「第3回国際自動車通信技術展」が東京ビッグサイトで開幕 |
「第3回国際自動車通信技術展」が東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で開幕した。会期は3月14日~16日で、入場料は1000円、同展示会のWebサイトから事前登録を行うことで無料となる。
今回で3回目となる国際自動車通信技術展は、会場を幕張メッセから東京ビッグサイトに変更。「Mobile IT Asia」「パーキングジャパン」など5つの展示会が同時開催されており、入場券を共通で使えるようになっている。
国際自動車通信技術展の展示の中心は、トヨタ自動車と本田技研工業で、トヨタは昨年の東京モーターショーで出展した次世代充電パーク「TOYOTA Smart Mobility Park(トヨタスマートモビリティパーク)」と展示するほか、スマートフォンと車載ディスプレイを連動させる「オンデマンド車載ディスプレイ」などを展示。同社独自のSNSである「トヨタフレンド」のデモや、スマートフォンとの連携機能を持つ「プリウスPHV」が展示されていた。
ホンダは、同社の通信型ナビサービスであるインターナビを中心に展示。インターナビは、東日本大震災の発生後、被災地域の通行実績情報をいち早く提供するなどの取り組みが昨年のグッドデザイン大賞に輝いており、それらの展示が中心となっていた。また、インターナビの通行実績データを可視化する「dots」の展示も行われており、そのグラフィカルな表示が目を引いていた。
トヨタホームのスマートハウス「asuie(アスイエ)」。プリウスPHVとの連動についての説明展示が行われていた |
2011年のグッドデザイン大賞を受賞したインターナビの展示。東日本大震災発生からの通行量変化が説明されている | インターナビのデータを可視化する「dots」。通行量だけでなく、都道府県別の燃費グラフも表示可能 | dotsの表示例。震災発生から20日間の通行量変化を表示していた |
自動車メーカー以外では、ナビタイムジャパンが最大のブースを設置。スマートフォンと車載ディスプレイをUSBで接続し、スマートフォン上のアプリケーションを車載ディスプレイに表示する参考展示を行っていた。
このデモでは、ナビゲーションなどの機能は、すべてスマートフォン側で処理をしている。USBで有線接続しているのは、スマートフォンに充電するため。スマートフォンと車載ディスプレイの連動は、トヨタのブースでも提案されていた。MirrorLinkというスマートフォンと車載ディスプレイの連携規格の策定もあり、スマートフォンが世界的に普及する中、1つの主要なジャンルになっていくと思われる。
ナビタイムジャパンの参考出展。スマートフォンをUSBケーブルで車載ディスプレイと接続 | 現状はUSBでの接続だが、1つの提案だと言う。Bluetoothなどさまざまな接続規格が検討されている | ナビタイムジャパンが力を入れている企業向けサービス「動態管理ソリューション」。スマートフォンを持った作業者の現在位置や、作業ステータス、行動実績を管理する |
Mobile IT Asiaのブースでは、NTTドコモが日産「リーフ」を展示。AR(拡張現実)を使ったタブレット用アプリで、リーフへの充電の様子を可視化するデモを行っていた。ただ、実際に充電をするまでの設備は整えられておらず、アプリの動作デモとなっている。そのほか、初出展となるアスキーは、アスキー総合研究所が行っているネット・コンテンツ調査「MCS(メディア&コンテンツ・サーベイ)」のデータ展示を実施。Andoroidユーザーはミニバン、iPhoneユーザーはハッチバックなど、クルマに関する調査データを掲示していた。
国際自動車通信技術展の主軸は、1日に4~5講座が組まれているカンファレンスとなっており、展示は小規模なものにとどまっている。3月15日にはホンダのインターナビを手がける今井武氏や、ナビタイムジャパン社長である大西啓介氏のカンファレンス、16日には日産自動車執行役員 豊増俊一氏のカンファレンスが組まれている。1講演8000円となるが、興味のある方は参加してみるのもよいだろう。
(編集部:谷川 潔)
2012年 3月 14日