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NEXCO中日本、東名高速 愛鷹PAのトイレをリニューアル
待ち合わせに便利なトイレロビー設置。駿河湾や愛鷹山を眺望できるテラスも
(2013/4/2 10:00)
NEXCO中日本(中日本高速道路)は4月1日、東名高速道路 愛鷹PA(パーキングエリア)のトイレをリニューアルオープンした。オープンに先立ち、リニューアルの内容を報道陣に公開する現場取材会が行われた。取材会では施設・関連事業担当の伊藤佑治氏が説明を行った。
愛鷹PAは沼津IC~富士IC間に位置し、下り線は大型51台/小型31台、上り線は大型46台/小型28台/兼用7台のパーキングスペースを備える。
リニューアルオープンしたトイレは上下線でコンセプトが異なり、下り線は海を、上り線は山を意識したデザインとした。そのため、下り線では駿河湾を眺望できるテラスが、上り線では主に富士山で採れた溶岩石を使ったテラスが用意される。
上下線ともにトイレ前に待ち合わせに便利なトイレロビーを設置。高速道路情報などを確認できるモニターや、壁沿いにベンチシートを設け、ゆっくりと待ち合わせできるようになった。壁面では消臭効果のあるホタテ貝殻ともみがらを使った天然素材のリサイクル内装を初採用するとともに、アロマディフューザーを設置して消臭効果を高めた。
男性トイレでは、改装により幼児用の小便器を1つ追加するとともに、大便器を1つ新設。男子用小便器は8つと変更ないが、大便器は1つ追加して計5つとなった。洋式トイレでは着替え台や幼児用の便座が用意されるほか、オストメイト(人工肛門保有者)対応となっている。また、愛鷹PAはトラックの長距離ドライバーが多く利用することから、シャンプードレッサーを新たに設置した。
男性トイレに入ると上部にモニターが設置してあることに気づく。このモニターではトイレ全体のレイアウトが把握できるようになっており、小便器や大便器の数が一目で分かるようになっている。さらに大便器用の扉部にはセンサーが備わり、扉を閉める(使用中)と赤く、開く(空き)と青く光るLEDランプが用意される。
また、女性トイレでは改装前から3つ増やし、13の便器を設置。通常の洗面器とともに専用に設けられたパウダールームがあったり、更衣室があったりと、女性のニーズに応えた作りに仕上がっている。この女性トイレは手洗いを行う4つの洗面器を中央とし、両側に個室を備えるが、男性トイレのLEDランプとともに入り口に設置するモニターで空き情報が分かるようになっている。そのほか幼児が利用できる小便器も1つ用意している。
このほか、視線誘導を用いたブース利用頻度の平準化への取り組みも行っている。一般的にトイレに入ってきた利用者は手前の便器を利用する傾向にあるそうで、そのため手前側の便器の故障率が高いと言う。そこで「奥側が明るいと奥に行きやすい」(伊藤氏)という人間の性質を利用し、手前より奥の照明を明るくすることで奥の個室の利用率を高める取り組みが行われている。
また、今回の取材会には間に合わなかったが、トイレ個室の壁面にデザイン画を施し、同様に奥側の個室の利用率を高める取り組みも行われる予定。こちらの取り組みはトイレの好事例を世に広め、トイレ文化の向上を目的とする「グッドトイレ選奨」(2012年)を受賞したそうで、奥に行くにつれシャボン玉が増えていくようなデザインと、木がだんだん成長していくようなデザインの2種類を設定すると言う。
静岡県の横断に新東名高速道路を利用する方が多いかと思うが、東名高速を利用する際は愛鷹PAのトイレに立ち寄って愛鷹山や駿河湾の眺望を楽しんでみてはいかがだろうか。