メルセデス・ベンツ、SLKのハイパフォーマンスモデル「SLK 55 AMG」
新型V8エンジン+F1で採用される気筒休止システムで、燃費性能が70%向上

SLK 55 AMG(写真は本国仕様)

2012年5月9日発売
1090万円



 メルセデス・ベンツ日本は5月9日、2シーターオープンカー「SLKクラス」のハイパフォーマンスモデル「SLK 55 AMG」を発売した。価格は1090万円。納車は6月ごろを予定する。

 新型のSLK 55 AMGは、新開発となるV型8気筒5.5リッターの「M152」エンジンを搭載した。同エンジンは、スプレーガイド式燃焼システムとピエゾインジェクター(噴射圧力200bar)を組み合せたガソリン直噴ユニット。従来のV型8気筒ツインターボの「M157」エンジンをベースに開発され、排気量やボア×ストローク(98.0×90.5mm)、ECOスタートストップ機能、直噴など多くの共通点を備えるが、インテーク・ダクトやシリンダーヘッドは新設計されるとともに、バルブ駆動、オイル供給システム、クランクケースにも改良を加えている。新型M152エンジンの最高出力は310kW(422PS)、最大トルクは540Nmで、0-100km/h加速は4.6秒、最高速は250km/h(リミッター作動)を誇る。

 その一方で、必要に応じて2、3、5、8番シリンダーを停止し、燃費を低減する新開発の「AMG シリンダーマネジメント(気筒休止システム)」を採用。シリンダーカットオフ機能は、“C”モード走行時に800~3600rpmの回転域で作動し、4気筒モードから8気筒モードへの切り替えはエンジン回転数3600rpmの場合、30ミリ秒としている。なお、4気筒モード時も最大トルク230Nmを確保していると言う。

 そのほか、アルミダイキャスト製のクランクケースの採用によるエンジン軽量化、エンジンブレーキ使用時やブレーキング中に運動エネルギーを熱として放出せず、電気に変換してバッテリーに蓄えるオルタネータマネジメントといった燃費対策により、JC08モード燃費11.2km/Lを達成している。この燃費性能については、先代モデルと比べ70%以上の改善になると言う。

 また、新型SLK 55 AMGでは、両側にエグゾーストフラップを搭載した新型「AMG スポーツエグゾーストシステム」を、AMGとして初採用した。

 このシステムは、2個のリアサイレンサーそれぞれにフラップを設け、アクセルペダルの踏み込み量やエンジン回転数に応じて、ロジック制御により可変的に動作させるというもの。低負荷およびエンジン回転数が2000rpm以下の場合、フラップは閉じたままで、排出ガスの経路を長くし、追加した減衰部を通過させる。これにより、エキゾーストノートは快適に感じられる音量まで小さくなるとともに、不快な周波数の音が効果的に抑制されるとしており、とくにシリンダーシャットオフが動作する4気筒モードで顕著に感じられると言う。また、8気筒モードでエンジン回転数が高い場合は、両側のフラップを完全に開くことで、V8エンジンならではのサウンドを発生させる。

 トランスミッションは、「コントロールエフィシェンシー(C)」、「スポーツ(S)」、「マニュアル(M)」の3つの走行プログラムモードを備えた7速AT「7G-TRONICプラス」を装備。AMG専用の3ステージESPは、センターコンソールのESPボタンにより、「ESP ON」、「ESP SPORT」、「ESP OFF」の3モードを切り替えることができる。ブレーキはドリルドベンチレーテッドディスク(前360×36㎜、後330×22mm)を搭載した「AMG 強化ブレーキシステム」。

 エクステリアでは、フロント部にAMG専用ラジエターグリル(ハイグロスブラック&クロームルーバー)、AMG専用フロントバンパー、AMG LEDドライビングライトを備え、力強い雰囲気を演出。さらに3つのフィンを備えたブラックディフューザー、AMG スポーツエグゾーストシステム(デュアルツインクロームエグゾーストエンド)、ダークティンテッドテールライトを装備することで、スポーティかつ精悍さを強調するデザインに仕上がった。

 インテリアはジェット機を連想させるエアコン吹き出し口、ブラッシュドアルミニウムインテリアトリムを採用し、ダッシュボード中央にはIWC デザインによるAMG専用アナログ時計を備える。上部と下部をフラットにしたAMG パフォーマンスステアリングやAMGスポーツシートには、ナッパレザーを採用している。

(編集部:小林 隆)
2012年 5月 9日