カロッツェリア「楽ナビLite AVIC-MRZ99」レビュー【後編】 4チューナー×4アンテナの12セグ地デジには満足 |
AVIC-MRZ99 |
2DINメモリーカーナビとして、多機能を誇るカロッツェリア(パイオニア)の「楽ナビLite AVIC-MRZ99」。前編では、AVIC-MRZ99の取り付けやカーナビ機能を紹介したが、後編では最新地図へのアップデート方法や、これからの2DINカーナビでは必須とも言える地デジ機能について紹介していく。
■毎月データ更新が可能なマップチャージ機能
AVIC-MRZ99の特徴の1つは、毎月地図データの更新が可能なマップチャージ機能だ。毎月行われる更新は、インターネットを通じて差分データのみ配布されるため、データ更新が少なければデータサイズも小さく、更新にかかる時間も短くてすむ。
1年に2回(5月と11月)全データの更新が行われるので、毎月のデータ更新をしていない場合でも、全データ更新を行えば1度ですむ。3年間(2014年4月まで)はデータの更新が無料で行えるのもありがたい点だ。地図データは更新できても、1万円~2万円の手数料がかかったり、本体をメーカーに送ったり、という昔のカーナビを思えば素晴らしい進歩だ。価格の安価なPND(Portable Navigation Device)などでは、地図更新を行なえない機種があるが、それと比較しても優れている点だろう。
2010年10月発売ということもあり、羽田空港の新国際線ターミナルビルもすでに反映されている |
購入したのが2010年12月に入ってからということもあって、マップデータはすでに2010年秋版になっており、羽田空港の新国際線ターミナルや、羽田近くの首都高神奈川6号川崎線の開通はすでに地図に反映されていた。特に高速道路の開通は遠距離を走る場合のルートに与える影響が大きいため、地図データが適宜更新されるのはありがたい。
3月19日には、関越自動車道~東北自動車道~常磐自動車道をつなぐ北関東自動車道の全線開通が予定されており、その反映も楽しみなところ。大型連休などで遠方にドライブする場合などは、出かける前に必ず最新のマップデータに更新しておくべきだろう。
データの更新には、SDHCメモリーカードを利用する。更新データはインターネットで配布され、パソコンの専用ソフト「ナビスタジオ」を使用してSDHCメモリーカードに転送する。このナビスタジオは、サイバーナビ、楽ナビ、楽ナビLiteとシリーズによって別れており、該当する機種に対応したナビスタジオを、カロッツェリアのWebページからダウンロードして利用する。
このナビスタジオでは、マップチャージデータのほか、渋滞情報やウェザー情報、さらには音楽データの転送を行うことができ、カーナビに蓄積したプローブ情報がSDHCカード経由でサーバーに自動的にアップロードされる。
なお、SDHCメモリーカードは8GB以上のものを使うことと定められている。カロッツェリアのサポートに問い合わせたところ、マップチャージデータが小さいときは、音楽データや動画データ再生には8GBよりも小さい容量でも大丈夫だが、年に2度の全データ更新時には8GBが必要と言う。SDHCメモリーカードを使用するには、1度カーナビ本体に登録してからでないと、ナビスタジオ経由でデータが書き込めない。なお、SDHCメモリーカードを1枚登録すると、次回からは別のSDHCメモリーカードを入れても初期化のメニューが表示されなくなるので、設定画面で初期化画面を表示するように変更する必要がある。
実際に2010年12月のマップチャージデータをダウンロードしてみたところ、無事にデータが書き込めた。SDメモリーカードにどんな情報が収録されているか、AVIC-MRZ99に転送したかどうかは、ナビスタジオの「SDカード情報」画面で確認できる。ただ、AVIC-MRZ99でデータ更新を確かめる術は新しくなった道路データを見るしかなく、データ確認画面を調べても、「2010年第2版」と表示されるのみだった。
マップチャージデータをコピーしたSDメモリーカードを入れると、即座にアップデートが開始される | バージョンアップ完了画面。ナビの次回起動後、つまり再起動するとデータが反映される |
