スバル、新型コンパクト「トレジア」を発売
4m未満のコンパクトボディーに優れたユーティリティと燃費

トレジア

2010年11月29日発売
142万8000円~197万9250円



 スバル(富士重工業)は11月29日、新型コンパクトカーの「TREZIA(トレジア)」を発売した。4mを切るコンパクトボディーに直列4気筒 DOHC 1.3リッターと1.5リッターの2タイプのエンジンを設定。価格は、142万8000円~197万9250円。

グレードエンジン駆動方式変速機価格
1.3i直列4気筒 DOHC 1.3リッター2WD(FF)CVT142万8000円
1.3i-L157万5000円
1.3i-S168万円
1.5i直列4気筒 DOHC 1.5リッター2WD(FF)152万2500円
4WD170万6250円
1.5i-L2WD(FF)169万500円
4WD187万4250円
1.5i-L Panorama2WD(FF)179万5500円
1.5i-S2WD(FF)179万5500円
4WD197万9250円
1.5i TYPE EURO2WD(FF)183万2250円

 トレジアとは英語のTreasure(宝物・財宝・富)を語源とした造語。「New Compact Smart Wagon」をキーワードに、力強くたくましいエクステリア、ワゴンテイストを備えたユーティリティ、優れた環境性能を実現したとしている。同車は2008年に提携を結んだトヨタ自動車からのOEM供給されたクルマであるが、スバル車のアイデンティティであるウィングモチーフのグリルを用いるなど、スバルらしいエクステリアデザインとしている。

1.3i1.5i1.5i-Lのリアビュー
1.5i-L Panorama1.5i-Sのリアビュー1.5i TYPE EURO
ウィングをモチーフにしたグリルがスバルらしさを演出するTYPE EUROのエンブレム

デザイン
 エクステリアは、フロントフェイスにスバルらしいウィングモチーフのグリルに加えると共に、バンパーを左右への広がりのある安定したデザインに。フロントフェンダーからルーフエンドまで続く伸びやかなワンモーションフォルムに加え、サイドにはフロントフェンダーからリアコンビネーションランプに続くキャラクターラインを描いている。リアは台形のシルエットに横基調のラインを加え、広がり感と低重心感のあるデザイン。また、一部グレードでは16インチホイールを設定。硬質な面形状とシャープなグラフィックでたくましさとスポーティさを演出。さらに、タイヤを四隅に配置することで安定感のあるデザインとしている。

 ボディーカラーにはホワイトパール・クリスタルシャイン、スーパーレッド、シルバー・メタリック、サテンブルー・メタリックマイカ、ディープアメジスト・マイカメタリック、ライトブルー・マイカメタリック、ブラック・マイカの全7色を設定する。

 インテリアでは、インパネを上下2段構成とし、ドアトリムまで連続したデザインとすることで広がり感を表現。インパネやドアトリム上部に異なるシボを組み合わせ、センタークラスターにかけて断面変化を強調する表面加工を施すことで高級感を演出している。メーターはメーターフードとセンタークラスターと一体感を持たせつつ、メタリック加飾を組み合わせることでコクピット感を感じさせるデザインとしている。

 メーターは、大径スピードメーターを中心とした3連メーターに。外気温や燃費などを表示するインフォメーションメーターを組み合わせる。ステアリングは3本スポーク形状とし、手になじむグリップ形状としている。

ホワイトパール・クリスタルシャインスーパーレッドシルバー・メタリック
サテンブルー・メタリックマイカディープアメジスト・マイカメタリックライトブルー・マイカメタリック
ブラック・マイカインパネ

パッケージとユーティリティ
 ボディーサイズは3990×1695×1585mm(全長×全幅×全高、4WDは全高1605mm)とコンパクト。前席のヒップポイントは約610mmとすることで優れた乗降性を実現し、後席は6:4分割可倒式に、2WD車にはフォールディングレバーでワンタッチで格納できるシートを採用している。有効室内長(センターパネル~リアゲートトリム)は2690mm、荷室長760mmを確保。5名乗車時でも大型スーツケース3つが積載可能なほか、一部グレードでは荷室の床面を約120mm下げられるフレキシブル2段カーゴボードを採用。背の高い荷物の積載も可能としている。

コンパクトなボディーに高いユーティリティ性を備える

 前席は薄型シートとすることで、後席足元やニースペースを確保。ユーティリティ面では、助手席側のインパネ上部にアッパーボックスやオープントレイを設置したほか、ドアトリムにボトルホルダー付き大型ポケットを装備する。1.5i-L Panoramaの持つパノラミックガラスルーフは、1250×820mm(長さ×幅)とクラス最大の開口面積、ロール式電動サンシェードも備えている。

エンジンとボディー
 エンジンは1.3リッターと1.5リッターを用意。1.3リッターエンジンは吸・排気連続可変バルブタイミング機構や電子制御スロットルを組み合わせ最高出力70kw(95PS)/6000rpm、最大トルク121Nm(12.3kgm)/4000rpmを発生。1.5リッターエンジンでは2WDモデルで最高出力80kw(109PS)/6000rpm、最大トルク138Nm(14.1kgm)/4400rpmを、4WDモデルで最高出力76kw(103PS)/6000rpm、最大トルク132Nm(13.5kgm)/4400rpmを発生する。

 全車にCVTを組み合わせ、1.5リッターモデルには7速マニュアルモードを搭載、さらに1.5i-L以上にはパドルシフトを装備する。また、1.5リッターモデルにはアクティブトルクスプリットAWDを搭載した4WDモデルが設定されている。

 10・15モード燃費は2WDモデルで20.0km/L、4WDモデルで18.4km/Lを達成。2WDモデルは平成22年度燃費基準+25%達成(4WDは+15%達成)、および平成17年度基準排出ガス75%低減を実現し、2WDモデルは75%、4WDモデルは50%のエコカー減税(環境対応車普及促進税制)に対応している。

 ボディーは高張力鋼板の採用や各部材配置や結合構造の最適化により、軽量で高剛性なボディーを実現。サスペンションはフロントにストラット式、リアにトーションビーム式を採用。ダンパーの減衰力やスプリングレート、スタビライザー径の最適化により、フラットで快適な乗り心地を実現したとしている。スポーティグレードであるTYPE EUROでは、スプリングレートやスタビライザー径に専用のチューニングを施すことで、ロール剛性を上げたスポーティな操縦安定性を実現している。

安全性能、その他装備
 安全性能においては、前面衝突時のエネルギーを分散させるとともに、キャビンの変形を抑える構造とし、側面衝突に対しては、衝突時のセンターピラー変形を抑制している。さらに歩行者保護に対しては、歩行者の頭部や脚部への衝撃を緩和する構造としている。

 全車で運転席、助手席にプリテンショナー+ロードリミッター付3点式ELRシートベルトを装備すると共に、フロントデュアルSRSエアバッグを標準装備。また、SRSサイドエアバッグ、SRSカーテンエアバッグを用意している。そのほかTYPE EUROには、VDC&トラクションコントロールシステムを設定している。

 そのほかの装備として、サイドターンランプ付き電動格納式ドアミラーやボディー一体型ルーフスポイラーを全車に標準装備。1.5LモデルではLED式のリアコンビランプを採用。i-L以上のグレードでバンパー埋め込み式フロントフォグランプ、キーレスアクセス&プッシュスタート、イモビライザー、テレスコピックステアリングを標準装備としたほか、HIDロービームも設定。i-SとTYPE EUROにはサイドシルスポイラーを標準装備している。

(瀬戸 学)
2010年 11月 29日