自工会豊田会長、「エコカー補助金の効果は間違いなくあった」 7月定例記者会見より。若者向けのイベント「お台場学園祭2012」を10月に開催 |
自工会(日本自動車工業会)は7月19日、定例記者会見を開催し、豊田章男会長は近く終了の見込みであるエコカー補助金や、1~2人乗りの超小型モビリティについての見解を述べるとともに、クルマやバイクの夢・楽しさを伝えていくことに主眼を置いた若者向けのイベント「お台場学園祭2012」を、10月6日~14日にお台場エリアの各所で開催することを発表した。同イベントの詳細は9月に発表する予定。
記者との質疑応答で、エコカー補助金のこれまでの効果について聞かれた豊田会長は、「エコカー補助金の効果は間違いなくあった。私たちはクルマという商品は定期的に買い替える商品だと思っている。そうしたときに、より環境に優しいクルマに買い替えていただけるような環境を、1日も早く達成いただきたいと思っている」と述べるとともに、「クルマには大変多くの税金が課せられている。特に地方都市においては、クルマは言わば“公共の乗り物”。普通のサイクルで普通に買い替えられるような税金の負担軽減を、ぜひともスピーディに取り組んでいただきたい」「消費税のことが議論されている中で、我々自工会が言い続けている車体課税の抜本改革の方を、より真剣に取り組んでいただきたい」と、政府への要望を語った。
また、1~2人乗りの超小型モビリティについては、自動車業界以外からの新規参入の動きが見られるが、その動きを自動車業界としてどう見ているかを聞かれた豊田会長は、「自動車業界としては、新規に入られる企業に対してオープンでフェアな環境作りというのは非常に重要」としつつ、「既存の自動車メーカーは安全面、品質面などに相当多くの投資をしているし、責任も大きくのしかかっている。そういう意味でハードルは高くなると思うが、新規に入られる方々にも地球に優しいモビリティ社会の構築に、ぜひ一緒に取り組んでいただきたい」と述べた。
なお、新しいイベントとなるお台場学園祭2012は、国内の乗用車メーカー8社、2輪メーカー3社、自工会事務局、お台場で商業施設を運営する企業などが共同で実施するもので、東京都が後援する。
このイベントについて、「若者のクルマ離れ、というのは日本のみならず世界各国で生まれている。日本においては、常々述べさせていただいているが、若者がクルマから離れたのではなく、我々メーカーが若者から離れたのではないかとあえて申し上げている。その我々メーカーが、若者に近づいていく手段として考えた」と述べるとともに、昨年行われた東京モーターショーに多くの来場者が訪れたことから、「クルマへの興味を失ったわけではないということが分かり心を強くした。そういう意味で、クルマという切り口のみならず、若者が興味を持つようなコンテンツが用意したい」「2013年の東京モーターショーに向け、今年は休催年であるものの、クルマに接する場を提供していきたい」と、開催の背景について語った。
(編集部:小林 隆)
2012年 7月 19日