メルセデス・ベンツ日本は8月25日、C クラスのハイパフォーマンスモデル「C 63 AMG」にクーペモデルを追加するとともに、セダン/ステーションワゴンの改良を行い発売した。価格はクーペが1085万円、セダンが1075万円、ステーションワゴンが1095万円。

　同日、東京 六本木のショールーム「メルセデス・ベンツ コネクション」において発表会を開催した。その模様をお伝えする。

　C 63 AMG クーペのエクステリアは長いボンネット、大きく傾けたウインドウスクリーン、長く伸びたルーフ、細いCピラーなどを特徴としており、これにアルミニウム製ボンネットやAMG専用ワイドフェンダー、デュアルツインクロームエグゾーストエンド、リアディフューザーを始めとする数々のAMG専用パーツを装備することで、スポーティかつ迫力に満ちたデザインに仕上がっている。

　心臓部に置かれるのは、吸排気バルブの開閉タイミングを最適に制御する可変バルブコントロールシステム、シリンダー内への吸気充填効率を高める直立型吸気ポート、各気筒に均等な吸気配分を行う電子制御可変吸気マニフォールド、軽量ピストンなどを採用したV型8気筒DOHC 6208ccエンジンで、最高出力336kW（457PS）/6800rpm、最大トルク600Nm（61.2kgm）/5000rpmを発生する。

　これに湿式多版クラッチの7速AT「AMGスピードシフトMCT」を組み合わせ、0-100km/h加速4.5秒、最高速250km/hを誇る。燃費は7.1km/L（JC08モード）。駆動方式は2WD（FR）。

　また、C 63 AMG クーペの性能をさらに高める「AMG パフォーマンスパッケージ」（125万円）をオプションで用意。

　同パッケージはSLS AMGで使われる鍛造ピストン、コンロッド、軽量クランクシャフトを採用し、最高出力は358kW（487PS）/6800rpmまで向上。最高速は280km/hまで引き上げられる。

　そのほか、インテークマニフォールドがチタニウムグレーペイントされるとともに、各輪のキャリパーがレッドペイント仕上げとなる「AMG 強化ブレーキシステム」、リミテッド・スリップ・デフ、カーボンファイバースポイラーリップ（トランク）、AMGパフォーマンス・ステアリングを装備する。

C 63 AMG クーペのボディーサイズは4710×1795×1390mm（全長×全幅×全高）。全長、全幅はC 63 AMG セダン/ステーションワゴンと同等ながら、全高はセダン比で50mmも低くなる。車重は1800kg。写真はAMG パフォーマンスパッケージ装着車
AMG専用ワイドフェンダーを装着する	AMG パフォーマンスパッケージ装着車はブラックペイント/ポリッシュの鍛造19インチアルミホイールを装備。タイヤサイズはフロント：235/35 R19、リア：255/30 R19。標準モデルは18インチを装備する
バイキセノンヘッドライトはLEDポジションランプを備える
フロントフェンダーに「6.3 AMG」のバッヂがつく	撮影車両はAMGカーボンエクステリアパッケージ装着車で、カーボンのドアミラーやトランクリッドスポイラーを装着する
AMGディフューザーは標準装備	トランクの左側に車名をあらわす「C 63」のバッヂ	リアコンビネーションランプもLEDで構成される

C 63 AMG セダン
C 63 AMG ステーションワゴン

　インテリアでは、センターコンソールやダッシュボードに専用のダークアルミニウムトリムパネル（オプションでAMGカーボンインテリアトリムも用意）を採用したほか、大型モニターを一体化した新設計のダッシュボード、専用マルチファンクションディスプレイを備える3眼独立型円形メーター、designoナッパレザーを採用したAMG スポーツシート、アルミニウム製シフトパドルやステンレス製のペダルなどを装備することで、スポーティかつラグジュアリーなデザインとした。

