日産、コンパクトカー「マーチ」をフルモデルチェンジ クラストップの26km/Lを実現 |
日産自動車は7月13日、コンパクトカー「マーチ」をフルモデルチェンジし発売した。価格は99万9600円~164万4300円。
新型マーチは、新しいプラットフォームであるVプラットフォームを採用。全車新開発の3気筒1.2リッターエンジン、副変速機付きのエクストロニックCVTを搭載し、2WD(FF)とリアモーターアシストタイプの4WD、アイドリングストップ機構搭載車が設定される。アイドリングストップ搭載車では、クラストップの10・15モード燃費26.0km/Lを実現した。価格とグレードは以下のとおり。
グレード | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | アイドリングストップ | 燃費 | 価格 |
12S | 直列3気筒 DOHC 1.2リッター | CVT | 2WD(FF) | なし | 24.0km/L | 99万9600円 |
12X | あり | 26.0km/L | 122万9550円 | |||
12G | 146万8950円 | |||||
12X FOUR | 4WD | なし | 20.0km/L | 140万4900円 | ||
12G FOUR | 164万4300円 |
新開発の3気筒1.2リッターエンジン(HR12DE)は、最高出力58kW(79PS)/6000rpm、最大トルク106Nm(10.8kgm)4400rpmを発生。従来モデルの4気筒エンジンに対し、3気筒とすることでフリクションの低減を図っている。3気筒の振動に対しては、クランクプーリーや、ドライブプレートにアンバランスマスを設け、エンジンが発生する縦方向の振動を横方向の振動へ変換し、アイドリング時の室内体感振動の低減を実現していると言う。
トランスミッションは、ベルトによる無段変速機と副変速機(2段変速)の組み合わせにより、変速比幅を従来比20%増の7.3へと拡大。プーリーの小型化なども図ることで、同クラスのCVTに対し、フリクションを約30%低減している。
エクステリアでは、「キビキビ×しっかり」をコンセプトに、重心を低くしリアトレッドを拡大することで踏ん張り感を表現し、ボディーサイドのシリンダーデザインにより守られ感を表現していると言う。その上で、丸いヘッドライトとアーチを描くサイドウィンドーにより、マーチらしさを継承している。
このボディーは空力にも優れており、先代のマーチがCd値0.33であったのに対し、標準で0.32を実現。リアスポイラーを装着すると0.31になる。
ボディーサイズは、3780×1665×1515(2WD)/1525(4WD)mm(全長×全幅×全高)。ホイールベースは2450mmで、車重は2WD車が940~960kg、4WD車が1030~1040kg。
ボディーカラーは、スプリンググリーン、ナイトベールパープル、クリスタルライラック、ジャンパーニュゴールド、ホワイトパール、ブリリアントシルバー、ピュアブラック、バーニングレッド、パシフィックブルーの9色を用意し、ブラック/アイボリー(12G、12G FOUR)、ナチュラルグレー(12X、12X FOUR)、ブラック(12S、12X、12X FOUR)の内装色と組み合わされる。
インテリアは、ゆるやかな曲線とあたたかみのある曲線によるツインバブル形状とし、守られ感を演出したと言う。メーターパネル部は大型のスピードメーターを中央に配置。12G、12G FOURではスピードメーター中央部にインフォメーションディスプレイを装備し、燃費表示のほかハンドルの切れ角を示すタイヤアングルインジケーターが15km/h以下の前進/後退時に表示される。
このタイヤアングルインジケーターは、タイヤの切れ角(ステアリングの切れ角)を4段階で示し、車がどの方向へ進むのかを矢印で表示。後退での駐車時などで一役買う機能となっている。
インテリアカラーはグレードにより異なるが、3色用意される。左からブラック/アイボリー、ナチュラルグレー、ブラック |
12G、12G FOURでは、スピードメーター中央部にインフォメーションディスプレイを装備 | アイドリングストップインジケーターはこの位置に表示される |
タイヤアングルインジケーターの表示例 | 後退時の例。どの方向へ車が進むのか表示され分かりやすい |
マーチでは、全車平成22年度燃費基準+25%を達成し、エコカー減税(環境対応車普及促進税制)により自動車取得税と自動車重量税が75%減税される。
(編集部:谷川 潔)
2010年 7月 13日