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首都高、第三京浜と東名高速をつなぐ横浜環状北西線着工式
保土ヶ谷バイパス渋滞を解消し、東名と大黒ふ頭を約20分で結ぶ
(2014/11/11 00:00)
- 2014年11月7日開催
首都高速道路と横浜市は11月7日、第三京浜と東名高速道路をつなぐ横浜環状北西線の着工式を、建設予定の横浜市緑区北八朔町で開催した。林文子横浜市長や首都高速道路 菅原秀夫社長らによる挨拶ののち、関係者一同による鍬入れ式が行われた。
最初に登壇した林文子市長は、「横浜環状北西線は都市基盤強化の根幹をなすもので、災害対策を拡充し、横浜の経済活性化に欠かせない生命線となる道路。横浜市が策定を進める新たな中期4カ年計画では、未来を支える強靱な都市作りを掲げており、横浜環状北西線はこの戦略に欠かせない重要なインフラ。また、地域の皆様に多大なご協力をいただき、事業認可を得てからわずか2年で着手できたことに感謝を述べたい」と語った。
また、首都高速道路 菅原秀夫社長は、「横浜環状北西線は、横浜環状北線と直通することで東名高速と横浜港の所要時間を20分短縮できる。横浜への経済効果はもとより、首都圏全体の防災力の強化に繋がる。横浜環状北線の完成と間を置かずに早期の完成を目指したい。また、工事に際しては安全の確保はもとより、環境に対する配慮も十分に行う」とした。
横浜市会議長 佐藤祐文氏は、「都市インフラの強化は横浜市の成長を持続させるために必要である。慢性的な渋滞を抱える保土ヶ谷バイパスは、横浜市の交通環境にとって大きな課題になっていた。また、住宅地に大型車が進入するといった事例も起きている」とし、これらを解消するために、横浜環状北西線を1日でも早く完成させることが重要と語った。
横浜市幹線道路網建設促進協議会会長 藤木幸夫氏は、「横浜港は能率、信頼、もてなしの心において世界一の評価を受けているが、港と道路の連携がわるいと諸外国から言われている。横浜環状北西線の開通は海外の船会社などからも注目を受けており、本道路の開業は港の国際競争力を高めるためにも重要な施策」と述べている。
地元の緑区山下地区連合自治会会長 荒谷孝道氏は、「北八朔町は梨をはじめとする農業専用地区。地域としては農業や環境への影響を横浜市と協議してきたが、横浜市全体のことを考えて重い決断ではあるが、建設を受け入れることにした。環境に対する配慮を十分にしていただき、道路ができてよかったと思えるようにしていただきたい」と要望を語った。
東名高速から大黒ふ頭までの所要時間は従来の半分に
横浜市道路局長 手塚文雄氏からは、事業に関する説明が行われた。
横浜環状北西線は、現東名高速道路 横浜青葉IC(インターチェンジ)と、現第三京浜 港北ICを結ぶ全長約7.1kmの自動車専用道路で、2021年(平成33年)度の完成を見込む。2016年(平成28年)度に完成予定の横浜環状北線と、将来的にできる第三京浜 港北JCT港北出入り口で結ばれることで、横浜港の大黒ふ頭から東名高速への直通路となる。全長約7.1kmのうち、約4.1kmはトンネル部となり、入り口となる緑区北八朔町と都筑区東方町にそれぞれ換気所が設けられる。
この開通により、交通量の多い保土ヶ谷バイパスの慢性的な渋滞を解消し、東名高速から大黒ふ頭まで従来の半分となる約20分で結ばれる。また、東京外かく環状道路(外環道)との連携により、首都圏から横浜へのアクセス性の向上にも寄与する。さらに、横浜市内や横浜港へのルートが増えるため、災害等における道路ネットワークの信頼性の向上も見込まれるとしている。
なお、地権者などの協力により、北八朔町の用地確保は完了、シールドトンネル区間の約7割の用地も確保済みとのこと。今年度より本線工事が開始される。