富士キメラ総研、「世界の自動車用主要部品50品目」の市場調査結果
2020年の市場は、2009年比で197.1%の46兆4201億円

2010年7月16日発売
9万7000円



 富士キメラ総研は7月16日、世界の自動車用主要部品50品目の市場を調査し、今後の高機能化と低価格化自動車への業界の取り組みや対策、戦略についてまとめた報告書「2010 新自動車部品マーケティング便覧」を発売した。A4判364ページで価格は9万7000円。

 調査では次世代自動車構成部品14品目と、エンジンルーム(8品目)、駆動・足まわり(6品目)、吸・排気系(3品目)、内装(4品目)、電装部品(9品目)、外装(6品目)の既存部品36品目を対象に、世界規模推移やメーカーシェア、価格動向、コスト・調達・生産拠点戦略、2020年の見通しなどについて分析したもの。調査期間は3月~5月。

世界の自動車市場の今後と方向性
 自動車メーカー各社は、先進国向けにHEV(ハイブリッド車)およびEV(電気自動車)の投入を予定するとともに、新興国向けにコンパクトカー、ローコストカー、ウルトラローコストカーの開発/投入を計画していると言う。

 しかしHEVは大型車両へのハイブリッドシステム搭載が課題であり、今後生き残っていくためには、「さらなる技術開発とFCV(燃料電池車)の実現が必要」とした。

 EVは現状のバッテリーやモーターでは普及への課題が残ることから、特に広大な国土を保有する国では、「エンジンを充電専用に使うレンジエクステンダー型EVがEV普及のつなぎ役を果たす可能性がある」とした。

 また、中国は2020年に2768万台に達する巨大自動車市場になると予想し、「戦略車種の投入が必須」とした。一方、2020年に910万台の需要が予想されるインドはコンパクトカー中心の市場であり、タタ自動車「ナノ」のようなウルトラローコストカーへの需要が多いものの、こうしたモデルと競合するより高品質なコンパクトモデルの展開が重要と結論づけている。

世界の自動車部品市場
 2020年の世界の自動車部品市場は、2009年比で197.1%の46兆4201億円になるとし、今後2020年にかけて長期的に拡大を続けると言う。駆動・足まわり系のシステムが順調に市場を拡大することと、特に次世代自動車向け部品は2020年に3兆4615億円と、2020年の国内自動車部品市場の38.4%を、全世界の次世代自動車部品市場の約50%を占めると予測しており、「この分野で日本企業が優位を維持できるかによって、日本の自動車産業の浮沈を左右する」としている。

注目される部品
 注目される部品としては、DCT(デュアルクラッチトランスミッション)、アイドリングストップシステム、LEDリアコンビネーションランプの3つを挙げた。

DCT(デュアルクラッチトランスミッション)
 2020年における全世界でのDCTの市場規模は、2010年(見込み)の1568億円から5948億円に拡大すると予測。

 特に欧州市場が牽引しており、これはトランスミッションに対する考え方が影響していると言う。欧州はもともとMT(マニュアルトランスミッション)の需要が高く、MT機構から発展したDCTの受け入れがスムーズであり、今後もフォルクスワーゲングループを中心に堅調な伸びが期待できるとしている。

 一方、北米でもフォードを筆頭にGM、クライスラーがDCTを搭載(または予定)するが、「一度根付いたAT文化を急激に変化させることは困難」と予測している。

 中国ではある程度DCTを受け入れる土壌があるとし、低コスト化を重視した開発により比較的安価な新興国向け車両にも製品が投入されることが期待されると言い、「今後はディーゼルとの組み合わせ、ハイブリッドシステムとの組み合わせも進展すると考えられる」としている。

アイドリングストップシステム
 2020年における全世界でのアイドリングストップシステムの市場規模は、2010年(見込み)の513億円から4138億円に拡大すると予測。

 欧州ではCO2排出量規制および低燃費車に対する税制優遇により、通常のガソリン車、ディーゼル車の燃費対策が求められていることのほか、軽自動車や小型車ではハイブリッドシステムより低コストかつ小型化であることから、「同システムに対する需要は高く、先進国の中では欧州が普及の中心になる」と予測。

 新興国においては、アイドリングストップシステムはコスト増になるため直近での需要は期待できないとしながらも、今後環境規制が厳しくなるにつれて普及が進むとした。

LEDリアコンビネーションランプ
 2020年における全世界でのLEDリアコンビネーションランプの市場規模は、、2010年(見込み)の348億円から611億円に拡大すると予測するが、需要の拡大が予測される新興国向けのローコストカーでは、価格を優先してタングステンランプを使用し続けると言う。

 2020年の段階でも、全世界で生産される車両の50%前後の搭載率にとどまると予測しており、2020年までに世界でのLED化率が高まるのはハイマウントストップランプ、ストップランプ、テールーランプとし、「そのほかのランプのLED化向上には低価格化が必要」と述べている。

(編集部:小林 隆)
2010年 7月 16日