ブリヂストン、小学校への出張授業「こどもエコ総合学習2010」 低転がり抵抗タイヤの実験や、燃料電池車試乗など |
ブリヂストンは6月2日、「こどもエコ総合学習2010」と題した小学校への出張授業を行った。出張授業が行われたのは、東京都小平市の小平市立第六小学校で、生徒は4年生109名。すぐ近くには、ブリヂストン 東京工場・技術センターがあり、技術センターのスタッフも講師として参加していた。
授業内容は、地球温暖化や低転がり抵抗タイヤに関する座学、低転がり抵抗タイヤと通常のタイヤの転がり具合を調べる実験、そして、日産自動車の協力により、次世代の自動車と言われる燃料電池車の試乗会から構成されていた。
座学では、プロジェクターを使っての授業が行われた。授業冒頭の「環境について何か知っている人は?」という質問に、「CO2!!」「二酸化炭素!!」という声が子供たちからすぐに上がり、CO2という言葉は多くの子供たちに浸透しているようだった。
温室効果ガスや、地球温暖化のメカニズムについての解説後、試乗する燃料電池車の簡単な仕組みの説明が行われた。その後の同じエネルギーで長い距離を走る低転がり抵抗タイヤの解説部分では「あー、これ知ってる~」「テレビで見た~」という声が聞こえ、他メーカーの名前を上げる子もいるなど、CO2ほどではないものの、この現象も何らかの形で見たことがあるという子がいた。
温室効果ガスによる地球温暖化の寄与度グラフ | 地球温暖化のメカニズム | 燃料電池車の構造 |
ゴムの種類。天然ゴムと合成ゴムがある | 転がり抵抗が異なると、走る距離も違ってくる。この個所では、「知ってる~」などの声が上がった | 二酸化炭素の抑制には、タイヤの空気圧チェックも大切 |
■実験では理屈どおりにいかないことも
ただ見るだけではなく、実際に体験して実験を行うというのが今回の授業のポイント。座学の後は、2グループに別れ、1つのグループは先に実験を、もう1つのグループは燃料電池車の試乗を行った。
実験は、ブリヂストンが用意した4輪車組立キットを使用する。4輪車組立キットには、シャシーのほか車軸が2本、タイヤが白黒それぞれ4本入っており、どちらのタイヤがよく転がるかは分からない。白いタイヤで組み立てる子と、黒いタイヤで組み立てる子の2組に分け、組立後2人1組になって実験が始まった。
結果は黒いタイヤのほうがよく転がるというのが正解だが、そこは理屈どおりにいかないのが実験のおもしろいところ。タイヤをシャシーに触れるほどきつく組み立てたり、タイヤにほこりが付いたりすると、白いタイヤの車のほうが長距離を走る結果も出ていた。
実験終了後は、4輪車組立キットの回収と引き替えにブリヂストンからエコバックの進呈。「えー、これ(4輪車組立キット)もらえないの~」という声も聞こえたが、エコバックの中に転がり抵抗の異なるゴムボールが入っているのが伝えられると、「やったー!!」という歓声が上がっていた。ゴムの不思議を体感できるのは、楽しいことなのだろう。
■子供たちも大喜びの燃料電池車試乗
先に実験を終えたグループは、燃料電池車の試乗のために校庭に移動。校庭には日産の「X-TRAIL FCV」が用意されており、スタッフから水素と酸素で発電をして動く燃料電池車の特徴が語られた。燃料電池車は化石燃料の燃焼を行わないため、排気ガスも出ず、出るのは水のみ。この体感も行われ、X-TRAIL FCVの後方に回って、実際に排気ガスが出ないことの確認が行われた。
その後は、4人1組になっての試乗が開始された。運転するのは日産のスタッフで、助手席に1人、後席に3人が座り校庭を1周する。ゆっくり走るだけでなく、途中急加速や急減速も行うなど、その動力性能の一部を体験することに。燃料電池車は駆動にモーターを使うため、トルクが太く、結構な勢いで加速する。試乗を終えた子供からは、「すげぇ」「おもしろい」「(東京ディズニーランドの)ビッグサンダーマウンテンみたい」と、X-TRAIL FCVの性能の一端を体感できていたようだ。
ブリヂストンではこのような取り組みを全国で行っており、回収された4輪車組立キットは次の開催学校で使われていく。4輪車組立キットによる実験、そして未来の自動車である燃料電池車の試乗と、子供たちは出張授業を楽しめていたようだった。
(編集部:谷川 潔)
2010年 6月 2日