矢野経済研究所、アイドルストップシステム搭載車は2017年に2308万台規模へ 「アイドルストップシステム世界市場に関する調査結果 2011」より |
矢野経済研究所は9月26日、「アイドルストップシステム世界市場に関する調査結果」を発表した。同調査は自動車メーカー、自動車システムメーカーなどに同社の専門研究員がヒアリングを行ったもの。詳細な調査結果は、8月31日に同社から発売された「新世代アイドルストップシステム市場の徹底分析2011」(A4判177ページ、13万6500円)にまとめられている。
■アイドルストップシステム搭載車は2017年に2308万台規模へ
アイドルストップシステムとは停車時に自動的にエンジンを休止させ、発進時にエンジンを再始動させるシステム。調査ではすべての乗用車と車重3.5t以下の商用車を対象に、アイドルストップシステムの主要な構成システムであるエンジン再始動、バッテリー状態検知、パワーマネジメント、トランスミッション油圧制御、エンジン制御について調査した。
その結果、2010年のアイドルストップシステム搭載車の世界販売台数は、約221万台と推計。そのうち西欧市場が約212万台となり、世界全体の96%を占め市場を牽引していると言う。
また、西欧市場、日本市場ともに厳しい環境規制を掲げていること、道路事情によりアイドルストップの効果が大きいこと、消費者の環境意識が高いことなどから、2011年以降は同システムの搭載率が高まるとしており、2017年には西欧で68%、日本で55%に達すると言う。さらにアイドルストップに消極的と言われてきた北米・中国市場でも風潮が変わってきているとし、2012~2013年ころから本格的な市場が立ち上がると予測する。
こうした要因を背景に、アイドルストップシステムは西欧、日本、北米、中国の4極を中心に、世界的に普及するとしており、2017年のアイドルストップシステム搭載車両の世界販売台数は2308万台(2010年比10.5倍)、金額にすると3027億6900万円(同比10.6倍)に達すると予測している。
■成長率が大きいのはトランスミッション
構成システム別に見ると、もっとも成長率が大きいと予測されるのはトランスミッション油圧制御システムとしている。これは西欧市場ではアイドルストップシステムの設定がMT車が主流であるのに対し、トランスミッション油圧制御システムが必要なAT車およびCVT車への設定の増加が今後見込まれるため。
また、減速中からエンジンを停止する拡張アイドルストップや、サブストレージを備えた高出力回生ブレーキシステムの搭載が進み、リチウムイオン電池やキャパシタといった高性能サブストレージの搭載が見込まれていることから、パワーマネジメントシステムの成長も大きいと予測している。
(編集部:小林 隆)
2011年 9月 26日