スバル、21年ぶりに水平対向4気筒エンジンを刷新
ロングストローク化を実現、可変動弁やEGR冷却も採用

2010年9月23日発表



 スバル(富士重工業)は9月23日、新型の水平対向4気筒エンジンを開発したと発表した。用意されるのは2リッターと2.5リッター。群馬製作所大泉工場内に新設される専用工場で製造される。フォレスターから搭載され、今後の主力エンジンとなる。

 同社が「新世代ボクサーエンジン」と呼ぶこのエンジンは、低重心・左右対称・低振動といった水平対向エンジンの特長を維持しつつ、走行性能と環境性能の両立を目指したもの。1989年に初代レガシイに搭載されてデビューしたEJ型の後継となるもので、実に21年ぶりの全面刷新となる。

 EJ型と新型の最大の相違は、ボア/ストローク。水平対向エンジンはシリンダーが横方向に伸びるうえ、同社の製品ではフロントのホイールハウスの間に置かなければならないため、ボアよりもストロークが短いショートストロークの構成を取らざるを得なかった。新型エンジンではロングストローク化と燃焼室のコンパクト化を実現し、中低速トルクを向上させた。

 吸排気バルブとも、可変動弁機構の「AVCS」(アクティブ・バルブ・コントロール・システム)を搭載。吸気側はバルブタイミングの進・遅角両制御が可能な中間ロック式を採用した。

 また燃費改善策として、吸気ポート形状の最適化、ポート内への隔壁設置、TGV(タンブル・ジェネレーテッド・バルブ)やEGR(エキゾースト・ガス・リサーキュレーション)クーラーを採用。ピストンやコンロッドなど主運動系部品の軽量化、高効率小型オイルポンプによってフリクションロスを約30%低減することで、燃費とレスポンスを改善した。

 このほか、エンジン冷却回路をブロック側、ヘッド側に分離し、冷却効果を最適化した。

 新世代ボクサーエンジン現行型ボクサーエンジン
エンジン形式水平対向4気筒DOHC エンジン
総排気量1995㏄1994 ㏄
圧縮比10.510.2
ボア/ストローク84㎜/90㎜92㎜/75㎜
最大出力109kW109kW
最大トルク196Nm191Nm

(編集部:田中真一郎)
2010年 9月 24日