自動車の安全評価JNCAP(自動車アセスメント)2010年度前期分
来年4月に全モデルの結果を発表

2009年度の自動車アセスメントでの試験模様

2010年11月1日発表



 国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)は11月1日、2010年度前期分の「自動車アセスメント(JNCAP:Japan New Car Assessment Program)」の評価結果を発表した。

 自動車アセスメントは、自動車の安全性能比較評価をユーザーに公表するもので、「チャイルドシートアセスメント」とともに、より安全な自動車やチャイルドシートの普及に加え、各メーカーの研究開発を促進することを目的にしている。

 今回発表されたのは前期分だが、全モデル(計12車種)およびチャイルドシート4機種の選定は終わっており、2011年4月に対象車種と対象機種の評価結果を公表する予定。

 前期分として評価を受けたのはスズキ「アルト」/マツダ「キャロル」、ダイハツ「タント エグゼ」「タント エグゼ カスタム」/スバル「ルクラ」「ルクラ カスタム」、トヨタ「パッソ」/ダイハツ「ブーン」、ホンダ「CR-Z」「CR-Z(SCA付)」、トヨタ「SAI」。CR-Z(SCA付)は委託試験車種で、側面衝突試験のみを実施している。

車種前面衝突後席乗員保護性能評価後面衝突頸部保護性能評価(運転席/助手席)ブレーキ性能(ドライ路面/ウェット路面)歩行者頭部保護性能評価衝突安全性総合評価(運転席/助手席)
アルト/キャロルレベル3

-

41.9m/45.0mレベル35/5
タント エグゼ(カスタム)/ルクラ・ルクラ カスタムレベル39.93/9.9342.9m/46.7mレベル36/6
パッソ・ブーンレベル210.27/10.2744.4m/49.0mレベル46/6
CR-Zレベル310.80/10.8039.2m/41.8mレベル35/6
CR-Z(SCA付)5+/6+
SAIレベル46.92/6.9242.7m/43.7mレベル46+/6+

 評価の内容は、レベルの数値が大きいほど前面衝突後席乗員保護性能が高いことを示す「前面衝突後席乗員保護性能評価」、得点が高いほど後面衝突頸部保護性能が高いことを示す「後面衝突頸部保護性能評価」、100km/hからの制動距離をあらわす「ブレーキ性能(停止距離)」、レベルの数値が大きいほど歩行者の頭部保護性能に優れる「歩行者頭部保護性能評価」、数値が高いほど乗員への傷害が軽くなることをあらわす「衝突安全性能総合評価」のほか、シートベルトのアクセス性、バックルの識別性、バックルのタングへの挿入性およびシートベルト装着時の快適性を3段階で示す「後席シートベルト使用性評価」。

 衝突安全性能総合評価で表示される「+」は、試験法に定める基準に適合したサイドカーテンエアバッグが装備されていることをあらわしている。

 各項目の詳細は国土交通省のWebサイト(http://www.mlit.go.jp/common/000127247.pdf)に掲載されているので、こちらを参照されたい。

2010年度自動車アセスメント試験対象車種

カテゴリー車種備考
軽自動車スズキ「アルト」

-

ダイハツ「タント エグゼ」「タント エグゼ カスタム」
乗用車Aホンダ「CR-Z」排気量1500cc以下、ワンボックス車およびミニバンを除く
日産「ジューク」
スズキ「スイフト」
トヨタ「パッソ」
VW「ポロ」
日産「マーチ」
乗用車B三菱「RVR」排気量2000cc以下、ワンボックス車およびミニバンを除く
乗用車Cトヨタ「SAI」排気量2000cc超え、ワンボックス車およびミニバンを除く
ワンボックスおよびミニバン日産「エルグランド」ワンボックス車およびミニバン(座席が3列以上)
マツダ「プレマシー」

2010年度チャイルドシートアセスメント試験対象機種

カテゴリー通称名備考
乳児・幼児兼用エールベベ・クルット NT

-

takata04-smartfix
幼児用エールベベ・グローバ体重が9kgから18kg以下の子どもを対象
ユーロハーネス

(編集部:小林 隆)
2010年 11月 1日