ナビスタジオのSDカード情報では、SDカードに入ったデータと転送したかどうかが確認できる | メニューの「設定」→「情報」から「データバージョン」を選んだところ。「2010年第2版」とのみ表示される |
■渋滞情報を取得するVICS+スマートループ
カロッツェリアのカーナビであるAVIC-MRZ99では、上位機種のサイバーナビや楽ナビと同様に、ユーザーのカーナビで実際に収集したデータを共有して利用するプローブ情報サービス機能「スマートループ」を搭載している。
カーナビで渋滞情報を取得する手段としては、FM多重放送や、電波・光ビーコンによるVICS情報の利用が一般的。FM多重放送では、広域エリアの渋滞情報が提供され、電波・光ビーコンでは進行方向や付近など、より狭い地域の詳細な渋滞情報が提供される。
AVIC-MRZ99では、約7万kmの道路区間をカバーするFM VICS情報に加え、約33万kmの道路区間をカバーするスマートループ情報の利用が可能で、広範な渋滞情報を得られる。カロッツェリアではホンダのプローブ情報サービス「インターナビ」とのデータ相互活用も行っており、プローブデータ数を多く持っていると思われる。なお、楽ナビLiteシリーズでは、約33万kmの道路区間となるが、上位機種の楽ナビやサイバーナビでは約70万kmとなり、半分程度の区間となる。
このスマートループデータの取得には、データ通信のためにBluetooth接続の携帯電話か、オプションのウィルコム製データ通信モジュール「WS022IN」(端末代金+ライトプランで月額525円~1575円が別途必要)をUSBケーブルに接続して使用する。
AVIC-MRZ99のBluetooth設定では「BT AUDIO」と「ハンズフリー」という別々の機器を設定できるようになっており、このハンズフリーに指定した機器が、スマートループ用の通信機器に利用できる。現在電話は主にiPhoneを使っているため、iPhoneをBluetooth接続してスマートループで通信を行おうと思ったところ、うまく通信ができないようだ。調べてみると、iPhoneには、Bluetooth経由でのデータ通信機能がなかった。
Bluetoothでのデータ通信は、通常DUN(Dial Up Network)プロファイルを使用するが、iPhoneにはDUNプロファイルが用意されていない。携帯電話はiPhone以外にauの「W54S」も持っているので、スマートループ情報取得時だけ、W54Sに切り替えるようにした。なお、iPhoneを接続するには後述するオプションのiPhone/iPod接続用ケーブルも使えるが、ケーブルはAV再生用にしか使えず、通信には対応していない。
現在市販されているスマートフォンの多くにはDUNプロファイルが用意されていない。カロッツェリアのWebページには、携帯電話の接続情報が掲載されているので、事前に接続の可否を確認しておくとよいだろう。Bluetooth接続先をauの携帯電話に切り替え、データ通信機器としてauを指定すると、無事スマートループ情報を取得できた。
●URL
携帯電話対応確認
http://pioneer.jp/car/keitai-check/
「設定」→「Bluetooth設定」で接続先を「W54S」に切り替える | 「通信の接続先設定」をauに切り替える必要がある | スマートループの情報取得は、ナビゲーション開始直後か、設定画面からマニュアルで行うこともできる |
画面に「情報を取得を開始します。」というメッセージが表示され、データ通信が開始される | データ取得中は画面左上に「DATA」マークが表示される |
なお、スマートループのWebサイト(https://www.smartloop.jp/)では自分の走行距離データや、スマートループの情報提供距離が表示されるようになっている。データを提供するだけでなく、自分の提供したデータがどのくらいかを見られるのはおもしろいし、またデータ提供するはげみにもなる。
