トヨタら、東・南アジアの対流圏オゾン濃度シミュレーションを開発 環境改善方策の検討に活かす |
2011年5月24日発表
トヨタ自動車と豊田中央研究所は、中国の清華大学、インドのエネルギー資源研究所、オーストリアの国際応用システム分析研究所と共同で、東・南アジア全域の対流圏オゾン濃度を予測できるシミュレーションを開発した。
対流圏オゾンは地表から上空約10kmまでに分布するオゾンで、紫外線から地表を守る成層圏オゾン層とは異なる。光化学スモッグの要因となるほか、人体に有害で植物の生長を阻害し、温室効果ガスとして機能するため、濃度を低減する必要がある。
新興国の経済発展に伴い、対流圏オゾンの増加と環境悪化が懸念されている。このシミュレーションを、対流圏オゾン削減のためのエネルギー政策、大気改善シナリオの検討に活かす。
対流圏オゾンは、NOx(窒素酸化物)とVOC(揮発性有機化合物)が複雑な光化学反応をして発生するため、NOxとVOCの排出量データとともに、光化学反応を考慮しなければ対流圏オゾンの濃度は予測できない。このためシミュレーションでは、光化学反応を考慮した3次元大気質モデルと、東・南アジア各国のデータを活用する。
(編集部:田中真一郎)
2011年 5月 24日