独BMW、プラグイン・ハイブリッド・スポーツカー「i8 コンセプト」 モーター+3気筒ガソリンターボでシステム出力260kW |
独BMWは29日、次世代モビリティのためのサブブランド「BMW i」から発売される車両「i8 コンセプト」を正式発表した。BMW iブランドについては別記事を参照されたい。
i8 コンセプトはプラグイン・ハイブリッド・システムを採用したスポーツカーで、2009年のフランクフルト・モーターショーで発表されたコンセプトカー「ビジョン・エフィシエント・ダイナミクス」をベースとする。
基本的な構造やルックスはビジョン・エフィシエント・ダイナミクスとほぼ同様だが、エンジンはディーゼルからガソリンターボに改められた。
i8のライフ・ドライブ・アーキテクチャー |
パワートレーンはリアアクスルに置かれた3気筒ガソリンターボエンジンと、フロントアクスルに置かれたモーター。バッテリーはリチウムイオンで、前後アクスル部をつなぐ「エネルギー・トンネル」と呼ばれる部分に搭載される。モーターのみで最大35km走行することができるほか、バッテリー容量が低下した場合は、走行しながらエンジンでジェネレーターを駆動して充電することもできる。
BMW iの車両に共通するボディー構造「ライフ・ドライブ・アーキテクチャー」を採用しており、パワートレーンを収めたアルミ製の前後アクスル「ドライブ・モジュール」を、CFRPのパッセンジャールーム「ライフ・モジュール」がつなぐ。
アルミ、CFRPといった軽量素材を使用することでモーターやバッテリーによる重量増を相殺し、航続距離の伸長やドライバビリティの改善につなげる。また各モジュールのレイアウトを最適化することで、50:50の前後重量配分と低重心化を図った。
2枚のドアはAピラーに固定され、上方に旋回して開く。2+2シーターの室内には、ドライバーの前とセンターコンソールに8インチのディスプレイを装備。モーターとエンジンの状態が2つの楕円形で表示されるほか、3Dカーナビなども表示できる。
ナビゲーションシステムは、目的地を入力するとモーターとガソリンのエネルギー消費を最適化するよう、ドライブトレーンを管理する。
ドライビングモードには通常モードのほか、スポーツ・モードとECO PROモードを備える。ECO PROモードではアクセルペダルの踏み込みに対する出力が弱くなり、エアコンによるエネルギー消費を下げる。よりエネルギー消費を抑えたい場合のためにECO PRO+モードが用意されている。ECO PRO+では、エアコンなどはできる限り停止し、シート・ヒーター、ミラー・ヒーター、デイ・ランニング・ライトなどを停止し、最高速度が90km/hに制限される。
このほか車外からリモートで車両の状態を把握し、バッテリーの充電や、乗車前に室温を調整しておく「プレコンディショング」などを行うことができる。
i8 コンセプト | |
全長×全幅×全高[mm] | 4632×1280×1955 |
ホイールベース[mm] | 2800 |
重量[kg] | 1480 |
システム出力[kW/Nm] | 260/550 |
エンジン出力[kW/Nm] | 164/300 |
モーター出力[kW/Nm] | 96/250 |
最高速度 | 250km/h |
0-100km/h加速[秒] | 4.6 |
EUサイクル燃費(L/100km) | 2.7 |
充電時間 | 100%まで1.45時間 |
(編集部:田中真一郎)
2011年 7月 30日