フォルクスワーゲン、ワーゲンバスをベースにしたコンセプトカー「ブリー」

コンセプトカー「ブリー」

2011年3月1日発表



 独フォルクスワーゲンAGは、コンセプトカー「ブリー」を「第81回ジュネーブ国際モーターショー」で発表した。1950年に登場したいわゆる“ワーゲンバス”をオリジナルとしたコンセプトカーで、スタイリングやボディーカラーの塗り分けなどもオリジナルのイメージを引き継く。

 発表されたコンセプトカーは85kWの出力と270Nmのトルクを発生する電動モーターで前輪を駆動して走行する。バッテリーは最大容量40kWhのリチウムイオン充電池。1回の充電での走行可能距離は300kmで、充電時間は1時間かからないと言う。最高速度は140km/hで0-100km/h加速は11.5秒。

 ボディーサイズは3990×1750×1700mm(全長×全幅×全高)でホイールベースは2620mm。オリジナルよりも全長と全高が若干小さく、全幅は大きくなっている。ホイールは18インチを装着する。室内はフラットなフロアとし、フロントは助手席と中央席部分が折りたためるベンチシート、リアは3人掛けのベンチシートで合計6人乗り。カーゴスペースは370Lだが、リアのベンチシートを収納すればカーゴスペースは1600Lまで拡大できる。

 スタイリングは赤と白の2トーンペイントで、ボンネット上のV字のイメージもオリジナルを踏襲する。ヘッドライトはLEDによるL字状もので、LEDの省電力性能はバッテリー走行に理想的としている。

 コクピットは半円形のスピードメーターとマルチファンクションディスプレイを装着。ナビゲーションシステム、電話、トリップメーターなどの表示が可能。センターコンソールにはiPadの設置スペースを設け、iPadによってBluetoothのハンズフリーフォンやナビゲーションシステムの操作を行うほか、iPadのアプリケーションの利用も可能。なお、コクピットのシステムはギターとアンプで有名な米フェンダー製となる。

 パワートレインはコンセプトカーでは電動モーターだが、ガソリンやディーゼルエンジンを搭載可能。1.0リッターや1.4リッターのエンジンを搭載しても燃費効率は良いとしている。

 「ブリー」のオリジナルとなるフォルクスワーゲンバスは、ドイツでは「ブリー」、アメリカでは「マイクロバス」と呼ばれ、内部コードはトランスポーター1を意味する「T1」。2001年にも新型「ブリー」としてコンセプトカーを発表しているが、熟成させた上で改めて新型「ブリー」として登場させたと言う。

 フォルクスワーゲンでは新型「ブリー」について、既存のバンである「キャディ」「トゥーラン」「シャラン」「カラベル」に続く、5番目の新しいピープルムーバーになる可能性があるとしている。


(正田拓也)
2011年 3月 1日