「007」次回作で、ボンドカーに「ベントレー」が“復帰”

コンチネンタルGTとジェフリー・ディーヴァー

2011年2月9日(現地時間)発表



ジェフリー・ディーヴァー。撮影されたのは、次回作の舞台となるドバイ

 英ベントレー・モーターズは2月9日、「007」シリーズ次回作に新型「コンチネンタルGT」が“ボンドカー”として登場すると発表した。

 その作品は、5月26日に出版が予定されており、すでに映画「007」シリーズの次回作となるとされている「Carte Blanche」(カルト・ブランシュ)。

 開祖イアン・フレミングが引退・逝去したのち、007シリーズの公式ノベルは、ジョン・ガードナーやレイモンド・ベンソンなどの人気作家に委ねられて継続してきたが、この新作「Carte Blanche」では、「ボーンコレクター」などのサスペンス作品で知られるアメリカのベストセラー作家、ジェフリー・ディーヴァーが執筆を担当。アラブ首長国連邦ドバイを主な舞台とした、エキゾティックでスリリングなスパイアクションになると言われている。

 しかしベントレーがジェームズ・ボンドの愛車となるのは、これが初めてというワケではない。かつてイアン・フレミングが書いた小説では、ボンド自身がベントレー愛好家という設定。「カジノ・ロワイヤル」(1953年)では、スーパーチャージャーを後付けした1933年型ダービー・ベントレー、「ムーンレイカー」(1955年)では1930年型4 1/2リッター・ブロワー、そして「女王陛下の007」(1963年)ではRタイプ・コンチネンタルをそれぞれ愛用するというエンスージアストぶりであった。

 幼少時からフレミング「007」の熱狂的ファンだったというディーヴァーは、フレミングへのオマージュの意味を込めたのだろうか、初めて大任を果たすことになった007作品にて、ベントレーをボンドカーとして“復帰”させることになったのである。

 一方、近年の映画「007」シリーズでは、「ダイ・アナザー・デイ」(2002年)のV12ヴァンキッシュ以来、アストン・マーティンがボンドカーの座を独占してきた。今回の小説版への登場について、2012年末に公開が予定されている映画版の製作サイドからは何らの発表もなされていないが、ベントレー新型コンチネンタルGTがダニエル・クレイグとともに銀幕に現れる可能性は、非常に高いと言ってもよいだろう。

(武田公実)
2011年 2月 10日