日本損害保険協会、東日本大震災発生後の対応
被災地における保険金支払い体制や照会対応を強化

2011年3月17日発表



 日本損害保険協会は3月17日、協会長の鈴木久仁氏が記者発表を行うとともに、損害保険業界の対応について発表した。

 鈴木氏は3月11日に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)について「未曽有の国難」と表現。「被災地の復興と我が国の社会、経済の安定に向けて、業界の総力を結集し取り組んで参る覚悟」とし、会員各社における東日本大震災への対応を紹介した。

 巨大災害の発生を受け、会員各社は被災地における保険金の支払い体制や被保険者からの照会対応の強化に向け、損壊した現地事務所に代わる拠点の確保や、応援要員の現地派遣、コールセンター要員の増員等の対策をすでに開始している。

 今回新たに損害保険業界を横断した取り組みとして、日本損害保険協会内に相談窓口(フリーダイヤル:0120-107-808、携帯・PHS:03-3255-1306)を設置したほか、日本損害保険協会本部に「地震保険中央対策本部」を、日本損害保険協会東北支部(仙台)に現地における統轄機関として「地震保険現地対策本部」を設置、保険金の迅速・公平・的確な支払いに向けた対応を円滑に行っていくとしている。

 また、今回被災した被保険者の負担には最大限配慮し、業界一丸となって保険金の支払い体制への取り組みを進めていくとしており、全ての会員会社が迅速に対応するとともに、継続契約の締結や保険料の払り込みについて、被保険者の罹災状況に応じた猶予期間の延長を行う等の特別措置を実施すると言う。

 なお、今回の東日本大震災では、地震保険契約件数から過去最大の保険金支払額となることを予想しているが、会員各社は通常の保険金支払いに充当する責任準備金に加え、巨大災害に備えた異常危険準備金を積み立てているとともに、政府が「再保険」による引き受けを行っていることから、保険金の支払いが滞ることはもとより、損害保険会社の健全性が損なわれることはないとしている。

(編集部:小林 隆)
2011年 3月 17日