フォーミュラ・ニッポン第3戦富士を前に中嶋一貴選手が来社
ランキングトップで第3戦に挑む

富士スピードウェイのイメージガール「クレインズ」とともに来社した中嶋一貴選手

2011年7月16日、17日開催



 7月の富士スピードウェイは非常に熱いことになりそうだ。7月16日、17日に熱戦が続くフォーミュラ・ニッポンの第3戦が開催されるのに続き、翌週の7月23日、24日にはスーパー耐久シリーズ2011第2戦「SUPER TEC」が開催され、2週連続で熱い(暑い?)戦いが繰り広げられることになる。

 そのフォーミュラ・ニッポン第3戦のプロモーションのため、中嶋一貴選手が富士スピードウェイのイメージガール「クレインズ」とともに来社し、第3戦に望む意気込みを語ってくれた。

中嶋一貴選手は新人?
 今年のフォーミュラ・ニッポンは、新人が7人もデビューするなど世代交代が進んでおり、昨年のチャンピオンJP・オリベイラ選手、今年のル・マンの覇者であり開幕戦の覇者でもあるアンドレ・ロッテラー選手、ホンダのエース小暮卓史選手ら、タイトルコンテンダーの常連選手に、新人や若手選手が挑むという構図になっている。

 こうした中、6月5日に行われた第2戦で優勝したのが、フォーミュラ・ニッポンでは“新人”に分類される中嶋一貴選手だ。中嶋一貴選手は、ウィリアムズF1チームからF1世界選手権に参戦していた世界レベルのドライバーで、今年から活躍のフィールドを日本に移して戦うことになった。その戦績には大きな注目が集まっていたが、早速第2戦で結果を出すなど、単なる“新人”ではないところを見せつけている。

 中嶋一貴選手は、トヨタの育成ドライバープログラムであるTDP(トヨタヤングドライバーズプログラム)の一員として、2006年からヨーロッパを主要な舞台として戦ってきた。2006年にはユーロF3、2007年にはGP2とステップアップし、2007年のF1最終戦ブラジルGP(キミ・ライコネンが大逆転でチャンピオンになったあの伝説のレースだ)で、ウィリアムズF1チームからデビューした。その後、2008年、2009年とウィリアムズF1チームからF1に参戦し、2008年のオーストラリアGPで6位入賞や、2009年のイギリスGPでの予選5位などの結果を残している。

 2009年の末にトヨタがF1から撤退することを決定したことなどの影響を受け、2010年はシートを見つけることができず、浪人生活を送っていた。この間のことを中嶋選手は「常にトレーニングとかしていましたし、大きな影響はなかったです。ただ、レーシングカーには乗っていなかったので、レース勘などがなくなっていないかは心配していました」と語ってくれた。

 かつてF1を走っていた選手が、フォーミュラ・ニッポンで新人というのも不思議な感じだが、「確かにフォーミュラ・ニッポンの車は初めてで、それをレースで走らせたことがなかったという意味では新人なのですが、さりとてF1まで経験させていただいた立場なので、違う形の経験が求められていることは自覚しています」と、真面目な性格で知られる中嶋選手らしくその心境を語ってくれた。それでもいきなり2戦目で優勝とはすごいとしか言いようがないと思うのだが、中嶋選手自身は「確かに2戦目で優勝できたことは素晴らしい結果だと考えています。しかし、2戦とも予選で失敗しており、それが大きな課題です」と、いずれも予選のQ1で脱落してしまった結果を大きく改善する必要があると考えているとのことだ。

 第3戦の富士に向けては「富士スピードウェイはチームにとっても地元だし、F1でも走っていて、しっくりくるサーキット。特に今回のレースでは、タイヤ交換が2回義務づけられる特別ルールなので、タイヤに優しいドライビングが得意な自分には不利な部分もあります。このためチームと戦略を考えていきたいです」と、第3戦の特別ルールを完全に読み解くことが重要だと説明してくれた。

 中嶋選手は現在フォーミュラ・ニッポンでランキングトップとなっており、それをほかの選手が追う構図となっている。新人(?)とはいえ、その実績からはチャンピオンを期待されるドライバーでもあり、富士での戦いがチャンピオン獲得に大きく影響するのは間違いないだろう。

 なお、今回のフォーミュラ・ニッポン第3戦には、東日本大震災復興を応援するイベントとして、ヘビーメタルバンドのアースシェイカーとSHOW-YAなどが出演するスペシャルライブが、予選(7月16日)終了後にメインストレート上で行われる予定になっており、レース観戦チケットを持っていればライブに参加することも可能だ。また、翌週開催されるスーパー耐久シリーズ2011第2戦「SUPER TEC」で、フォーミュラ・ニッポン第3戦富士の観戦券の半券を入場時に提示すれば、予選・決勝各日1500円で観戦できる特典もある。

 観戦チケットは富士スピードウェイ、各種プレイガイドなどで販売されており、詳細については富士スピードウェイのWebサイト(http://www.fsw.tv/)などを参考にしていただきたい。

(笠原一輝)
2011年 7月 1日