「ツインリンクもてぎ 秋の感謝祭」開催を前に、武藤選手、中山選手が来社
「ファンともっと交流したい」と武藤選手

来社してくれた武藤英紀選手(右)、中山友貴選手(左)

2010年11月20日~23日開催
入場料:大人600円、子ども250円、幼児150円(要割引券)



 ツインリンクもてぎは(栃木県芳賀郡茂木町)、ファン感謝デー「ツインリンクもてぎ 秋の感謝祭」を、11月20日~23日のスケジュールで開催する。入場料は大人1200円、子ども500円、幼児300円だが、同社のWebサイトにある割引券を持参すれば半額になる。

 ツインリンクもてぎ 秋の感謝祭は、スーパースピードウェイをバスに乗って体感できるツアーや自分のクルマで走れる体験走行会、カート体験などのほか、熱気球の搭乗体験および熱気球と花火のコラボレーションイベント、Tシャツやキャップといったアパレルグッズ、ミニカーなどを特別価格(最大76%OFF)で販売するアウトレットセールなど、多数のイベントが用意されるファン感謝祭。その中でもっとも注目なのは、11月20日に行われるホンダ系ドライバーが一堂に会する「Hondaドライバー大集合!!」だ。

 同イベントにはSUPER GTで活躍する伊沢拓也選手、井出有治選手、塚越広大選手、中山友貴選手、道上龍選手、山本尚貴選手、そしてIZOD インディカー・シリーズで活躍する武藤英紀選手が参加し、カート対決やサイン会、トークショー、ゲーム大会など、ファンとの交流イベントを多数行う。

 その開催を前に、武藤選手と中山選手がCar Watchを訪れ、イベントの紹介を行ってくれたのでここに紹介する。

「Hondaドライバー大集合!!」の発起人、武藤英紀選手

ファンとの交流を一番に考えたイベント
 「Hondaドライバー大集合!!」は、武藤選手を発起人として企画されたイベント。武藤選手は「以前からファンと交流する機会が少ない」と感じていたそうで、その想いをきっかけに各ドライバーに呼びかけしたところ、各ドライバーが賛同して企画がスタートしたと言う。

 「ファンともっと交流したい」との想いはホンダ系ドライバー全員が持っていたそうだが、「ドライバー同士の仲はよいですが、僕たちは同じ土俵(GT500)で闘っていて、いつもはライバル。だから普段こういった話をする場がなかなかなかった」と、中山選手は言う。

 SUPER GTでは、普段からレーシングコース上に並ぶマシンを間近に見られるグリットウォークや、ピットロードやレーシングコースを歩くことができるピットウォークなど、ファンが楽しめるイベントを積極的に行っているが、レース本番に行われるためドライバーがピリピリムードになることもある。

 武藤選手が参戦するインディカー・シリーズでは、日本と同等もしくはそれ以上にファンを大事することから、サイン会のようなファン交流イベントにドライバーは必ず参加しなければならないと言う。また、サインするときは相手の目を必ず見ること、携帯電話のメールを見るのはNGといった規則が設けられており、その規則を破ると罰則が科せられるそうだ。ファンにとってはドライバーと接する機会は貴重な時間であり、こういったイベントが開催されるのは嬉しい話だが、一方でドライバーの立場から考えると、レースへのモチベーションを保つことはなかなか難しそうである。

 そういった意味で、今回行われる「Hondaドライバー大集合!!」はオフシーズンに行われるため、ファンにとってもドライバーにとっても“交流”に集中できるよい機会。

「武藤さんがイベントをやろうと声を上げてくれたのは嬉しかった」と語る中山友貴選手

 交流イベントは、例えばスーパースピードウェイをバスに乗って体感できるツアーでは武藤選手や中山選手らが同乗し、コースガイドのほかレースでの秘話などを紹介すると言う。また、選手らがカートでタイムアタックを行い、そのタイムを来場者が超えたらプレゼントを渡すイベントも用意される。一見プロドライバーのタイムを超えるのは至難に思えるが、小学6年生くらいから乗れる小型のものを使用するそうで、特に体重の軽い子どもたちには十分に勝機があるとのことだ。

 中山選手は「武藤さんがイベントをやろうと声を上げてくれたのは嬉しかった。ドライバー主体で行うので手作り感のあるイベントだが、この機会にファンと積極的に交流していきたい」と言い、武藤選手は「今回が初めての試みになるが、これを機に2回、3回と続けていきたい」と述べ、今後もファンと交流を持てる場を増やしていきたいとの抱負を語ってくれた。

 なお、「ツインリンクもてぎ 秋の感謝祭」が行われる11月20日~23日の期間は、同イベントの特設サイト内で用意される割引券(http://www.twinring.jp/cms-data06/autumn_m/pdf/coupon.pdf)を持参すれば入場料金が半額になるので、この機会にツインリンクもてぎに訪れてみてはいかがだろうか。

今シーズンの総括、来シーズンの抱負
 また、両選手に今シーズンの総括を聞くことができたので紹介する。

 武藤選手は、今シーズンはニューマン・ハース・レーシングから出場し、最終的には18位という成績で終えたわけだが、「今シーズンは結果を残せなかったこともあり、最悪のシーズンだった」と振り返る。シーズン序盤は手応えがあったそうだが、中盤以降にマシンのバランスが合わなくなってしまったと言い、「もてぎで行われたインディ・ジャパンではもっと前を走りたかった」と悔しさを滲ませる。

 現時点では来シーズンは白紙の状態としながらも、「日本に帰ってくるのではなく、もう一度インディにチャレンジしたい。チーム選びも含め、よい体制で臨みたい」と述べるとともに、目標は優勝することと、力強く宣言してくれた。

 中山選手もまた、GT500で14位に終わったことを悔やむが、「ダンロップとのタイヤ開発をはじめ、各レースを積み重ねていくことでスキルアップができ、今後に生きるシーズンだった」と振り返る。

 また、来シーズンのことはすべて未定としつつ、「今年はちゃんとした成績を残せなかったので、できれば同じ体制でリベンジしたい」と述べ、2011年シーズンでの活躍を誓った。また、2011年はフォーミュラ・ニッポンへの参戦を希望していることを明かしてくれた。

今シーズンに武藤選手が駆ったニューマン・ハース・レーシングのインディカー今シーズンに中山選手が駆ったNAKAJIMA RACINGのHSV-010 GT

(編集部:小林 隆)
2010年 11月 16日