自工会、定例記者会見でモーターショーのテーマとポスターデザインを発表 ショーには国内14メーカー、海外は十数ブランドの参加を現時点で予定 |
自工会(日本自動車工業会)は2月8日、2月度の定例会長記者会見を開き、志賀俊之会長は第42回東京モーターショー2011のショーテーマとポスターデザインを発表した。
12月2日~11日(一般公開は12月3日より)に東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で開催する「第42回東京モーターショー2011」のテーマは「「世界はクルマで変えられる。」“Mobility can change the world.”。クルマは現在、移動手段だけでなく、環境、安全、エネルギーなど世界の様々な問題の解決手段になりつつあるとし、クルマ社会の未来を、明るく、大胆に、世界に向けて発信していくというメッセージが込められているとした。
第42回東京モーターショー2011のポスターデザイン |
ポスターデザインについては、タイヤ、ライト、ボディーが現実にはあり得ない形に配置されており、これは「変化しようとしているクルマ」をイメージしたものだと言う。先端のテクノロジーが生み出す未知なるものへの期待感と、誰もが楽しめるショーの華やかさを表現したとのこと。
なお、前回はリーマンショックなどの影響により海外メーカーが3ブランドのみの参加にとどまったが、今年は国内14メーカー、海外も現時点で十数ブランドの参加が予定されているとした。参加ブランドの正式な発表は4月下旬にコマ割と合わせて発表するとのことで、今回は明かせないとしながらも、記者からの質問に対し、志賀会長は「期待しているメーカーはあります」と自信ありげに答えていた。
また、会場を幕張メッセから東京ビッグサイトに移転した理由についても、海外メーカーからの要望として「少しでも都心に近い会場で行って欲しい」との意見が多かったためと述べた。
■FTAや法人税の引き下げなどを「歓迎」
発表後の質疑応答では、志賀会長に多くの質問が寄せられたが、特に昨日から再開された豪州とのEPA(FTA)交渉や、国内での法人税の5%引き下げに対しては、「日本の自動車メーカーが他の国の競合メーカーと比較して、立場上弱い状態で競争するのは避けなければいけない。同じ土俵で戦うことが重要」だとし、法人税の引き下げに対しても「まだ海外と競争できるレベルではないが、いっぺんにというのは難しいだろうから、今後も引き続き継続してお願いしたい」と述べ、政府の取り組みを評価し歓迎するとした。
また、昨年の韓国自動車メーカーの世界市場での躍進について問われると、「韓国メーカーの躍進は本当にすばらしい。個人的には評価している」と述べ、FTAや円高ウォン安、法人税の差といった土俵の部分の違いも残念ながらあるが、それを除いた企業本来の競争力としても、大変競争力を上げてきているとした。
その理由として「新興国に進出しても、新興国で国産化率を上げていくスピードであったり、新車を投入するスピードであったり、現地のニーズに合わせた商品開発をしていくスピードであったり、そうしたスピードが本当に速い」とし、そのスピードが躍進のキーワードだと評価した。
(瀬戸 学)
2011年 2月 8日