クラリオン、カーナビ「Smoonavi」の2010年モデル4製品
発表会を開催。エコ運転アドバイス機能、ダウンロードボイス機能搭載モデルも

NX710

2010年6月上旬発売
オープンプライス



 クラリオンは5月19日、カーナビ「Smoonavi(スムーナビ)」シリーズ4製品、「NX710」「NX110」「NX610W」「NX310」を発表し、同日都内で発表会を開催した。発売日はいずれも6月上旬で、価格はオープンプライス。

名称型名店頭予想価格
ワイド7型 VGA 2DIN 地上デジタルTV
/DVD/SD AV-Naviシステム
NX71016万円前後
ワイド7型 VGA 2DIN ワンセグ
/CD/SD AV-Naviシステム
NX11010万円前後
ワイド7型 2DIN 地上デジタルTV
/DVD/SDD AV-Naviシステム
NX610W17万円前後
ワイド7型 2DIN ワンセグ
/DVD/SDD AV-Naviシステム
NX31013万円前後
NX110NX610WNX310
クラリオン マーケティング本部 本部長 松岡義久氏

ザナヴィと統合後初の新プラットフォーム
 クラリオンは2009年4月1日に、ザナヴィ・インフォマティクスと合併。ザナヴィは世界で初めてバードビューカーナビを開発した車載機器メーカーで、主に日産自動車の純正カーナビを作っていた。NX710とNX110は、ザナヴィ統合後初の新カーナビプラットフォームで、今後のクラリオンのカーナビの基本となっていくモデル。

 発表会では、クラリオン マーケティング本部 本部長 松岡義久氏が、クラリオンは創立70周年となることとあわせ、ザナヴィとの統合に触れ、これらの新しい製品で市場シェアのアップを目指すと語った。市況については、リーマンショック後の経済環境の落ち込みにより、自動車メーカー標準装着モデルの売上げは落ちたものの、市販製品やディーラー装着モデルの売上げは同等だと言う。この背景として、自動車の低価格化により、標準装備品からカーナビが外れる傾向にあり、その分店頭やディーラーでの販売が増えているとした。

 また、クラリオンのカーナビを競走馬になぞらえ「クラリオンのカーナビは、どちらかと言うと先行逃げ切りタイプではなく、徐々に製品のよさが浸透して売上げが増えていく、差し馬タイプ」と言い、今回の新製品も同様の売れ行きになるのではないかと語った。

NX710
 NX710はSmoonaviのトップモデル。ワイド7型VGAモニター(800×480ピクセル)を搭載し、8GBのSDメモリーを用いている。12セグ地デジ、ワンセグ放送を受信可能で、DVD-Video、音楽CD再生はもちろん、USBメモリーやメモリーカードのMP3/WMA楽曲データの再生も可能。iPhone/iPod接続もでき、ナビ画面からのコントロールを可能としている。

 注目の新機能は、エコ運転アドバイス機能。このエコ運転アドバイス機能は、車速パルスやGPSから得たデータを元に、加速度や減速度を判断するもので、エコ運転目標を博士のキャラクターがアドバイスしてくれる。また、燃料消費が少ないと予測されるルートを案内する省エネルート探索も搭載。日立製作所の「交通情報提供サービス」と連携し、ルートを案内してくれる。

 スポット情報に関しては、Googleマップとの連携を実現。Bluetooth内蔵携帯電話を介してGoogleローカル検索の施設情報を、キーワード入力で取得できるほか、パソコンで取得したGoogleマップ情報をクラリオンのWebサイト「チズルとススム」へ送信し、SDメモリーカード経由やBluetooth内蔵携帯電話経由でナビ本体に転送できる。

 また、ナビ誘導時の音声を変更することができる。クラリオンのWebショッピングサイト「eShop」から購入でき、俳優の下條アトム氏(世界ウルルン滞在記風ナレーション)、女子プロゴルファーの古閑美保選手(熊本弁によるラウンド風ナレーション)、タレント兼レーサーの神子島みか選手(レース風ナレーション)のほか、仮想キャラクターとして積木萌(野球部マネージャーの女子高生)、津出レミ(ツンデレ系の女医)が用意されている。

