日本損害保険協会、交通事故を防止・軽減するための提言と対策
2008年度の交通事故による「経済的損失額」は3兆2830億円

2010年5月6日公表



 日本損害保険協会は5月6日、報告書「自動車保険データにみる交通事故の実態 -提言と主な対策-」(2008年4月~2009年3月)を公表した。

 この報告書は12ページからなり、2008年度の損害保険金データを活用してまとめられたもの。交通事故による経済的損失額や、事故類型別の損害物数・物的損失額など7項目に分類して掲載されている。

 集計結果の一部である、交通事故による経済的損失額は3兆2830億円(物的損失額1兆7524億円、人身損失額1兆5306億円)を推計。事故類型別に損害物数と物的損失額をみた場合、車両単独事故による構築物衝突が最多で、232万6654件、5840億円にのぼると言う。

交通事故による経済的損失額事故類型別の損害物数と物的損失額

 これらのデータから同協会では、「交通事故による『社会的コスト』の大きさを認識し、交通事故の防止・軽減に重点的に取り組む必要がある」「死亡事故では、歩行中の事故、特に65才以上の高齢者が被害者となる事故が多くを占める。歩行中の死亡事故を軽減させる歩行者保護対策が必要である」など5つの提言を行っている。

 報告書の全文は日本損害保険協会のWebページからダウンロード可能なほか、報告書作成にあたって使用した自動車保険データ(支払保険金関連)もExcelファイルで公開されている。

(編集部:谷川 潔)
2010年 5月 6日