英ロータス、高級EV実験車ロールス・ロイス「102EX」のパワートレーンを開発

2011年3月8日発表



 英ロータスエンジニアリングは3月8日、第81回ジュネーブ国際モーターショー(3月1日~13日)に出展されたロールス・ロイス「102EX」の、電動ドライブトレーンを開発したと発表した。

 102EXは「ファントム」をEVにコンバートした車両。オリジナル車両の6.75リッターV型12気筒エンジンのあったところには、96セル、重量640kg、容量71kWhのリチウムイオンバッテリーパックを搭載。リアシートの背後、ガソリンタンクのあった所に最高出力145kWの電気モーター2基とギアボックス、インバーターを搭載する。このレイアウトにより前後重量配分が50:50となり、ロールス・ロイスらしいドライビング体験が102EXでも維持されていると言う。

 2基のモーターの合計最大出力は290kW、最大トルクは800Nmで、0-100km/h加速8秒以下、最高速度160km/hをマークする。

 ロータスエンジニアリングは、ドライブトレーンの開発とレイアウト、シミュレーション、コンピューター支援によるエンジニアリング(CAE)、コンポーネントの仕様決定、車両組み立て、調達支援、開発テストなどを行った。

 開発に当たっては、電動パワートレーンと補機類が乗員室に入り込まないようにする最適なレイアウトが研究された。また、もともと複雑な電気システムを持つファントムにおいて、電動ドライブトレーンと補機類を既存の車両制御ユニットに統合することが、最大の課題になったと言う。この課題は、非接触充電システムや、ドライバーが2つのレベルを選べる回生ブレーキシステムにより、一層複雑になったという。

 102EXの主な仕様は次のとおり。

102EXの主な仕様
全長×全幅×全高5840×1990×1638mm
ホイールベース3570mm
トレッド(前/後)1687mm/1671mm
トランク容量460L
乾燥重量2720kg
最高出力290kW
最大トルク800Nm
バッテリー容量71kWH
バッテリー重量640kg
充電時間20時間(単相)、8時間(3相)
タイヤ(前/後)255/50 R21 / 285/45 R21

(編集部:田中真一郎)
2011年 3月 9日