試乗記
日産の新型「リーフ」(第3世代)公道試乗 リアルワールドで乗った美点と課題
2026年2月9日 10:00
航続可能距離685kmのトップグレード「B7 G」に試乗
SUVスタイルへと移行した3代目「リーフ」をいよいよ公道で試す。テストコースでの印象はわるくはなかったが、乗り心地がハードだった「アリア」をベースとしたと聞くと「ホントに大丈夫?」と気になっている同業者は多数。
そこで日産が準備したステージは千葉県成田市の空港周辺を巡ることだった。この辺りは荒れた路面が多く、そこをあえて走らせてジャッジせよという。これは自信の表れなのか!?
与えられた車両はトップグレードのB7 G(B7は78kWhバッテリ搭載)というもので、235/45R19サイズのタイヤ&ホイールを装着。これで乗り心地自慢だというからすごい。ちなみに新型リーフは航続可能距離702km(WLTC)というのが話題だったが、それはB7 Xというグレードでタイヤ&ホイールは215/55R18。すなわちB7 Gのタイヤ&ホイールは当然ながら太く重くなっており、航続可能距離は685kmとなってしまう。やや見劣りするが、冷静に考えればたった17km差。旧型のトップグレードは60kWhバッテリ搭載のe+で最大で450kmだったことを考えれば相当な進化といっていい。
さて、いよいよ試乗開始と思ったが、まず配られたのはカギではなくスマートフォンだった。Nissan Connectアプリを体験して欲しいとのことで、アプリで想定したルートを設定。説明会会場からそれをクルマに送信。エアコンをあらかじめ起動させておく、なんてこともできた。実際に乗り込めば複雑なルートを設定する必要もないし、空調は整えられていて快適だった。
今後の発展に大いに期待したい1台
走らせてみるとなかなかリニアで振動もなく超スムーズだ。アクセルは敏感すぎずに応答。BEVだからとインパクト重視にならず、あくまで使いやすさを求めた結果がそこにある。モーターは磁石を6分割し位相をずらしたスキューローター(斜め構造配置)を使うことで、モーターそのものの回転振動を抑えたことも効いているのだろう。
さらにモーター、インバーター、減速機を一体化した3-in-1 EVパワートレーンを使用しつつ、それを載せるメンバーも開口を小さくし、マウントブラケットを短く高剛性にしたことで振動を抑えリニアな応答にも役立っている。いざとなれば最大トルク355Nmをきちんと受け止める。
結果として高速道路の加速車線などでは自由自在。本線への合流もイッキに行なう俊敏さが備わっているから扱いやすい。ちょっとスポーティに加速をした後はプロパイロット2.0を使ってハンズオフドライブだって可能になる。両腕を下ろしてリラックスしながら120km/h巡行も可能。車線維持の仕方にも安心感があり、決してフラつくようなことなく、また制御が途切れることもなく駆け抜けてくれるところが好感触だった。
ただ、気になるところがいくつかある。それは西日に向かって走っている際、ダッシュボードからの照り返しがかなりあったことだ。ダッシュボードを真っ平にし、光沢ある質感にしたことで、まるでベテラン女優バリに顔が照らされる。もしもオービスに撮影されたらシワが飛んで良いかもなんて。ソコは気にしないからテカらない質感にして欲しいところだ。もう1つはドアガラスから聞こえる風切り音が目立っていたことである。遮音ガラスを使っていないらしいが、ほかが静かになりすぎているのだから、その辺りにはコストをかけたほうが良いと感じる。
高速道路を降り、いよいよ荒れたワインディング路に突入する。乗り心地についてはタウンスピードでも高速道路でもしなやかかつフラットに走りなかなか良いなと思っていたが、果たして荒れた路面はどうだろう?
走ってみるとそんなシーンでも見事なまでに入力をいなしていくから感心するばかり。これはシートのウレタン密度を30%もアップさせたほか、ピストンスピードの速い領域において減衰力を下げて突起ショックを低減。さらにはリアサスメンバーブッシュの前後方向には空間を開け入力をいなしている。けれども走りもなかなか。車体ねじり剛性86%、リアマルチリンクサス横剛性66%それぞれ引き上げており、さらにラックアシストの電動パワステを採用することで、これまたリニアに応答するシャシー性能も備えているからうれしい。
ただ、あまりに動くようになったサスペンションのせいなのか、今度はリアのアライメント変化が気になってくる。荒れた路面になるとリアが横方向に動くようなクセがあり、そこが収まらないかとも思えた。コレ、聞けば現在のマルチリンクのリンク数をさらに増やすか、減衰力を引き締めて動かさなくすれば改善できると聞いたが、コストも乗り心地も両立しようと思うといまの落としどころなのだろう。振動も音もないとアレコレと気になるのも事実。やはりBEVって色々と難しそうだ。
とはいえ、それ以外は概ね納得なのも事実。お求めやすいB5仕様もいよいよラインアップしたし、今後の発展に大いに期待したい1台だ。




















