三井ホーム、EVの非接触充電設備を備えた次世代住宅「MIDIEAS(ミディアス)」 米WiTricityの磁界共鳴方式を採用 |
三井ホームは9月10日、次世代スマートハウスの実証実験施設となる「次世代スマート 2×4 MIDIEAS(ミディアス)」を公開した。
プジョーの電気自動車「iOn」 | 非接触型のため、駐車するだけで充電が可能 |
同施設は三井不動産による「柏の葉スマートシティプロジェクト」を実施中の千葉県柏の葉キャンパスエリアに建設された実験住宅。柏の葉スマートシティプロジェクトは環境やエネルギー問題に対応した安心・安全・サスティナブルな街づくりをコンセプトとしているもので、エネルギー・スマート技術の活用とその最適化を目指すための実証実験などが行なわれる。
エネルギーの自給自足を基本とし、住宅には多数の太陽電池を設置して電力を供給。業界で初めて2台のリチウムイオン蓄電池を備え、1台ずつ交互に運用することができる。天候不順が続いた場合の補助電源としてディーゼル発電機も装備。これらの発電設備によって基本的には外部からの電源供給を必要としないのが特徴。9月11日より一般公開(予約制)が開始されるほか、11月からは実際に家族が入居して実証実験が開始される予定。
このスマートハウスには、IHIが米WiTricity Corporationと開発中のEVワイヤレス給電設備が設置されている。駐車場の床に設置された送電部と電気自動車側に設置された受電部で構成された、非接触式の充電方式となる磁界共鳴方式を採用した充電方式で、車両側と駐車場にコイルとコンデンサを埋め込み、それぞれの共振器を磁界共鳴させて電力を伝送するというもの。送電側、受電側とも必ずしも上下に設置する必要がなく、充電形態の自由度が高い。車両はプジョーの電気自動車「iOn」。
駐車場の床に設置された送電部 | 20cm離れても効率90%以上で送電できる |
家庭用ディーゼル発電機。家庭用の発電機ということで防音設備は厳重。奥にあるのはエコキュートの給湯器 | ディーゼル発電機の防音扉を開けたところ。数字はエンジンの回転数。定格出力は7kw | 2台の蓄電用リチウムイオンバッテリー。蓄電容量は1台あたり5.53kWh |
住宅の屋根はもちろん、さまざまな箇所に太陽光発電パネルが設置されている | 右側の窓には太陽光発電フィルムが内蔵されている | 机の上でも非接触充電が可能になっていた |
Xbox 360の「Kinect」を使い、ブラインドなどを操作できる | ベランダに設置された気象センサー。雨などの気候変化を知らせることができる | 家庭菜園も自家発電で可能 |
ウォーターウォール。エコキュートのタンクに繋がっており、壁の中の水を太陽光で暖めることで冬場の暖房エネルギーを削減できる | 外壁は二重構造になっており、空気を循環させている |
(清宮信志)
2012年 9月 11日