コードマスターズから10月6日に発売される公式F1ゲーム「F1 2011」。プレイステーション 3版（以下、PS3）とXbox 360版がラインアップされており、価格はそれぞれ7770円。

F1 2011は、PS3版とXbox 360版をラインアップ

　F1 2011は、公式F1ゲームとなっており、FOM（フォーミュラワン・マネージメント）やチームからの正式なデータを元に作られている。リアルに再現されたF1マシンやコースに加え、現役エンジニアなどF1関係者からの活きたフィードバックで、データだけでは得られない、F1レースの再現を追求。ぱっと見た目のプレイ映像は、「F1放送なのかな？」と思えるほどの仕上がりを見せている。

　コードマスターズからは、昨年「F1 2010」が発売されていたが、F1 2011では、可変リアウイング「DRS（Drag Reduction System：ドラッグ抑制システム）」やKERS（Kinetic Energy Recovery System:運動エネルギー回生システム）など新レギュレーションを反映したほか、タイヤが昨年のブリヂストンからピレリに代わり、レース（ゲーム）の展開に大きく影響を与えているとのこと。また、セーフティカーが登場するようになり、最大16人のドライバーに、8人のAI（コンピューター）ドライバーが加わった24人のフルグリッドによるオンライン対戦が可能となった。

　今回そのF1 2011を若干ながらプレイすることができたので、ここにお届けする。試遊台のゲームプラットフォームはPS3、ステアリングコントローラーにはロジクールの「Driving Force GT」がセットされていた。

　初めてのゲームプレイということで、サーキットはコースレイアウトを理解している鈴鹿、F1マシンは最も強力と思われるレッドブルを選択。マシンが壊れず、ブレーキアシストなどが行われる一番初心者向けのモードで3周だけのミニプレイを行ってみた。

今回の試遊環境はPS3版	試遊中

　走り始めてすぐに分かるのが、グラフィックスの美しさと、ステアリングホイールからの手応えのリアリティ。フロントカウル上面には、青空や雲などが映り込み、走る速度に応じて流れていく。スタートゲートをくぐると、その影は一瞬で流れ去っていき、ストレートスピードの高さを実感できる。また、PS3＋Driving Force GTの組み合わせでは、フォースフィードバック機能により、ステアリングホイールが振動するのだが、重めのグリップインフォメーションが伝わってくる。

　1コーナーに無理して突っ込めば、コーナー途中でステアリングが急に軽くなり、グリップが抜けた（タイヤのグリップ限界に達した）ことを教えてくれる。もちろん、これまでもこの機能を再現したゲームはあったが、多くのゲームは単にいきなり軽くなるだけといったものが多く、F1 2011ではその変化が細かく調整されている印象。「F1マシンだったら、こんな感じなのか？」と思わせてくれるリアリティがある。コードマスターズの浅海和宏氏によると、「元F1ドライバーのアンソニー・デビッドソン氏がゲームのチューニングに参加しています」とのこと。かつてスーパーアグリチームに所属し、佐藤琢磨選手の同僚でもあったことから日本での人気の高いデビッドソン氏によるゲームの開発コメントは、F1 2011の公式サイト（http://codemasters.jp/f1game2011/）で見ることができる。

　さて、新たに導入されたDRSやKERS、ピレリタイヤについては、3周のプレイでは、記すすべがない状況。DRSについては、F1に詳しい人はご存じのとおり、特定区間において前車から1秒以内の場合、スタート後2周は使用禁止などのルールがあり、このルールがF1 2011でも適用される。つまり、3周の場合使用できるのは1周のみ、しかもあれこれ確認しながら走っていたため、前車は遠くに小さく見える状態に。DRSスイッチをONにする状況を作れなかった（もちろん、言い訳です）。DRS区間については、シーズン開始後見直しが行われているが、「シーズン当初の予定区間を再現しています」（浅海氏）とのことだ。

　また、ピレリタイヤはグリップパワーやタイヤライフにブリヂストンタイヤと異なるものがあり、「昨年は回れた速度で、回れなくなったコーナーがある」（浅海氏）と言う。また、タイヤライフについても、実車ではF1開催側の要望から極端な性格付けがされており、ゲームではそのタイヤライフも再現されている。ただし、ソフトタイヤ（黄色いマーキング）で走った限りは、グリップのタレもなく、強大なグリップで鈴鹿を走ってくれた。

　実際のF1日本グランプリは、10月7日～9日に開催される。F1 2011はその前日となる10月6日に発売され、DRSの設定区間変更の可能性があるものの、ドライバー目線、チーム目線で事前にF1を楽しめる。F1をより立体的に楽しむためのアイテムとして、おすすめのゲームだろう。

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