易版を受講できるようになっている。
モビリティ21の藤原猛史理事長によると、通常版のエコドライブトレーニングでは、エコドライブの講義から始まり、ときには高速道路などを含めての実走を行い、数時間かけてエコドライブを理解してもらうと言う。ここで行うのは簡易版のため、ゴルフ練習場近辺の一般道を1度走ってもらい、車内で簡単な講義。その後、アドバイスを受けながら同じルートを走って、その違いを体感する。
実際に記者もゴルフを使ってのエコドライブトレーニングを受けることにした。使用したゴルフは直列4気筒 DOHC 1.4リッター 水冷インタークーラー付スーパーチャージャー+ターボの「TSIツインチャージャーエンジン」を搭載したTSIハイライン。トランスミッションにデュアルクラッチの7速DSGを搭載するモデルだ。
このゴルフには、助手席ダッシュボード上に取り付けられた多機能燃費計のモダンドライブによって、区間燃費はもちろん区間平均エンジン回転数や、停止回数/時間、CO2排出量も計測できるようになっている。
エコドライブトレーニングには、TSIハイラインを使用 | フロントドアには、専用のロゴステッカーが貼られる | 助手席ダッシュボード上に取り付けられたモダンドライブ |
設定されたルートを1度走ってみたところ、あまり赤信号に引っかからなかったためか、7.86L/100km(約12.72km/L)を記録。これは市街地走行としては、そこそこよい数字とのこと。この1度目の走行を終えたところで、エコドライブのレクチャーが始まる。
藤原氏によると、エコドライブのポイントはスムーズ走行につきると言う。スムーズな加速をして、スムーズに走ることで、巡航速度を高く保ち、無駄な燃料を消費しないことが大切とのこと。そのスムーズな走行をするためには、前の信号が赤なのに加速しないであるとか、上り坂では上るのに必要な分だけ加速するであるとか、周囲の交通状況をよく見ることがポイント。
その周囲の交通状況を把握した上で、エコドライブテクニックとして、燃料カットオフの積極活用があると言う。車種によりエンジン回転数は異なるものの、走行時に1300rpm以上でアクセル開度をゼロ(アクセルを踏まない状態)にすると、燃料カットオフによりエンジンに燃料が供給されなくなる。ギアをニュートラルにしてしまうと、エンストを防ぐために燃料供給が再開されるが、例えば進行中に前方の信号が赤になった際、アクセルを完全に戻すと、そのときには燃料消費がゼロになる。この制御をどれだけうまく使えるかが、一般道の走行ではエコドライブのポイントになる。
また、アイドリングストップも燃費にはよいとのこと。。ただし、エアバッグなど安全装備の電源を切る完全OFFではなく、いったんエンジンを切った後、キーシリンダーの位置をONにし、安全装備の電源は入れておく必要がある。そのため、踏切停止時や工事のすれ違い待ちなどが効果的で、再始動の際の燃料消費を考えると、一般的な交差点の信号待ちでは、アイドリングストップまでしなくてもよいと言う。
そのほかDSGトランスミッションならでは上級者向けテクニックとして、ニュートラルポジションの利用がある。DSGでは、トルクコンバーターを使用していないため、ギアポジションをニュートラルにすると惰性で走る距離が長い。その特性を利用して、あともう少し惰性で走りたい場合、ギアポジションをD(ドライブ)からN(ニュートラル)にすれば、距離が稼げる。ただし、その場合も単にニュートラルにすると、燃料カットオフが働かなくなるので、停止線に向けてあともう少しだけ走りたいが、アクセルを再度踏み込むほどではない距離という見極めが必要になる。
それらの講義を受けて、2度目の走行にチャレンジ。1度目と比較して、エアコンをOFF、アイドリングストップを積極活用、そしてスムーズ運転を心がけ、7.41L/100km(約13.49km/L)と1度目よりも5.73%燃費が向上した。
「10%~20%燃費が向上する人が多い」「燃費は交通状況に大きく影響を受ける」(藤原氏)とのことで、2度目の向上幅が5%強となっていたのには、1度目の信号のタイミングがよすぎたことが影響しているのだろう。
このパサートCC/ジェッタ展示試乗会&最強の試打会キャラバン隊2010は、今後、愛知・東京・兵庫・大阪・神奈川で開かれる。郊外にあるゴルフ場に行くためには、車は必須とも言える。このイベントが近所のゴルフ練習場で開催されるのであれば、新型クラブの試打や新車の試乗を楽しんでみてほしい。また、簡易版とはいえ、エコドライブトレーニングはコースによっては30分ほどかかる本格的なものなので、時間があるようならぜひ体験してみるのがよいだろう。
(編集部:谷川 潔)
2010年 4月 5日