スポーティでラグジュアリーなデザインのインテリア。撮影車両はトリム部やドアパネル上部をカーボン化できる「AMGカーボンインテリアトリム」装着車
AMG パフォーマンスパッケージ装着車は本革とアルカンターラの3本スポークステアリングを装備	シートには上質なdesignoナッパレザーを採用
専用マルチファンクションディスプレイを備える3眼独立型円形メーター	トランスミッションは7速AT「AMGスピードシフトMCT」	ステンレス製のペダルは標準装備
キッキングプレートには「AMG」のロゴが入る	ガラス・スライディングルーフは標準装備	エンジンON/OFFはプッシュスタートスイッチで行う
オーディオやカーナビなどのCOMMANDシステムのダイヤル	トランスミッションのモード切り替えができるダイヤルスイッチ。「C」「S」「S＋」「M」「RS」から選択できる	トランク

上野金太郎副社長

　発表会では、同社の上野金太郎副社長がC 63 AMG クーペに乗って登場し、同モデルのプレゼンテーションを行った。

　上野氏は「C 63 AMG クーペはスポーティでダイナミックな2ドアクーペ。鍛え抜かれたアスリートのようなエクステリアデザインに圧倒的なパフォーマンスを内に秘めている」と、その特徴が述べられたほか、AMGにまつわるイベントについて紹介した。

最高出力336kW（457PS）/6800rpm、最大トルク600Nm（61.2kgm）/5000rpmを発生するV型8気筒DOHC 6208ccエンジンを搭載		AMGスピードシフトMCTを組み合わせる
0-100km/h加速は4.5秒	AMGパフォーマンス・パッケージ装着車はレッドペイント仕上げの「AMG 強化ブレーキシステム」を装着する	アルミニウム製ボンネット
AMG製のワイドフェンダーを装備	フロントまわりは新デザインとなる	インテリア
3眼独立型円形メーター	スポーティかつラグジュアリーなインテリア	C 63 AMGシリーズの価格
カラーバリエーション	AMGパフォーマンス・パッケージの内容

　上野氏から発表されたイベントは3つで、1つは全国22拠点にあるAMG パフォーマンスセンターで行う「AMG パフォーマンスツアー2011」。同ツアーでは、C 63 AMG クーペを筆頭に普段なかなか目にする機会のないSLS AMGやCLS 63 AMGなどを特別展示する。

　2つ目はサーキットイベントの「AMG Driving Fascination」。同イベントは6月に富士スピードウェイで1回目を行い、参加者から好評だったことから11月10日に鈴鹿サーキットで開催することを決定した。

　このイベントではC 63 AMGやSLS AMGをはじめとする各AMG車に試乗できるほか、プロドライバーによるドライビングレッスンを受けることができる。プログラムの詳細については決定次第同社のWebサイトなどで告知する。

　この2つに先駆け、メルセデス・ベンツ コネクションでは8月25日～28日の期間、「AMG DAYS」と銘打ったイベントを開催する。

　AMG DAYSでは、C 63 AMGを始めとする9台のAMGモデルとともに、初代Aクラスの前後にエンジンを搭載した試作車「A 38 AMG」を展示。また、2階のレストランラウンジでは特別メニューのフードやドリンクを用意するほか、屋外スペースに毎日18時から「AMGスタンディングバー」を設け、オリジナルカクテルを提供する。

　こうした多数のAMGにまつわるイベントを開催することで、「より多くのお客様にAMGの世界を体感していただきたい」と述べたほか、9月に行われるフランクフルトモーターショーにおいてDTM（ドイツツーリングカー選手権）などのモータースポーツの技術を注ぎ込んだと言う「C 63 AMG クーペ ブラックシリーズ」を公開することを明らかにするとともに、「このC 63 AMG クーペ ブラックシリーズは限られた台数ながら、日本にも導入する。受注は秋口から開始する。ぜひご期待下さい」（上野氏）と述べた。

全国22拠点のAMG パフォーマンスセンターで「AMG パフォーマンスツアー2011」を実施する	サーキットイベント「AMG Driving Fascination」は11月10日に鈴鹿サーキットで開催する

■AMG パフォーマンスセンター