TRD、「オーリスGTコンセプト」からノウハウを得た「オーリス」用各種製品 エアロパーツやホイール、剛性パーツ、サスペンションキットなど多数発売 |
トヨタテクノクラフトのモータスポーツブランドである「TRD」は、トヨタ「オーリス」用のエアロパーツやホイール、剛性パーツ、サスペンションキットなどを、「オーリス TRD パフォーマンスライン」ブランドとして今夏に発売した。
今回ラインアップされたパーツは、年初に開催された東京オートサロンで発表した「オーリスGTコンセプト」に装備されていたものが中心で、誰もが手に入れられるよう市販バージョンとして登場することになった。
このオーリスGTコンセプトは、エンジンパワーを引き上げるために専用のスーパーチャージャーをセットし、外観はエアロパーツやホイールなどでチューンドしたコンプリートモデル。TRDでは、2009年にカローラアクシオをベースとしたコンプリートカー「カローラアクシオGT」をすでに発売しており、東京オートサロンの会場ではTRDが製作するコンプリートシリーズの第2弾かと期待が寄せられていた。
東京オートサロンで発表した「オーリスGTコンセプト」 | |
オーリスGTコンセプトには開発中のスーパーチャージャーキットがセットされていた。1リッターあたり100PSを上回る出力を発生すると言う |
そのオートサロンでの反響が大きかったことから今回の製品化に至ったわけだが、スーパーチャージャーキットなどはラインアップされず、手始めとしてエアロパーツや機能パーツを中心としたリリースになる。
TRDでは、オーリスGTコンセプトを発表する前からスタビライザーやパフォーマンスダンパー、フロントスポイラーといったパーツをラインアップしていた。そのため、既存のラインアップに追加される形で今回のニューアイテムが投入される。
既存のラインアップは、パフォーマンスダンパーセット(フロント、リア)とスタビライザーセット、フロントスポイラー |
新作となるのは、エアロパーツ系ではリアルーフスポイラーとディフューザー、機能パーツではサスペンションキットとエアロスパッツ付きメンバーブレースセット、それに18インチ鍛造アルミホイールとなる。どのパーツもモータースポーツ部門を持つTRDらしく、機能性を全面に押し出した商品でありながら、スタイリッシュさも演出するデザイン性を併せ持っている。
そしてオーリス TRD パフォーマンスラインには、今回エアロパーツをセットにした「エアロパフォーマンスライン」と、シャシー系パーツをセットした「シャシーパフォーマンスライン」の2種類のセットを用意。
エアロパフォーマンスラインは、フロントスポイラー、リアルーフスポイラー、ディフューザーを組み合わせる。
エアロの開発にあたっては、トヨタ自動車の東富士研究所にある風洞施設や、SUPER GTでも使われているデータ解析システム「CFD」を利用し、レースに携わるエンジニアがエアロダイナミクスを追求したと言う。とくにリアまわりのドラッグの軽減やフロア下の整流によって、純正を大幅に凌ぐダウンフォース量を生み出していると言う。
新たに投入されたリアルーフスポイラー |
リアディフューザー |
一方、シャシーパフォーマンスラインはサスペンションキット、フロアバー、スタビライザー、パフォーマンスダンパーをセットしたもの。
フロアバーにはエアロスパッツが装備され、シャシーを縦横につなぐことで剛性が上がるのは無論のこと、スパッツによる整流効果も見込まれる。スパッツの装着位置は、エアロパーツの開発と同様の空力テストが行われていて、最適な装着位置を導き出すまでにかなりの試行錯誤があったそうだ。角度や装着場所までこだわったエアロスパッツは、リアディフューザーに効率よく風が流れるよう設計されていて、フロア下のダウンフォース量の向上にも貢献する。
サスペンションキットもこれまでのラインアップとは異なり、アッパーマウントやスプリングがセットになった。既存のサスペンションパーツのラインアップでは、コストを抑えるために純正マウントやスプリングを使うこともあったが、オーリス用はともに専用部品を開発して装備している。アッパーマウントは、純正よりも剛性を高めるとともにフリクションも抑えた。これにより、今まで以上にダイレクトなステアリングフィールや乗り味を実現したと言う。
整流効果も考慮したメンバーブレースセット |
フリクションロスを最小限に抑え、スポーティなハンドリングや乗り心地を実現したサスペンションセット | フィンタイプのデザインとなる18インチ鍛造ホイール | ブレーキパッドも新たにラインアップされた |
今回は短時間ではあるが試乗する時間もあったので、オーリスGTコンセプトの街乗りでの様子をお知らせしたい。試乗用として、オーリスGTコンセプトのほかに標準車のオーリスRSが用意されていたので、2台を比較しながら走ってみた。
オーリスGTコンセプトを走らせてみて、まず感じたのがリアの落ち着きがあること。路面がうねっている市街地でもオーリスRSに比べてリアまわりがバタつかず、しっとりとした乗り味やハンドリングが味わえる。少しペースを上げて走行するとさらに落ち着きある感覚が増していき、安定感や操安性が引き上げられていることが体感できる。そして、ある程度のコーナリングスピードも許容してくれる。
このハンドリングを生み出しているのは、サスペンションキットの影響がもっとも大きいと思われるが、リアルーフスポイラーやディフューザーによる空力効果も一役買っているのだろう。
モータースポーツの先進的な技術をフィードバックして製作されたオーリス用パーツ。TRDの技術力やパフォーマンスを、オーリスオーナーはぜひ体感して欲しい。
商品名 | 適合 | 価格 |
エアロパフォーマンスライン | 2WD(除く150X) 2009年10月~ | 10万2900円 |
リアルーフスポイラー | 150Xを除く全車種 2009年10月~ | 5万400円 |
リアディフューザー | 2WD車 2009年10月~ | 6万3000円 |
シャシーパフォーマンスライン | 2WD車(除く150Xの15インチホイール車) | 14万4900円 |
パフォーマンススプリングセット | 2WD車(除く150Xの15インチホイール車) | 3万9900円 |
パフォーマンスアブソーバーセット | 2WD車(除く150Xの15インチホイール車) | 5万8800円 |
メンバーブレースセット | 2WD車 | 6万3000円 |
ブレーキパッドセット | 2WD車 | 1万5750円(フロント)、1万3650円(リア) |
「TRD SF1」18インチ鍛造ホイール | 全車 | 7万3500円/本 |
フロントスポイラー | 全車2009年10月~ | 4万8300円(ホワイトパール、ブラックマイカ)、4万3050円(未塗装) |
TRD Sportivoスタビライザーセット | ZRE152H、NZE151H | 9万4500円 |
ホイールナットセット | 全車 | 4725円(1台分) |
(真鍋裕行)
2011年 11月 1日