スズキ、「スイフト プラグインハイブリッド」が公道で実証実験へ
三洋電機が電池システムを供給

スイフト プラグインハイブリッド

2010年5月12日発表



スイフト プラグインハイブリッドの概念図。EV走行を前提に、ガソリンエンジンが発電機として補助する仕組み

 スズキは5月12日、開発中のPHV(プラグインハイブリッド車)「スイフト プラグインハイブリッド」が国土交通省の型式指定を取得したと発表した。これにより、市販車同様にナンバープレートの交付を受けることができ、公道での実証実験が可能になる。

 スイフト プラグインハイブリッドは、駆動用モーターとリチウムイオンバッテリーを搭載する電気自動車をベースに、発電用として軽自動車用の660ccエンジン「K6A」を搭載。バッテリー残量が少なくなると小型エンジンで発電を行い、バッテリー切れによる走行不能を回避できる構造とした。

 K6Aエンジンを搭載したことで、高額で重量のあるバッテリーを大量に必要としないことから、車両コストの引き下げとともに車体を軽くできるメリットがあるとしている。充電時間は100V電源で約1.5時間、200Vで約1時間。

 スイフト プラグインハイブリッドは今秋にもスズキ代理店に出荷され、各地域ごとの交通事情に沿った走行データや、サービス技術などの情報収集を目的とした実証実験を行う予定。

 主な諸元は次のとおり。

スイフトプラグインハイブリッド諸元
乗車定員5人
全長×全幅×全高3755×1690×1510mm
モーター交流同期電動機
モーター最高出力/最大トルク55kW/180Nm
エンジン形式K6A
充電所用時間約1.5時間/100V、約1時間/200V
バッテリー種類/容量リチウムイオン電池/2.66kWh
プラグインハイブリッド燃料消費率37.6km/L
ハイブリッド燃料消費率25.6km/L
EV走行換算距離15km

 なお、同日三洋電機はスイフト プラグインハイブリッドにリチウムイオン電池システムを供給すると発表した。

 10月には創エネ(太陽電池)・蓄エネ(二次電池)・省エネ(業務用機器等)技術を融合したSES(スマートエナジーシステム)を、兵庫県加西事業所に導入し、事務所内には太陽電池とリチウムイオン電池システムを組み合わせた充電スタンドを設置し、スイフト プラグインハイブリッドの実証実験を行っていく予定。

 三洋電機は、急速な拡大が予測される環境対応車用二次電池の開発・事業を強化しており、すでに2004年から米フォード、ホンダにハイブリッド車用ニッケル水素電池の供給を行っている。

 また、独フォルクスワーゲングループと次世代ニッケル水素電池システムとリチウムイオン電池システムで、仏PSAプジョーシトロエンとニッケル水素電池システムの共同開発を行うことで合意するなど、グローバルで環境対応車用二次電池事業の拡大に取り組んでいる。

(編集部:小林 隆)
2010年 5月 13日