2011年10月に鈴鹿サーキット東コースでWTCC日本ラウンドを開催 スーパー耐久レースも併催 |
鈴鹿サーキットを運営するモビリティランド代表取締役社長 大島裕志氏(左)と、WTCCのオフィシャルタイヤサプライヤーである横浜ゴム執行役員兼タイヤグローバル製品企画本部長 小松滋夫氏(右) |
2010年8月22日発表
SUPER GT 第6戦 インターナショナル ポッカGT サマースペシャルの決勝が行われた8月22日、鈴鹿サーキットにおいて2011年10月に予定されているWTCC(World Touring Car Championship:世界ツーリングカー選手権)日本ラウンドの開催概要が発表された。今年の10月に行われる予定のレースを含めて、日本ではこれまで岡山国際サーキットで3年間行われてきたWTCCだが、来年から鈴鹿サーキットへ場所を移して開催されることになる。
鈴鹿サーキットの発表によれば、レースは本コースではなく東コースで開催され、コンパクトなレイアウトのコースを使用することで、これまでの岡山と同様に激しいレースが展開されることになりそうだ。
■2011年WTCC鈴鹿戦は、10月23日決勝開催で調整中
WTCCは、FIA公認の4つの世界選手権(ほかの3つはF1、WRC、GT1)のうちの1つで、市販車を改造して戦うレースとして、ヨーロッパを中心に開催されている。現在WTCCには、シボレー(GM)、セアト(VWグループ)、BMWの3メーカーがワークスとして参戦しているほか、多くのプライベーターも参加しており、毎戦毎戦激しい戦いが繰り広げられている。
このWTCCは、2008年より岡山国際サーキットで日本ラウンドが行われており、今年も10月30日、31日の2日間にわたり開催される。この日本ラウンドが、来年より鈴鹿サーキットで行われることになる。その意気込みに関して鈴鹿サーキットを運営するモビリティランド 代表取締役社長 大島裕志氏は「弊社ではF1をはじめとした世界格式のレースを積極的に開催してきた。WTCC開催にあたっても同じように、多くのファンを飽きさせないレースを見せたいと思う。それを実現するために世界有数の鈴鹿サーキットのハード、ソフトをうまく使っていきたい」とその意気込みを語った。また、大島社長は「これまでWTCC日本ラウンドを開催してきた岡山国際サーキット様の尽力に敬意を表明したい」と述べ、結果的に開催権を奪うことになってしまった岡山国際サーキットに気遣いを見せた。
レースは鈴鹿サーキットの東コースと呼ばれる、メインストレートを含む東側半分で行われることになる。鈴鹿サーキットの担当者によれば「WTCCでの激しいバトルを考えれば、東コースで行うことでこれまで見たこともないようなレースになるのではないかと判断した」とのことで、新しい試みの1つとして世界格式のレースを東コースで開催する。さらに、WTCCと同時開催のレースとしてスーパー耐久(S耐)のレースを同日開催することを明らかにし、「S耐を見てもらいそのおもしろさをアピールしていきたい」(鈴鹿サーキット担当者)と、WTCCと併催することで国内のツーリングカーレースの活性化につなげていきたいと述べた。
なお開催日程だが、JAFより発表された暫定カレンダーでは10月30日となっていたが、現時点では10月23日に決勝ということで調整が進んでいるとのことだった。午前中にS耐久の決勝を行い、午後にWTCCの決勝を行う予定だ。
今年のWTCCに参加するドライバーと、横浜ゴムの小松滋夫氏(中央) |
■今年のWTCC日本戦には、谷口選手、柳田選手ら4名の日本人ドライバーが参戦
記者会見には、WTCCのオフィシャルタイヤサプライヤーである横浜ゴム 執行役員兼タイヤグローバル製品企画本部長の小松滋夫氏も同席しており、「これまで5年間WTCCにタイヤを供給してきたが、苦労の連続で、今年無事100戦目を迎えることができた。来年から鈴鹿サーキットに移ることで世界一流の施設が使用できるようになることは素直に歓迎したい。今年の10月には岡山国際サーキットで3年目のイベントが行われる。これまでの2年はずっと雨だったので、今年こそは晴れのレースを期待したい」と言い、同社のWTCCへの取り組みをアピールした。
また、発表会では今年のWTCC日本ラウンドに参戦する日本人ドライバーも紹介された。谷口信輝選手、柳田真孝選手、谷口行規選手、伊藤善博選手の4人で、それぞれの意気込みを語ってくれた。
昨年もWTCC日本ラウンドに参戦した谷口信輝選手は「初めて挑戦した昨年は結果から言うと惨敗だった。横浜ゴムがもう一度チャンスをくれたので、世界で自分のレベルがどのあたりにあるのか確認したい」と述べた。また、今年WTCCに初挑戦となる柳田真孝選手は「前から挑戦したいと考えていた。世界のドライバーに負けないように走っていきたい」とその抱負を語った。
2008年のWTCC日本ラウンドに挑戦した谷口行規選手は「2年前に出たときには(レースの)空気に飲まれてしまった、今年はそのリベンジをしたい。2人谷口でアナウンサー泣かせだが、がんばります」とジョークも交えて意気込みを語ってくれた。また、柳田選手と同じく今回が初挑戦となる伊藤善博選手は「無名な自分ですが、WTCCにはぜひ出たかったのでこれまでも交渉を続けてきました。先輩方に比べて実績では見劣りする自分ですが、来月にドイツでテストができるのでその時に走り込みたい」と述べた。
谷口信輝選手 | 柳田真孝選手 |
谷口行規選手 | 伊藤善博選手 |
(笠原一輝)
2010年 8月 23日