名二環新開通区間&JR東海「リニア・鉄道館」見学ツアーに参加してみた【後編】 リニア・鉄道館では、時代の最速車両がお出迎え |
3月10日、旅行企画・実施を行うクラブツーリズムが主催の「名古屋第二環状自動車道特別見学とJR東海『リニア・鉄道館』貸切入場」が開催された。前編では3月20日に開通する名古屋第二環状自動車道(名二環)の名古屋南JCT(ジャンクション)~高針JCT間見学の模様をお届けしたが、後編ではJR東海(東海旅客鉄道)が3月14日にオープンした「リニア・鉄道館」見学の模様をお届けする。
リニア・鉄道館の外観。左端に見えるのが伊勢湾岸道の名港トリトン |
JR東海の「リニア・鉄道館」は、名古屋駅と名古屋港金城ふ頭を結ぶあおなみ線の終点「金城ふ頭駅」のすぐそばに位置する。「それぞれの『夢と想い出』が詰まった場所」のメッセージのとおり、時代時代の車両が展示されている。
入場するとまず最初に展示されているのが蒸気機関車のC62、新幹線の試験電車300X、超伝導リニア車両のMLX01だ。3車両ともそれぞれの時代で世界最高速を記録した車両。
C62は1954年に蒸気機関車として世界最高速129km/h、300Xは1996年に電車方式による世界最高速443km/h、MLX01は2003年にリニアモーター方式による世界最高速581km/hを記録している。C62は運転席の内部も見学することが可能で、参加者の長い列ができていた。
リニア・鉄道館の受付は白を基調としたもの | 入場すると暗い空間に3台の車両が登場する |
C62 | 300X | MLX01 |
C62の内部 | |
超伝導リニア車両のMLX01の車内 | 一番人気はC62か |
シンボル展示を抜け、車両展示へ移動すると左側が新幹線エリア、右側が在来線エリアに分かれている。展示されている新幹線は、300系の323型と322型、100系、0系、そして滅多に見ることのない新幹線の軌道検査などを行うドクターイエローだ。在来線エリアにはクハ381、モハ52、モハ1、ED11、蒸気機関車のC57などが展示されている。
左側が新幹線エリア、右側が在来線エリア | 300系の323型 | 300系の322型。フェンダー部分の盛り上がりが外観の特徴 |
100系123型。後部に2階建て食堂車が連結されている | JR東海によると一番人気はこの0系になるだろうとのこと | ドクターイエローの中に入ることができる |
クハ381 | モハ52 | EF58 |
ED11 | C57 | 展示車両の後方に収蔵車両エリアがあり13車両が収蔵展示されている |
館内1階は展示車両を取り巻くように各種展示や体験コーナーが多数設置されている。人気が高くなりそうなのは東京~大阪間をデフォルメした巨大鉄道ジオラマと新幹線シミュレーターN700だ。
左右幅が約33m、右側の東京エリアには東京タワーやスカイツリー、六本木ヒルズ、レインボーブリッジなどがある。左側に移るとJR東海浜松工場がありドクターイエローも見ることができ背景には富士山が描かれている。中央部はもちろん名古屋駅周辺。駅近隣のビルがリアルに展示されている。さらに左側は京都奈良エリアで清水寺や東大寺、左端は大阪エリアで大阪駅や梅田のビル、甲子園球場となっている。「鉄道の24時間」というテーマで照明は昼かから夕焼け、夜間と刻々と変わり、車両以外にもビルの照明などが変化し誰が見ても楽しめる巨大ジオラマとなっている。
新幹線シミュレーターN700はオープン後も、来場者の中から抽選で選ばれた人だけが体験できるようになっている。実物大のN700の運転席に座り湾曲した10×3mの巨大スクリーンを見ながら運転シミュレーションを行うことができる。体験時間は15分、難易度が3段階あり、上級は実際の運転士と同じ条件で操作することになる。天候もランダムに変化するので、何度も来場しても楽しめるであろう。
1階にはほかにも新幹線の仕組みの説明や旧型の発券機の展示、改札のシミュレーション、リニア模型の展示などがある。
車両の先頭形状の比較。トンネルで起こる微気圧波の解説がされている | LCXという通信システムの解説 | CTC(Centralized Traffic Control)の説明には実際に使用されていたパネルが展示されている |
新幹線総合指令所から、車両、ポイント、ホームまでをつなぐ仕組みの解説 | パネルに棒を挿す旧型の切符発券機(M型端末) | エクスプレス予約の券売機で切符を受け取り、改札を通るシミュレーション |
各時代のリニア車両の模型 |
2階には鉄道の歴史展示室、キッズコーナー、体験学習室、飲食コーナーなどが設置されている。
2006年に埼玉県にオープンしたJR東日本(東日本旅客鉄道)の鉄道博物館は今も大人気だ。リニア・鉄道館も名古屋の新しい観光スポットとして注目したい。
(奥川浩彦)
2011年 3月 16日