タミヤ、「トヨタ86」「スバルBRZ」模型コンテスト結果発表
Car Watch賞は、SUBARU BRZ-GT300(升田氏)と、TOYOTA86 PANDA (塩川氏)


写真部門の審査風景

 タミヤが1/24で発売した「トヨタ86」「スバルBRZ」。実車の話題が豊富なこともあって、好調な売れ行きと言う。その、「トヨタ86」「スバルBRZ」を題材にした模型コンテストを同社は開催しており、その結果を9月27日に発表した。

 この模型コンテストは、「タミヤ プラモデルファクトリー トレッサ横浜店」で実施したモデラーズコンテストでの作品持込み部門と、同社Webサイトからの写真投稿部門が設けられており、各作品を募集。同社が選ぶ、「トヨタ86賞」「スバルBRZ賞」のほかに、自動車専門メディアの選ぶ賞が設けられた。自動車専門誌の「CAR GRAPHIC賞」「XaCAR賞」に加え、Web自動車メディアとして「Car Watch賞」も設定されたので、その受賞作をここに紹介する。

Car Watch賞 持ち込み部門
 持ち込み部門の審査は、トレッサ横浜にあるタミヤ プラモデルファクトリー内で実施。実際の作品を見るとどれも力作揃いで、審査に悩むこと十数分、Car Watch賞は「SUBARU BRZ-GT300」(作者:升田義和氏)に。

SUBARU BRZ-GT300(作者:升田義和氏)

 選定の理由としては、その工作力の高さと、作品の見せ方のうまさ。工作力の高さについては、写真を見ていただくと分かるが、市販車をキット化した1/24「スバルBRZ」をSUPER GT仕様に改造。フロントやリアの空力を考慮したボディー形状や、細かいところでは、各部のアンテナ関連なども作り込んでいる。また、ボディーのカラーリングも丁寧に施されており、スポンサー名なども再現。加工力、塗装力の素晴らしさを感じる部分になっている。

 升田氏本人のコメントとして「キットが作りやすかったので改造のバランスを重視してがんばりました。室内を作りましたがほぼ見えず(泣)」と添えられていたように、作り込まれた室内は見えづらくなっていた。ただ、その室内をうまく見せていたのが展示台。展示台下部には、工作過程の写真が掲載されており、室内の作り込みもよく分かる。このすべてが計算しつくされた作品を持ち込み部門のCar Watch賞とした。

Car Watch賞 写真部門
 写真部門は、応募された作品をプリントしたものを用いて審査を実施した。Car Watch賞は、「TOYOTA86 PANDA」(作者:塩川俊之氏)に。

 写真部門の審査で悩んだのは、工作力は高いのに、写真のピントなどがもう1つで、その工作力を伝え切れていないものがあったこと。タミヤが長年行っている「パチッ」(http://www.tamiya.com/japan/pachi_digital/photo_gallery.htm)コンテストと同様、模型作りに加え、撮影力という異なる能力を求められる部門となっていた。

TOYOTA86 PANDA(作者:塩川俊之氏)

 TOYOTA86 PANDA選定の理由は、写真を見てもらえれば分かるが、その美しい塗装力を、それをしっかり伝える写真が3点あったこと。ホワイトやブラックのグロス塗装のツヤ感をしっかり伝える写真を撮るのは難しいのだが、フェンダーやボンネット、リアまわりに独特のツヤが見て取れる。これは、元々の模型もきっちりとした塗装で仕上げられており、それを気を配って撮影することで、美しい写真作品に仕上がっている。

 塩川氏のコメントによれば、「『86』と言えば、白黒パンダのAE86をイメージして塗装してみました。内装も当時の初期型色の茶色系で仕上げました。組立はストレートで十分で手を加えませんでした」とのことだが、ボディーカラーとインテリアカラーの対比もきれいで、ダッシュボートとシートのカラーの使い分けなど、センスを感じる部分だ。

 Car Watch賞の賞品は、Car Watchと同じインプレスグループに属するインプレスジャパンが発売予定の「できるWindows 8」。2012年10月26日のWindows 8発売日と同時発売を目指して制作中の新刊となり、書籍発売後、両氏にお届けする。

 「トヨタ86」「スバルBRZ」模型コンテストには、たくさんの応募があり、各賞の詳細などが、タミヤのWebサイト(http://www.tamiya.com/japan/cms/newstopics/1954-result.html)で公開されている。ぜひ、多くの力作をご覧になっていただきたい。

(編集部:谷川 潔)
2012年 10月 1日