ただし、楽ナビやサイバーナビではスマートループの提供距離に応じてポイントが付与され、そのポイントで商品などを購入できるシステムがあるのだが、楽ナビLiteは残念ながら対象外となっているのはユーザーとしてはちょっと残念だ。なお、上位モデルではナビで再生された音楽タイトルのランキング機能なども用意されているが、こちらも楽ナビLiteは対象外となっている。
このスマートループWebサイトでは、全国のオービスマップ情報が2100円でオンライン販売されている。これは自動車雑誌「OPTION」編集部が販売しているデータだ。データダウンロード時にパスワードが表示され、ダウンロードしたデータはナビスタジオでSDメモリーカードに書き込んだ後、楽ナビLiteにコピー、パスワードを入力して有効化するという手順が必要だ。これは購入したデータを複数の楽ナビLiteに書き込めないようにするための措置なのだろう。
オービスデータを登録すると、オービスのある場所にサングラスをしたネズミのアイコンが表示され、オービスに近づくにつれ、ベルのような警告音が3回鳴り、オービス付近だということが警告される。
■ケーブルでiPhoneを接続、Bluetoothでauの携帯電話を接続
AVIC-MRZ99では、AM/FMラジオやTV、CD/DVDのほかに、オプションのケーブルでiPhone/iPodを接続してiPhone/iPodの音楽や動画を再生したり、Bluetoothで接続した携帯電話やミュージックプレーヤーなどの音楽を再生することも可能だ。また、マップチャージにも使うSDメモリーカードに、音楽データを入れて再生することもできる。
なお、AVIC-MRZ99には外部入力用にAUX端子もあるが、オプションのiPhone接続用ケーブルは、音声をAUXケーブルで伝送しているため、iPhone/iPodケーブルを接続してしまうと、AUXは使えなくなってしまう。また、これまでカーオーディオで使ってきたカロッツェリアのオーディオ用の汎用バスである「IP-BUS」を利用した外部入力コードで、AUXを増やせるかなと思っていたのだが、AVIC-MRZ99にはそもそもIP-BUSが用意されていないため使えなかった。
iPhoneをiPhone/iPodケーブルで接続した場合は、オーディオ入力が自動的にiPhone/iPodに切り替わるほか、AV機能の画面で「iPod」ボタンを押すとiPhone/iPodからの入力に切り替わる。Bluetoothの場合は「BT AUDIO」ボタンを押すとBluetooth機器に入力が切り替わる。
iPhoneはBluetoothにも対応しているため、初期登録さえしてしまえば、ケーブルで接続している場合でも、自動的にBluetooth接続もされ、入力切り替えの「iPod」でも「BT AUDIO」でもどちらでもiPhoneの音楽が再生できるようになる。ただし、機能的にはBluetooth接続では1曲単位でのトラック移動しかできないが、ケーブル接続ではアルバムやアーティストを指定して曲を選ぶこともできるので、音楽再生にはケーブル接続を利用することにした。もちろん、ケーブル接続時にはiPhoneへの充電も行われる。
なお、iPhone再生中にW54Sに電話がかかってくると、オーディオの再生音量が小さくなって、呼び出し音が鳴るとともに、画面に相手の電話番号が表示されて、電話に出ると音楽は停止される。携帯電話のメモリダイヤル転送機能を使用して、あらかじめAVIC-MRZ99にメモリ内容を転送しておくと、着信時に登録された氏名が表示される。通話が完了すると、再び音楽の再生が開始され、音量が元に戻る。AVIC-MRZ99にはハンズフリー用のマイクも用意されており、着信時の操作以外は完全なハンズフリーでの会話が可能だ。
このメモリダイヤル読み込み機能は最大5000件の登録が可能。メモリダイヤルは登録された携帯電話ごとに管理される。携帯電話によっては読み込めないものもある。iPhoneのメモリダイヤルは、AVIC-MRZ99にBluetooth接続を登録したときに自動的に転送されるほか、新しく登録されたものがあれば接続ごとに自動的に転送される。自分はiPhone 3GSを使用しているが、最初に接続したときは、なんらかの理由で登録に失敗し、そのままの状態になってしまったようだ。Bluetoothの「接続先変更/削除」画面で1度iPhoneを削除し、もう1度登録し直すことで、着信時に電話番号ではなく、登録された名称が表示されるようになった。なお、着信時にはまず電話番号が表示され、1~2秒後に登録名称に表示が切り替わる。
