アウディ、国内最大の認定中古車センター「アプルーブド 有明」開店 64台を展示可能 |
アウディ ジャパンは4月26日、東京 江東区有明に、認定中古車センター「アウディ アプルーブド オートモービル 有明」を開店、セレモニーを開催するとともに報道関係者に公開した。
■ゆりかもめの「有明テニスの森」駅前に誕生、開店記念特選車も
有明店は、同社の認定中古車販売店として全国で80店舗目。同社では12台以上の車両展示スペースを持つ認定中古車販売店を「センター店」と呼んでいるが、センター店としては20店舗目となる。
有明店は3318m2の展示場に64台を展示でき、同社最大の認定中古車販売センターとなる。アウディ ジャパンの直営販売会社であるアウディ ジャパン販売が運営する。有明店で販売された車両のメンテナンスは、やはりアウディ ジャパン販売の新車ショールームである豊洲店が受け持つ。
アウディの新車販売拠点は「ターミナルコンセプト」と呼ばれる作りで統一されているが、認定中古車販売店は「モジュールコンセプト」を採用。これは店舗のさまざまな要素を1辺6mの正方形、または立方体で構成するもの。有明店にももちろん適用されている。
例えば、車両展示場には1辺6mの正方形のグリッドが描かれ、この中に2台ずつの車両を展示するようになっている。この間隔で車両を置けば、隣の車両への接触を気にすることなくドアを開けることができ、展示場の集積度を上げつつ、余裕を持って車両を見ることができる。
また、店舗の建物は1辺5.5mの立方体を6個組み合わせたもの。小規模な店舗ではこれが4個となるが、いずれにしろ建物やインテリアの色を白、黒、グレーのモノトーンを基調にし、家具は新車ショールームと同じものを使うことで、ブランドとしての統一感にも配慮している。
アプルーブド 有明の店舗。1辺5.5mの立方体を6個組み合わせたデザイン。外壁の色は白と決められている | 店内の家具は新車ショールームと同じもの | |
場内照明の「ライトスティーレ」。ただし節電のためしばらくは消灯 | ハイライトステージは1辺6mの立方体。アプルーブド 有明には2つある。写真のR8 5.2 FSI クワトロは2009年式、走行1万1000kmで1750万円 | 展示場は6m四方に区切られている |
このほか1辺6mの立方体で作られた展示場の看板「ハイライトステージ」や、高さ6mの照明灯「ライトスティーレ」のデザインも統一し、「モダンでプログレッシブ」(アウディ ジャパンの大喜多寛社長)な雰囲気を演出している。
有明店の立地は新交通ゆりかもめの「有明テニスの森」駅の目の前。格闘技ファンにはおなじみの会場「ディファ有明」のはす向かいだ。営業時間は10~19時(現在は18時まで)で、毎週月曜が定休日。
ゴールデンウイークの4月29日~5月8日は「オープニングフェア」を開催、通常より10~30万円ほど値段を下げた特選車を10台用意している。
特選車の一例。左の2010年式Q5 2.0 TFSI クワトロは走行1万4000km、レザーパッケージやHDDカーナビなど付いて489万円。右の2010年式S4は走行1万4000kmでHDDカーナビ、フルレザースポーツシートなど付いて610万円 |
■中古車はブランドの入口
アウディの認定中古車は、アウディ アプルーブド オートモービルを略して「AAA」と呼ばれるが、その認証基準は、「正規輸入車」「正規整備記録の完備」「初年度登録から8年以内、走行9万km以内」「事故車や改造車ではない」といったもの。アウディ ジャパンの基準をクリアした車両だけが認定中古車となる、いわばインポーターによる品質保証付きの中古車で、下取り車のうち、20%程度はAAAの認証を取れないと言う。認定中古車には納車前に100項目の点検整備が施され、保証が付く。
購入しやすい価格のうえ、インポーターの品質保証が付く認定中古車は、特にプレミアム・ブランドへの入口として各社が重視する商品だ。アウディ ジャパンでも「新しい顧客を開拓する1つの武器。次にまたアウディに乗っていただく、あるいは新車に乗り換えていただく、次の世代のための重要な柱」(大喜多社長)と位置づけ、力を入れている。
また、下取り価格をある程度の水準に維持しておくことは、プレミアムブランドとしての評価にもつながる。2011年1~3月の実績が、震災にも関わらず前年比25.2%増と好調な同社だが、下取り保証など施策もあって、アウディの新車登録3年後の残価(新車価格に対する割合)は、A4で56%、同社が弱いと言われるセグメントのA6でも51%、TTにいたっては62%まで向上。競合するメルセデス・ベンツやBMWよりも高い水準となっている。
左からA4、A6、TTの3年後残価 | ||
アウディの認定中古車の基準 | 認定中古車の販売台数(認定されていない中古車を除く) | 2011年1~3月の新車販売台数。日本の成長はワールドワイドの成長を上回った |
認定中古車の販売台数も、2008年の3360台が2009年には4934台へと増加。2010年は5037台で増加のスピードが鈍っているが、これは2010年は新車がA5スポーツバックしかなく、乗り換えによる下取り車の在庫が不足していたため。供給量が新車の量と連動する中古車ならではの現象だが、2011年はすでにA1が発売され、今後もA7、A6という新型が控えており、在庫の面では問題ないとしている。今年の同社の目論見は新車販売2万台に対し、認定中古車6000台だ。
2011年度にはあと5店舗の認定中古車センターが開店する予定で、これで認定中古車店は全国85店舗。新車販売店102店舗に近い数となる。センターを開設するエリアは新車の「メトロポリタンストラテジー」を踏襲し、首都圏、名古屋、大阪の大都市圏を主とする。
大喜多社長は「新型がたくさん出れば、乗り換えが増えて、認定中古車の供給が増え、下取り価格も高くできる。中古車がうまく回り始めれば、すべてうまくいくということが具現化してきている」と、同社の認定中古車を含めたビジネスの好調をアピールした。
大喜多社長 | 開所式でのテープカット | アプルーブド有明のスタッフ。左端の相川雅春店長は「顧客に満足だけでなく、それを上回る感動を与える店に」と意気込みを語った |
(編集部:田中真一郎)
2011年 4月 26日