パイオニアが高性能サイクルコンピュータを「サイクルモード 2012」に参考出展
2013年に発売予定。GPS搭載サイクルコンピュータがトレンドに

サイクルモード インターナショナル 2012に出展したパイオニアブース

2012年11月2日~4日開催
入場料:前売り1000円、当日1200円、高校生以下無料



 日本最大のスポーツ自転車フェスティバル「サイクルモード インターナショナル 2012」が11月2日、幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で開幕した。サイクルモードは、自転車や関連製品の展示会だが、その特徴は自転車や最新製品に試乗できること。試乗可能な自転車は、各出展者が用意し、幕張メッセ内に設けられた試乗コースを走ることができる。

 試乗可能な自転車は、下は数万円のものから上は百万円クラスのものまで。ロードバイクや、MTB(マウンテンバイク)、変わり種自転車などが用意されている。入場料は前売り1000円、当日1200円、高校生以下無料。11月2日、3日は女性限定の500円チケットが用意されている。

サイクルモードでは、各社が最新の自転車を展示。多くの製品に試乗することができる
ブリヂストンのスポーツ自転車ブランド「アンカー」。レース用自転車から、街乗り用自転車まで展開する。カラーオーダーシステムがウリとなっている

 これら自転車に搭載されるアイテムとして人気を集めているのがサイクルコンピュータだ。自転車には速度計などがついていないものがほとんどで、サイクルコンピュータは各種センサーを自転車に取り付け、その信号を演算。時刻や速度といった基本的な情報から、クランクの回転数(ケイデンス)、心拍数なども表示可能になってきている。とくにここ数年はGPS搭載サイクルコンピュータの登場により、地図の表示やナビゲーションまで行えるものが揃ってきた。

 カーナビや音響機器で知られるパイオニアもこのサイクルコンピュータの分野に参入。すでに発売しているサイクルナビゲーション「ポタナビ」(SGX-CN700-W、SGX-CN700-K)に加え、アスリートモデルのサイクルコンピュータと関連製品の展示を行っていた。

 ポタナビは3G通信ユニットを内蔵するGPSサイクルコンピュータ。速度や走行距離はもちろん、付属のANT+(アントプラス)ケイデンスセンサーにより、クランクの回転数の取得が可能となっている。ちなみにANT+は、2.4GHz帯を使用した無線通信の仕様で、各社からさまざまなセンサーが製品化されている(どのセンサーが使えるのかは、ユニット同士の対応プロファイルによる)。

パイオニアのポタナビ。3G通信機能を持ち、ナビゲーションまで行えるケイデンス画面。クランクの回転数を表示

 参考出品となっていたのが、Cycle Sports アスリートモデルと名打たれた「サイクルコンピューター」と「ペダリングモニターセンサー」。いずれもロードバイクでレースを行うプロ選手や実業団選手の使用を想定しており、サイクルコンピューターはGPS、気圧計(斜度、標高)、温度計内蔵し、ANT+に対応。ペダリングモニターセンサーは、サイクルコンピューターと一対なって使われることになる。

 このアスリートモデルサイクルコンピューターの優れている点は、ペダリングの力のかかり具合を図で表示できること。ペダリングモニターセンサーは、クランクに取り付けられ、クランクの歪みを検出。その歪み量を演算することで、正しい方向にペダルを踏めているかが分かるようになっている。ロードバイクなどでは、ペダルと靴を金具(クリート)で接続して、踏み込み時だけでなく、引き上げ時にも力をクランクに伝えることができるようになっているが、それらにももちん対応。回転に寄与する力を赤で、じゃまする力を青で、無駄な力を白で図示し、ケイデンス、パワー(単位:W)、ペダリング効率を表示する。

参考出品のCycle Sports アスリートモデル サイクルコンピューター。右と左のペダリング状態が表示されているペダリングモニターセンサーが取り付けられたクランク
ペダリングモニターセンサーの通信ユニットクランクの裏には歪みセンサーが取り付けられている
センサーが組み込まれたBB(ボトムブラケット)
ケイデンスやパワー、ペダリングベクトルが表示されているログの記録も可能。グラフ化も行え、PCと連携することもできる気圧などの表示も可能

 現在、プロチーム「エキップアサダ」と共同開発しており、2013年の発売を目指している。国内販売も行われるが、自転車のプロチームの多い、欧州での販売も行われる。

 このサイクルモードでは、各社のGPS搭載サイクルコンピュータを見ることができる。ユピテルは、昭文社の「MAPPLEデジタルデータ」地図を搭載したハンディGPSマップ「ASG-CM31」を中心に展示。ANT+(スピード、ケイデンス、ハートレート)に対応し、液晶もタッチパネルとなっている。

 また、ハンディGPS機器メーカーとして有名なガーミンもブースを設置。ANT+対応GPS搭載サイクルコンピュータ「Edge800J」を中心に、各種のGPS搭載機器の展示を行っている。

 シンプル画面のANT+対応GPS搭載サイクルコンピュータを展示していたのは、キャットアイのブース。キャットアイはサイクルコンピュータの老舗メーカーで、自転車用のヘッドライトやテールランプでも知られているメーカーだ。「ステルス 50」では、ANT+のスピード、ケイデンス、ハートレート、パワーに対応。内蔵GPSでデータログも取ることができ、専用Webサイトで走行ルートなどを閲覧できる。

ユピテルのASG-CM31。10mスケールの地図から収録されているガーミンのEdge800J。地図表示もできるが、サイクルコンピュータとしての基本機能の高さがウリ
キャットアイのステルス 50(左)。ANT+に対応しないGPS搭載サイクルコンピュータ「ステルス 10」(右)もラインアップANT+対応のスピードセンサーや心拍センサーなど

 サイクルモードは、自転車の展示・試乗が主の展示会だが、最新のサイクルコンピュータを見て回るのもよいだろう。パイオニアは、Cycle Sports アスリートモデルを搭載した試乗車も用意しており、期間中のブースではペダリング能力のランキングを実施。その結果をWebサイト(http://cyclo-sphere.com/cyclemode2012)で公開している。足自慢の方は、挑戦してみるのもよいだろう。

パイオニアのブースでは、ペダリング能力のランキングを実施ペダリングの結果がWebに転送され、他人との比較が行える

(編集部:谷川 潔)
2012年 11月 2日