なお、iPhoneをAVIC-MRZ99で使用するには、iPhoneのBluetooth設定で「連絡先を同期」を「オン」にしておく必要がある。iPhoneの設定画面から、[一般][Bluetooth]にある「RAKU...」の右にある[>]マークをクリックすると「RAKU NAVI Lite」という画面が開く。ここで、「連絡先を同期」を「オン」にしておけば、BluetoothでiPhoneが接続されるたびに、連絡先が自動的にAVIC-MRZ99に転送される。
【お詫びと訂正】記事初出時、 電話着信時は電話番号のみが表示されると記していましたが、携帯電話のメモリ内容をあらかじめ転送しておくことで電話番号に対応する登録名が表示されま す。携帯電話によってはこの機能が使えず、その際は電話番号のみの表示となります。また、iPhoneでのメモリ転送が不可と記しましたが、メモリ転送は訂正後の本文に記載したとおり可能です。お詫びして訂正させていただきます。
今回ハンズフリー用のマイクはステアリングポスト部に取り付けたのだが、これまで会話した相手に聞いてみたところ、イヤホン型のヘッドセットに比べると音質は若干下がる模様。これはマイクの設置場所によっても違いが出ると思う。通話相手の声に関しては、オーディオ用スピーカーで聞けるため、非常にクリアに聞ける。
■再生している曲情報が表示されない場合も
ちょっと気になったのは、iPhoneをBluetooth接続して音楽を再生すると、本来はアルバムタイトルや再生時間などの情報が画面に表示されるはずなのだが、こういった表示がされない場合が多くあることだ。これは、iPhone以外にソニーのBluetooth対応ウォークマン「WM-A829」を使ったときも同じで、情報が表示されていないときも、再生・停止やトラックのスキップなどができるのだが、表示されるはずの情報が表示されないというのは気持ちがわるい。
ただし、これは何度かBluetoothの接続機器選択画面で指定し直すことで復帰する場合があることが分かった。サポートに問い合わせてみたところ、Bluetooth接続時にはこういったトラブルが多く、現在解決できる方法はないとのこと。残念だが、現状のまま使うしかないようだ。
Bluetoothでの再生画面。曲情報が正しく表示されている | Bluetooth接続がうまくいってないときの再生画面。曲情報が表示されていない |
なお、音質については今まで使っていたカーオーディオのDEH-P007もMRZ99もアンプ部はMOS FET 50W×4チャンネルと同スペックで、大きな変化は感じられない。本体を新しくしたことで、気分的には若干AVIC-MRZ99のほうが音質がよくなっているような気もするという程度。
DSPによるリスニングポジション設定や、イコライザーなどに関しては、画面が大きくなったので操作しやすい。ただし、DEH-P007には搭載されていた走行ノイズを検知して音量やイコライジングを自動補正する機能がなくなってしまったのはちょっと残念だ。
こういったところがオーディオ専用機とカーナビ機の違いなのだろう。ただ、初めてカーナビを買って思うのは、オーディオ関連機能の画面がグレーの背景だけなど、ややおまけ機能扱いされているところ。確かにナビ機能が主役の製品かもしれないが、せめてもう少ししゃれっ気のあるデザインにしてほしいところだ。
オーディオ再生時用の音場設定画面。ここまでたどり着くのにメニューの階層が深く、やや使いにくい | こちらはポジション設定画面 |
■H.264形式のM4Vデータが再生可能
AVIC-MRZ99にはオプションの専用ケーブルで繋いだiPodやiPhone内の動画、SDメモリーカード内の動画を再生する機能も搭載されている。この動画再生機能では、画像サイズは400×240ピクセル以下、動画型式とビットレートはMPEG-4(2.5Mbps)、H.264(1.5Mbps)、WMV(768kbps)、DivX(DivX6まで、Ultraを除く)が再生できる。なお、SDメモリーカード内の動画は再生時間が最大2時間30分までと制限されている。
