フェラーリ、サーキット専用車「458チャレンジ」をワールドプレミア
F430チャレンジの後継機がデビュー

ボローニャ・モーターショーでワールドプレミアした458チャレンジ

2010年12月2日(現地時間)発表



会場には458チャレンジのほか、599XX、FXX、F1マシン「F60」などが展示される

 伊フェラーリは12月2日(現地時間)、第35回ボローニャ・モーターショーにおいてサーキット専用車「458チャレンジ」のワールドプレミアを行った。同会場にはサーキット専用モデルの599XX、FXXのほか、2009年F1世界選手権に出場したF1マシン「F60」などが展示されている。

 最高出力425kW(570PS)/9000rpm、最大トルク540Nm/6000rpmを発生するV型8気筒4499ccエンジンの458 イタリアをベースに、ワンメイク・チャンピオンシップ用に開発されたモデル。フィオラーノ・サーキットでのテストでは、F430チャレンジよりも2秒早いラップタイムを刻んだと言う。

 エンジンに大幅な変更はないものの、より低回転域から高トルクを発生するべくデュアルクラッチF1ギアボックスのギア比とキャリブレーションを改良したほか、同社のサーキット専用車で初採用となるE-Diff(電子制御ディファレンシャル)を搭載した。

 ボディーに関してはボディーシェル・パネルの薄肉化、カーボン・ファイバー、レキサン(ポリカーボネート)などの軽量素材を積極的に使用し、徹底的な軽量化が図られた。

 足まわりはスチールのユニボール・ジョイント、アルミニウム製ブッシュ、強化スプリング、シングル・レート合金ダンパー、19インチ鍛造ホイール、ピレリ製スリック・タイヤを備えるほか、ベース車よりも50mm低い車高、599XXで初採用した新世代のブレンボ製カーボン・セラミック材を使用したブレーキディスクなど、特別なセットアップが施される。

 また、E-Diffと連携し、ウェット路面とドライ路面のそれぞれで常に最大のグリップレベルを確保する「F1-Trac トラクション・コントロール・システム」を搭載。このF1-Tracのほか、E-Diff、ABS、EBD(電子制御制動力分配システム)のセッティングは、ステアリングに設けられる「マネッティーノ」での選択が可能。

 この458チャレンジを使ったワンメイクレースは、イタリア、ヨーロッパ、北米シリーズのほか、来年から新たにアジアでも開催されることが決定している。

(編集部:小林 隆)
2010年 12月 7日