キャンバスマップル、初のコンシューマー向けiPhone地図アプリ「マップルナビS」
7月13日まで半額で購入できるキャンペーン実施

2012年6月26日発売
1400円(7月13日まで700円)



マップルナビSは女性向けガイドブックシリーズ「ことりっぷ」や、観光情報を紹介する「まっぷるマガジン」など電子書籍アプリとの連携が可能

 キャンバスマップルは6月26日、同社初のコンシューマー向けiPhone地図アプリ「マップルナビS」を発売し、同日都内でマップルナビSの製品発表会を開催した。

 マップルナビSの価格は1400円だが、6月26日~7月13日まで半額になるキャンペーンを実施しており、同期間内であれば700円で購入できる。

 対応端末はiPhone 3GS/4/4Sで、現段階ではiPhone3G、iPod touch、iPadでの使用は不可となっているが、iPadへの対応は準備中としている。ファイルサイズは1.76GBで、インストール時に本体の空き容量が4GB必要になる。また、データ更新は2014年春版まで年2回のペースで行う予定で、この期間内のデータ更新料は無料(通信費のぞく)となっている。

 マップルナビSは、昭文社「スーパーマップル」の2012年春版の地図データを搭載したアプリで、全国約1400都市分の詳細市街地図を収録。検索は住所検索(約3600万件)、電話番号検索(約710万件)、フリーワード検索/ジャンル検索(施設検索)/周辺情報検索(それぞれ約220万件)、まっぷるコード検索(約8万件)から行える。ルート案内中は通信を必要としないスタンドアロン型となる。

 なお、4月14日に開通した新東名高速道路(御殿場JCT[ジャンクション]~三ヶ日JCT)を利用したルート音声案内に対応するが、料金表示および施設検索、一部イラストについては未対応となっており、2012年の秋バージョンで料金表示に対応するとしている。

地図画面(横向き)ことりっぷやまっぷるマガジンと連携させることが可能ことりっぷの詳細ページ
地図画面(縦向き)。マップスケールは10m~200km
メインメニュー画面検査メニュー

昭文社 内田次郎取締役

「旅やおでかけという幸せの記憶となる体験のお手伝いをしたい」
 発表会では、昭文社の内田次郎取締役が冒頭の挨拶を行った。昭文社は1960年に創立し、道路地図や観光ガイドブックなどを出版事業として営んできたが、「2000年前後はカーナビ、インターネット、携帯電話などの普及拡大の時代だったが、当社はそのスピードについていけず、いつも後手を踏んでいた」と、その当時を振り返る。

 こうした厳しい状況下でも、同社グループには4つの強みがあると言う。1つはすべてのインフラとなる地図コンテンツを保有していることと、人々の生活を豊かにできるデータベースを保有していること。3つめは2006年にキャンバスマップルを設立し、アプリ開発を内製化できたこと。そして最後はリアル媒体である出版物を持っていること。

 内田氏は、「昨今はスマートフォンが市場を席巻しているわけだが、まさしく(同社が持つ)強みをスマートフォンで活かせるのではないか」と述べるとともに、「GPSが使え、インターネットにつながり、そしてグローバルに利用できるということが、我々の持っているコンテンツとマッチする」と言う。そして何よりも、出版社である昭文社がITの世界でコンシューマービジネスを展開できる点こそが、スマートフォンの偉大なところだと内田氏は言う。

 また、「旅やおでかけという幸せの記憶となる体験のお手伝いをするのが、グループの使命」と述べ、出版物、カーナビ、スマートフォン、Webなどを利用し、さまざまな角度から旅やおでかけに興味のあるユーザーをサポートしていきたいと、今回マップルナビSを発売した背景を語った。

キャンバスマップル 代表取締役社長の山本幸裕氏

Simple、Smart、Surpriseの3つの特徴
 製品説明は、キャンバスマップル 代表取締役社長の山本幸裕氏が行い、製品名の「S」に込められた、「Simple」「Smart」「Surprise」の3つの特徴について紹介。

 まずSimpleには、「見やすい地図の採用」「ナチュラルな女性の声で案内する」という特徴のほか、iPhoneに全国すべての地図データやルート案内データを保存することで、「通信できない環境でも地図の表示、ルート探索、ルート案内が途切れない安心感がある」と言う(山本氏)。

 一方、Smartではマップルならではを追求したと言い、「全国高速道路 SA&PA完全ガイド」「渋滞ぬけみち案内図」を収録し、マップルナビSの表示画面で各SA/PA内のトイレの位置やガソリンスタンドの銘柄などの表示を可能にするとともに、全国47都道府県分の抜け道を収録することで、「(VICS情報に対応しないため)混んでいるかどうかは分からないが、混んだときに使えるデータ」とし、マップ上では抜け道が水色に点滅して表示する。この抜け道データは、渋滞回避を目的に同社が独自でタクシードライバーなどに取材して制作したものだ。

 また、女性向けガイドブックシリーズ「ことりっぷ」や、観光情報を紹介する「まっぷるマガジン」など電子書籍アプリとの連携を可能にしており、電子書籍アプリで探したお店やスポットまでのルート案内をしたり、マップルナビSの地図から周辺のお店やスポットの情報を呼び出したりできることも、Smartの一環であるとした。

 Surpriseについては、7月13日までマップルナビSを半額(700円)で購入できるキャンペーンを指し、「なぜこの価格で提供できるのかについては、2つ理由がある。1つは昭文社およびキャンバスマップルの一貫生産により、中間マージンを省いて低コストを実現できたこと。もう1つは、電子書籍のプラットフォームとして、より多くの人に使っていただきたいため」と述べ、より多くの方にマップルナビSを利用して欲しいと語った。

製品名の「S」には「Simple」「Smart」「Surprise」の3つの特徴が込められる見やすい地図を採用した
ナチュラルな女性の声で案内してくれるiPhoneに全国すべての地図データやルート案内データを保存することで、通信できない環境でも地図の表示、ルート探索、ルート案内が途切れない
リルートもすばやく行う地図の表示、ルート探索、ルート案内が途切れない安心感を持つ「渋滞ぬけみち案内図」を収録
写真左が抜け道の表示画面。マップ上では抜け道が水色に点滅して表示される「ことりっぷ」や「まっぷるマガジン」など電子書籍アプリと連携し、目的地を設定することもできる
目的地に到着し、画面右下の「BOOK(ガイドブック)」ボタンを押すと電子書籍アプリを開くことができ、ガイドブックから好みのお店を設定することもできる
出版物の「まっぷるマガジン」と連携し、まっぷるマガジンに記載されるまっぷるコードを入力することで目的地設定ができる
7月13日まで700円でマップルナビSを購入できる。購入後は期間無制限で利用できる700円で提供できる理由

(編集部:小林 隆)
2012年 6月 26日