手持ちの動画をオンラインソフト「携帯動画変換君」で変換し、SDメモリーカードに保存したところM4V形式とMP4形式が再生できた。WMV形式についても、マイクロソフト純正のWindows Media Encoderを使って作成したみたが、問題なく再生できた。
なお、推奨エンコードソフトについてサポートに聞いてみたところ、サポートソフトは特にないとのこと。処理能力の点からか、やや解像度が低いのは残念だが、DVD-Videoだけでなく、自分でエンコードした動画ファイルが再生できるのは便利だし、気軽だ。
H.264形式でエンコードしたM4Vファイルも再生できる | H.264動画の拡張子はM4VでもMP4でも問題ない |
■非常にクリアな地デジ
購入する前は、テレビなどどうせ視聴しないし、ワンセグで十分と思っていたが、実際に12セグの地デジ放送を視聴してみるとワンセグとの画質は段違いだ。AVIC-MRZ99のモニター画面の解像度が高いということもあり、地デジ受信時の画質は非常によいと感じるし、字幕もきちんと読める。逆にワンセグの時はせっかくの高解像度モニターが役にたっていないため、ちょっとでもテレビを見る気がある人には迷わずに地デジモデルをお勧めしたい。
電波状況がよくないと自動的に12セグの地デジからワンセグに切り替わるが、その瞬間にはうまくバッファして数秒前から再生されるため、電波の切り替わり時に見逃したという感じがしない。正月休みに実家のある山梨に帰省する際、高速道路のPA(パーキングエリア)に立ち寄りテレビを視聴してみたが、東京でチューナーをある番組に設定すると、自動的に系列局をサーチし、各地でなるべく同じ番組を表示するようになっているようだ。
地デジの再生画面にメニューを表示した状態。ここにはチャンネル番号しか表示されない | メニューの「詳細」ボタンを押すとチャンネルの詳細が表示される | 地デジなので当たり前だが、番組表も表示できる |
ジャンル検索機能までも備える | 特定チャンネルだけの番組表示も可能だ |
なお、地デジを受信するには、当然AVIC-MRZ99にもB-CASカードが必要になる。このB-CASカードは、miniB-CASカードとなっており、初めて現物を見た。大きさは10円玉とほぼ同じで、AVIC-MRZ99の本体前面を開き、SDメモリーカードスロットの隣にあるスロットに差し込み、スライダーでロックすることで地デジの受信が可能になる。
初めて実物を目にしたminiB-CASカード | 本体を開けたところ。上にあるのがDVD/CDスロット。左がminiB-CASカードスロット、右がSDメモリーカードスロットだ |
■カーナビで開けた新しいクルマの楽しみ方
楽ナビLite「AVIC-MRZ99」は、細かい点では上位モデルに譲るところはあるが、カーナビの精度や画面解像度など、キモになる部分は上位モデルにひけをとらない。
むしろ、4チューナー×4アンテナの12セグ/ワンセグ地デジまでついて実売で10万円を楽々切っていることには驚いたし、この値段でこの性能のカーナビを購入できたことには非常に満足している。ただ、個人的にはデータの更新やスマートループのデータ通信には、モバイルWi-Fiルーターが各社から登場してきていることもあり、BluetoothだけでなくWi-Fi(無線LAN)への標準対応があると便利だと思った。
2DINカーナビと比べると、価格や取り付けの容易さの点から、PNDの人気が非常に高いのもうなづける。しかし、車速パルスやバック信号を利用した自車位置検出精度の高さは、やはり据え置きタイプのカーナビならではのものだろう。また、家庭用テレビで1度地デジ放送を体験したらアナログ放送に戻りたくないように、ワンセグではなく地デジの視聴が可能なAVIC-MRZ99にしてよかったと思っている。今まで携帯電話やスマートフォンがあれば、カーナビはなくてもよいと思っていたが、カーナビを買ったことでこれまでとはまた違うクルマの楽しみ方が増えたのが嬉しいところだ。
(平 雅彦)
2011年 2月 8日