NX710。背面(写真左)にはUSB接続端子などが用意される
エコ運転アドバイス機能関連の画面。右下にアドバイスをしてくれる博士のキャラクターが見えるエコロジーチェック画面。過去の運転履歴を達成度で示す。デモ機のため、データは登録されていなかったナビ画面下部に自車位置周辺のスポットデータを写真で表示。昭文社のマップルガイドデータを採用しており、約8万件のデータが登録されている
NX710の主要機能NX710とNX110に搭載される省エネルート探索エコ運転アドバイス機能も搭載
Googleマップのローカル検索を用いるスポット検索機能。Bluetooth携帯電話を用いるため、NX710のみの機能Googleマップのスポット情報をチズルとススムに送り、その後カーナビに転送する。SDメモリーカード経由はNX710、NX110とも対応し、Bluetooth携帯電話経由はNX710のみ対応NX710のドルビーボリューム。各ソースごとに異なる音量を補正してくれる
キャラクター付けされたナビ誘導音声を楽しめる

NX110
 NX110はNX710とプラットフォームを同じくするモデル。ワイド7型VGAモニター(800×480ピクセル)を搭載し、8GBのSDメモリーを用いるのは同様だが、地デジ受信はワンセグのみ、DVD-VideoやUSBメモリーの再生機能は搭載せず、iPhone/iPodとの接続機能も省略されている。

 ナビゲーション機能については、NX710と同様。Bluetooth接続機能がないため、交通情報提供サービスとの連携はないものの、省エネルート探索も行える。エコ運転アドバイス機能も搭載し、ナビ誘導時の音声変更も可能で、NX710をナビゲーション機能に特化させたモデルとなる。

NX110。ワイド7型VGAモニターを搭載し、ナビ画面も高精細フラップをオープンしたところ。NX710と比べてシンプルなものとなっている
NX110の背面NX110の機能一覧

NX610W
 NX610Wは、ワイド7型モニター(480×234ピクセル)を搭載する8GB SDD(シリコンディスクドライブ)カーナビ。12セグ/ワンセグの地デジ放送に対応し、Bluetooth携帯電話経由で交通情報提供サービスからのデータをルート探索に反映できる。

 DVD-Video/音楽CD再生のほか、SBメモリーやメモリーカードのMP3/WMA楽曲データの再生も可能。iPhone/iPod接続もでき、ナビ画面からのコントロールを可能としている。

 今回発表された4製品はいずれも2DINサイズのカーナビとなっているが、このNX610Wのみフェイスパネル幅が200mmとなっており、200mm開口コンソールを持つクルマにそのまま利用できる。

NX610W。ほかの3機種と比べフロントフェイスパネル幅が20mm幅広の200mmになるフラップをオープンしたところ。地デジの12セグ/ワンセグ受信に対応する
背面NX610WとNX310の機能一覧

NX310
 NX310は、ワイド7型モニター(480×234ピクセル)を搭載する8GB SDD(シリコンディスクドライブ)カーナビ。ワンセグの地デジ放送に対応し、別売のDTX875(8万7150円)と接続することで、12セグの地デジ受信も可能となる。

 Bluetooth接続機能がないため、交通情報提供サービスの利用はできないが、ナビゲーション機能はNX610と同様。DVD-Video/音楽CD再生のほか、SBメモリーやメモリーカードのMP3/WMA楽曲データの再生も可能。iPhone/iPod接続もでき、ナビ画面からのコントロールを可能としている。

NX310フラップをオープンしたところ。地デジの受信はワンセグのみ背面

主要仕様一覧

型番NX710NX110NX610WNX310
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)178×179.6×100mm178×179.6×100mm205.5×179.1×104mm178×180.8×100mm
取り付け寸法(幅×奥行き×高さ)178×158.3×100mm178×158.3×100mm205.5×160×104mm178×159.5×100mm
フェイスパネル幅180mm180mm200mm180mm
重量3.1kg2.6kg3.3kg2.8kg
画面サイズ7.0型ワイド7.0型ワイド7.0型ワイド7.0型ワイド
画素数800×480ピクセル800×480ピクセル400×234ピクセル400×234ピクセル
ドライブ部8GB SDカード8GB SDカード8GB SDD8GB SDD
DVD再生
音楽CD再生
FM/AM
地デジ(フルセグ)
地デジ(ワンセグ)
USB再生(MP3/WMA)
iPhone/iPod接続(Videoダイレクト)別売ケーブル別売ケーブル別売ケーブル
ドルビーボリューム
5バンドイコライザー
CD録音
Bluetooth携帯電話接続
アンプ(定格出力)16W×4ch(4Ω)16W×4ch(4Ω)16W×4ch(4Ω)16W×4ch(4Ω)
アンプ(最大出力)45W×4ch45W×4ch45W×4ch45W×4ch

(編集部:谷川 潔)
2010年 5月 19日