ボルボ、衝突時に体が受ける重さが分かる「衝撃体重計」を公開 |
ボルボ・カーズ・ジャパンは16日、報道関係者向けに「衝撃体重計」を公開した。
交通事故発生時にシートベルトにどれだけの重量がかかっているかを分かりやすく可視化するもので、スウェーデンのボルボ本社にも同様の展示があると言う。
公開された衝撃体重計は、ボルボ本社の衝撃体重計のソフトウェアをタニタの多機能体重計にインストールしたもの。体重計に乗ると、25km/h、40km/h、55km/hでフルラップ前面衝突(壁に正面衝突)したときに、どれだけの重量がシートベルトにかかるか、乗った人の体重から算出する。
体重約80kgの記者の場合、25km/hで2035kg、40km/hで2849kg、55km/hで3663kgと算出された。記者が後席に座っていて、シートベルトをしていなかった場合、クルマが衝突すると前席の乗員に25km/hで約2t、40km/hで約2.8t、55km/hで約3.7tもの衝撃がかかることになるのだ。後席シートベルトの重要性が実感できる数字と言えるだろう。
衝撃体重計には靴ごと乗る | |
体重を測定すると、衝突時の衝撃が算出され、表示される | 衝撃の重さをエルクに換算する北欧らしい演出も |
衝撃の重さを「高さ」で見せる展示 |
さらにこの衝撃を想像させるために、ボルボはもう1つの展示も用意している。高さ約40cmの台を積み重ねたものだが、この展示は15km/hのときは1段目、20km/hでは4段目、30km/hでは8段目から落ちた時の衝撃が加わる、ということを意味している。各速度で衝突した時の衝撃を、高さで見せているのだ。30km/hの時の高さは実に3.6m。こんな高さ落ちたら、かすり傷ではすまないことは誰の目にも明らかだろう。
1959年に3点式シートベルトを発明し、近年では自動ブレーキ「シティーセーフティー」の標準装備を進めるなど、ボルボは安全装備に強くこだわっていることで知られている。しかし、それらの安全装備もシートベルトを締めていなければ意味がない。
ボルボ・カーズ・ジャパンの調査によれば、後席シートベルトを必ず着用する人は36.6%にとどまっており、着用率は非常に低い。こうした展示により、後席シートベルトの重要性を喚起することも、ボルボは自らの重要な使命と考えているのだろう。
(編集部:田中真一郎)
2012年 2月 17日