NEXCO東日本、2011年度の営業収益は394億円増、料金収入は214億円減
2011年度決算発表会見より。代表取締役には廣瀨博氏が就任

2011年度の連結決算概要

2012年6月6日発表



NEXCO東日本 取締役常務執行役員 経理財務本部長 斉藤伸一氏

 NEXCO東日本(東日本高速道路)は6月6日、第7期目となる2011年度(2012年3月期)の連結決算概要について、都内で記者会見を行った。会見には同社の取締役常務執行役員 経理財務本部長 斉藤伸一氏が出席し、概要を説明した。

 2011年度の営業収益は、前年比で394億円増の8398億円となった。その内訳は、料金収入などを含む高速道路事業は前年比386億円増の7816億円、SA(サービスエリア)/PA(パーキングエリア)といった道路休憩所事業などを含む関連事業は、前年比63億円増の435億円だった。

 一方、営業費用は前年比443億円増の8350億円となっており、トータルで見ると営業利益は49億円減の48億円、当期純利益は32億円減の45億円という結果となった。

 高速道路事業について、2011年度は東北地方での高速無料化などにより、料金収入等が214億円減収の5629億円になった。しかし、圏央道 白岡菖蒲IC~久喜白岡JCT(ジャンクション)、道東自動車道 夕張IC~占冠IC/森IC~落部ICの3区間58.0kmを新たに開通させ、高速道路機構(日本高速道路保有・債務返済機構)に引き渡したことで、道路資産完成高は600億円増の2187億円となった。「高速道路事業の386億円増のもっとも大きな要因は、この道路資産完成高が増えたこと」(斉藤氏)と言う。

 2011年度の通行台数(無料通行車両を含む)は、東日本大震災の影響から概ね回復するとともに、休日上限1000円の廃止、無料化社会実験の凍結、東北地方における高速道路の無料措置を行った結果、1日あたりの通行台数は約280万台(前年比5%増)となった。この通行台数の内訳について、斉藤氏は「小型車は4%にとどまるものの、大型車は12%伸びた。これは復興支援ということで中型車以上を無料にしたことが大きかった」と述べる。通行台数は伸びたものの、料金収入が214億円減となったことついては、東北地方の通行料金を無料にしたことが主な要因としている。

 また、SA/PAなど休憩施設での店舗売上高(飲食・物販・ガスステーションを含む)が前年度比7%増の約1510億円だったとし、とくにガソリンの単価上昇と被災地に向かう車両への給油数量が増えたことが売上増につながったのではないかと分析している。

 あわせて2012年度計画(連結損益見通し)についても発表し、今年度は営業利益56億円、当期純利益65億円と、上向きの数値を見込んでいる。これについては、「一番大きな理由は東北無料化措置が縮小化されることで、高速料金という面で見れば減収が今年よりも少なくなる」ためと、斉藤氏は説明している。

 なお、同社は同日取締役会を開催しており、6月28日に開催予定の第7期定時株主総会に付議する役員の候補者を発表。代表取締役は廣瀨博氏に決定し、同株主総会後に開催される取締役会で、廣瀨氏が選定される予定。

2011年度の営業概要(通行台数)2011年度の営業概要(休憩施設店舗売上高)
NEXCO東日本の個別決算概要2012年度計画(連結損益見通し)

(編集部:小林 隆)
2012年 6月 6日