J.D. パワー、車両の初期品質を調査した「米国自動車耐久品質調査」
ブランド別の1位はリンカーン、セグメント別ではトヨタが7カテゴリーでトップに

ブランド別ランキング。もっとも不具合指摘件数が少なかったのはリンカーンだった(出典:J.D. パワー・アンド・アソシエイツ)

2011年3月17日(現地時間)発表



 J.D. パワー・アンド・アソシエイツは3月17日(現地時間)、「2011年米国自動車耐久品質調査」(VDS:Vehicle Dependability Study)の結果を発表した。

 2008年式に新車から乗っている乗用車およびライト・トラックユーザーを対象に、購入してから3年が経過した時点での車両の初期品質を調査した。2010年10月~12月に調査を実施し、4万3700人以上から回答を得ている。

 VDSスコアは100台あたりの不具合指摘件数として算出しており、単位はPP100(Problems per 100 Vehicles)で、数値が小さいほど耐久品質がよいことを示している。

新しい技術や機能が今後の課題
 調査結果によれば、自動車メーカーは多くの分野で不具合指摘件数を減少させることに成功し、自動車耐久品質は2010年と比較して向上したものの、新しい技術や機能に関して課題を持っていると言う。

 2011年の米国の自動車耐久品質の不具合指摘件数は平均で151PP100となり、調査開始以来もっとも少ない不具合指摘件数だったが、2009年~2011年の業界全体における年間改善率は平均で6%で、過去の改善率よりもわずかに低かったと言う。

 その要因は、オーディオ、エンターテインメント/カーナビなどの電子機能や、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システムといった新しい安全機能での不具合増加率に起因するところが大きいとしている。そのため、新技術が普及するに従い、これらの機能・装備品の耐久性を高めることが、自動車メーカー間における差別化の重要なポイントになるとしている。

ブランド別ランキングのトップはリンカーン
 ブランド別ランキングでは、2010年から13PP100改善したリンカーン(101PP100)が1位になった。リンカーンが1位になったのは調査を開始以来、初と言う。2位はレクサス(109PP100)で、以下ジャガー(112PP100)、ポルシェ(114PP100)、トヨタ(122PP100)が続いた。

 セグメント別に見ると、トヨタが今回の調査で最多となる7つのセグメントで1位を獲得。トップに入ったモデルはライト・トラック/マルチ・パーパス・ビークル/クロスオーバー/SUVセグメントでレクサス「RX」「サイオン xB」「4ランナー」、乗用車セグメントで「プリウス」「シエナ」「タコマ」「タンドラ」。

 フォードは、「フュージョン」「マスタング」「リンカーン MKZ」、「リンカーン ナビゲーター」が該当セグメントでトップだったほか、GMとホンダは3つのセグメントで1位を獲得。

 そのほか、 BMW「X3」、マツダ「MX-5 ミアータ」、メルセデス・ベンツ「CLK」がそれぞれ1セグメントで1位となっている。

 なお、初期品質については、米国ブランドと輸入ブランドの差が縮小しているものの、今回の調査で車両耐久品質において2者間にまだ大きな差があり、輸入ブランドの不具合指摘件数は、米国ブランドより18PP100少なかったとしている。

(編集部:小林 隆)
2011年 3月 18日