【ラリージャパン2010】レッドブル、「Red Bull Raikkonen Challenge」を開催
高性能EVカートでキミ・ライコネンと対決

キミ・ライコネン選手とカート対決ができる「Red Bull Raikkonen Challenge」

2010年9月7日開催



 9月9日から12日まで北海道で開催されるWRC(世界ラリー選手権)第10戦「ラリージャパン」を目前に控えた9月7日、千歳空港に近い「千歳アウトレットモール・レラ」において「Red Bull Raikkonen Challenge(レッドブル・ライコネン・チャレンジ)」が開催された。

 このイベントはラリージャパンを記念して行われたもので、シトロエン・ジュニアチームのドライバー、キミ・ライコネン選手とカート対決ができるというもの。イベント嫌いとして知られている同選手だけに、間近で会えるだけでも貴重な機会となる上に、カート対決までできるという、ファンにとってはまさに夢のようなイベント。参加者枠は先着順で100名までとなっていたが。平日ながら早朝から並ぶツワモノがいたほどで、10時から行われた申し込みは瞬時に締め切りとなった。

 参加枠をゲットできた幸運な100名のドライバーは、駐車場内に設けられた特設コースにおいて、予選となるタイムトライアルを走行。全長約220mのコースをエンジンカートで走行し、タイムを競った。

千歳アウトレットモール・レラで開催されたRed Bull Raikkonen Challenge。前日から当日朝まで雨が降り続いたため開催が危ぶまれたが、予選が始まる頃になるとごらんのような青空に会場には東京などで17台が活躍中というレッドブル・ミニも登場。観客にはレッドブル・エナジードリンクが振る舞われた
予選で使われたエンジンカート初心者でも参加OKとなっていたが本格的なカートのため経験者がやはり速いようだったライコネン選手に挑戦できるとあって女性の姿も多く見られた

決勝に進出した一般参加者とプロドライバーら

 この予選によりタイム上位となった猪股京介さん、阿部弘作さん、今村勇介さん、および女性ながら光る走りを見せた高橋麻美さんが決勝に進出。ライコネン選手にチャレンジする権利を獲得した。

 19時から行われた決勝では「千歳アウトレットモール・レラ」内に設置された、全長約250mの特設コースを使用。予選とは異なり電動カートを使用してインラップ、タイム計測、アウトラップの3周でタイムを競う。一発勝負となることに加え体重差がタイムに大きく影響するため、体格のよいドライバーはそれだけでハンデとなってしまうレギュレーションだ。

 そんな中、ライコネン選手同様、レッキ(事前走行)を終えてから駆けつけた新井敏弘選手のほか、SUPER GTやフォーミュラ・ニッポンなどで活躍する平中克幸選手、自動車ジャーナリストでありラリードライバーでもある三好秀晶選手、北海道出身のスキーヤー・鈴木綾乃さんら4名がゲストとして登場。一般参加者とともにライコネン選手にチャレンジすることになった。さらにサプライズとして本戦でライコネン選手が実際にドライブするシトロエンC4が登場し、大会に華を添えた。

決勝はモール内の通路に設置された250mにおよぶ特設コースで行われたサプライズ「ゲスト」として、本戦で使用されるシトロエンC4 WRCも会場に
決勝で使われた電動カート。モーターは4.2kWの出力を備え、最高速度は130km/hと125ccのエンジンカートを上回る性能を実現
ゲストにはラリージャパンに出走する新井選手も。「普段乗らないから勝手が違うな~」と言いつつも熱い走りを見せてくれた
SUPER GTやフォーミュラ・ニッポンでドライバーとして活躍中の平中克幸選手自動車ジャーナリストであるとともにラリードライバーでもある三好秀晶選手
北海道の人気スキーヤー、鈴木綾乃さんもプロドライバーに混ざって走行みごとに予選を勝ち上がった一般の参加者。100名の中から選ばれただけにスタイルからして本格派だ

予定より少し遅れて会場入りしたライコネン選手が現れると、会場からは大きな歓声が上がった

 当初、ライコネン選手が先に走行、そのタイムを目指して一般およびゲストが走行する予定となっていたが、ライコネン選手の到着が遅れたため、まずは一般参加者から走行が行われた。だが、その途中でレーシングスーツを纏ったライコネン選手が会場入りしたことで決勝は一時中断。会場に訪れた熱心なファンからはひときわ大きな歓声が上がり、モール内は一段とヒートアップ。

 一般およびゲスト参加者の走行後、トリを飾るカタチでライコネン選手が満を持して登場。それほど本気で走っている雰囲気ではなかったものの2位を1秒以上引き離す27秒167を軽々とマーク。来場者のド肝を抜くとともに実力の高さを見せつけた。

 最終的なリザルトは、前述したようにライコネン選手が27秒167でトップ、一般参加者の阿部弘作さんが2位となる28秒574、新井敏弘選手が28秒578で3位となった。残念ながらライコネン選手には及ばなかったものの、2位のタイムをマークした阿部さんにはシャンパンなどとともにサイン入りのチームシャツがライコネン選手から手渡された。

 当日は前日までの暑さが和らぎ、日が落ちると半袖では寒さを感じるほどの陽気となったが、会場を訪れた約2500名ものギャラリーはドライバーたちの熱い走りを間近で感じ、寒さを忘れイベントを楽しんでいたようだった。

慣れないEVカートでもあっさりとファステストタイムをマークしたライコネン選手。会場に手を振る余裕も
会場でインタビューに答えるライコネン選手。一般のラリーフィールドとは違い若い女性ファンからの声援が多かった決勝は一般参加者からの走行となった。阿部さんがスタートについた際にライコネン選手が会場に着いたため一時中断となったが、集中を切らさずみごとに一般参加者トップとなるタイムをマーク一般参加者で優勝を果たした阿部さんにはライコネン選手からサイン入りチームシャツなどが送られた

(安田 剛)
2010年 9月 9日