パイオニアら、カーナビ連動型ナビゲーションロボットを開発 ロボットが進む方向を指さして誘導 |
イクシスリサーチとパイオニアは5月18日、川崎市が主催する知的財産戦略推進事業「知的財産交流会」を通して「カーナビ連動型ナビゲーションロボット」を共同開発したと発表した。
カーナビ連動型ナビゲーションロボットは、カーナビが出力する走行経路の左右の方向指示信号を受けて、ロボットが指の動きで道案内することにより、運転者が進行方向をより分かりやすく認識できるというもの。
カニの目にあたる部分が光り、また腕の上下により方向を運転者に知らせる | CGによる製品イメージ |
従来のカーナビでは、音声情報かディスプレイに表示される方向指示により、運転者に経路を案内する方式が主流だが、状況によってはこれらの情報を認識しにくいこともある。このロボットでは、目の光り方や腕の動き方で直感的に誘導するため、より確実に運転者に経路が伝わると言う。
このロボット開発は、地域の産業活性化への取り組みとして、川崎市と、同市内で高い技術力を持つイクシスリサーチ、パイオニアの3者が「知的財産交流会」を通じて行ったもの。イクシスリサーチが有するモーションメディア技術と、パイオニアの有するカーナビ技術の融合により実現した。今後は、ロボットの動きで音声情報をサポートするためのカーナビの関連商品として、市場展開が予想される。
知的財産交流会は、川崎市内に研究・開発部門を持つ大企業の協力を得て、これら企業が保有している開放可能な特許・ノウハウ等の知的財産と、中堅・中小企業の特色のある技術力との融合による、付加価値の高い新製品の開発や新事業への進出を目指した取り組みを2007年度から実施。技術評価や契約交渉の場において、川崎市と川崎市産業振興財団の知財コーディネータが、マッチングのコーディネートとフォローアップを行っている。
イクシスリサーチは、2006年からモーションメディア技術を活用したナビゲーションロボットの開発を展開。今回の共同研究により、カーナビの経路案内を取得して、自動車運転者により直感的な情報を提示できるようになったとし、今後は、健常者向けの運転支援用の商品化だけでなく、聴覚障がい者や高齢者向けのナビゲーションロボットの実現のために、川崎市福祉製品開発支援補助金の活用や、リハビリテーションセンターの専門家の協力を受けて、研究開発を継続していくとのこと。
パイオニアは共同開発に関して、地域産業活性化への取り組みの第一歩を踏み出すことができたとし、今後も川崎市に本社をおく企業として、川崎市が推進する「知的財産交流会」に参加し、技術力のある市内中小企業との連携を積極的に進めていくとしている。
(椿山和雄)
2010年 5月 18日