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写真で見る トヨタ「クラウン アスリート」

 トヨタ自動車の「クラウン アスリート」「クラウン ロイヤル」が10月にマイナーチェンジした。マイナーチェンジといえば通常は外見の手直しと装備の一部刷新がメインだが、しかし今回のマイナーチェンジでは「アスリート」にダウンサイジングターボエンジンを採用するとともに、ボディーカラーの充実、ボディー剛性の手直しも行われた。さらに先進装備では「ITS Connect」の初搭載など、外見以外の点の変化は少なくない。

 アスリートに初搭載するエンジンは、直列4気筒 2.0リッター直噴ターボエンジン。最高出力173kW(235PS)、最大トルク350Nm(35.7kgm)で最大トルクは1650-4400rpmで発生する。組み合わせるATが8速であることからも、ダウンサイジングエンジンらしく、トルクのある帯域だけを使って静かにしっかり加速し、加速後は小排気量の低燃費性能を活かして巡航するという狙いが読み取れる。なお、JC08モード燃費は13.4km/L。

 ダウンサイジングエンジンの登場により、アスリートからV型6気筒 2.5リッターエンジンは4WDモデルを残し全廃。反対にロイヤルシリーズはV型6気筒 2.5リッターがそのまま残り、2.0リッターターボエンジンは採用しない。アスリートシリーズはこのほかにV型6気筒 3.5リッターと直列4気筒 2.5リッター+モーターのハイブリッドがあるが、これはマイナーチェンジ前を踏襲する。

 ボディーデザインでは、フロントグリルの変更やテールライトのデザイン変更も行われている。アスリートのフロントグリルは“矢印”風のデザインの下側が大きくなり、グリル自体が大きくなった印象。ロイヤルでもフロントグリルはデザイン変更がなされ、印象が変わっている。

 ボディーの見た目で分からないところでは、最近のトヨタの新型車と同じく構造用接着剤を使った接合部の剛性強化を行い、乗り心地と走りの質感の向上を図ったとしている。

 また、クラウンといえばマイナーチェンジ前のモデルでピンクのボディーカラーが発売され話題になったが、今回は「ジャパンカラーセレクションパッケージ」というオプションを設定。前回のようなはっきりとしたピンクはないものの、淡いピンクの「仄(ホノカ)」や、発表時に中心的に披露された鮮やかなブルーの「天空(ソラ)」など、漢字の名称のボディーカラーを用意した。

 ボディーサイズは4895×1800×1450mm(全長×全幅×全高)。撮影車の重量は天空カラーのアスリートS-Tで1610kg。もう1台のハイブリッド仕様はアスリートGで1680kg。

 初搭載の「ITS Connect」は、760MHzの専用周波数により他のクルマや道路施設と通信し、右折時の事故防止やクルーズコントロールの協調制御を行う。対応車種は今回の新型クラウンが初ということもあり、現在のところは道路上にほとんどない状況。対応の交差点の整備もまだ始まったばかりで、実際の目立った恩恵を受けるのはまだ先となる。

アスリートS-T(直列4気筒 2.0リッター直噴ターボエンジン搭載)

クラウン アスリート S-T、ボディーカラーは「天空(ソラ)」
特徴的なアスリートのフロントグリルだが、マイナーチェンジで形状が若干変わっている。下側の台形が大きくなり、メッキのラインが部分的に途切れているところがある。なお、撮影車のグリルのメッキ部分はブロンズカラーとなっている
ヘッドライトは「Bi-Beam LEDヘッドランプ」。他にデイライト、クリアランスランプ、フォグすべてLED
デイライト点灯
ロービーム点灯
ハイビーム点灯
ターンシグナル点灯、これだけは電球となる
フォグライトもLEDとなる
クラウンの王冠エンブレム。この裏にミリ波レーダーがある
ターンシグナル内蔵のサイドミラー
ドアハンドル。グレードによってボディー同色となるが、撮影車はカラー+メッキとなる
伝統となったCピラーのクラウンエンブレム
ルーフアンテナ
フューエルリッドは左側にある
リアのテールランプにも空気の整流のため凸部がある
テールランプはより円形が強調されるようデザインが変わった
アスリートのガソリン2.0リッターはエキゾーストパイプを見えるように配置。周囲のバンパーはボディー同色となる
テールランプはLEDによるもの
スモールランプ点灯
ブレーキランプ点灯
ターンシグナル点灯。ターンシグナルは電球
バックランプ点灯。こちらも電球で点灯する
直列4気筒 2.0リッター直噴ターボエンジン
ターボチャージャーは左側に装着され、カバー内の紫色に見えるところがターボチャージャーとなる
ターボ用の直噴技術「D-4ST」のエンブレムがエンジンにある
燃費基準の適合を示すステッカー
2.0リッターターボガソリン車に標準装備の17インチホイール。タイヤサイズは215/55 R17
室内。ターボのみの設定でブルーのシートが組み合わせ可能
ステアリングホイール
メーターパネル
シフトレバー。8速ATとなる
ペダル。アクセルはオルガン式。左端の小さいペダルは足踏み式のパーキングブレーキ
エンジンはプッシュスタート
ETC車載器は通常は隠しておけるようになっている。オプションでETC2.0車載器も搭載可能
ダッシュボードのセンター下にメディアスロットを装備
シフトレバー左にカップホルダーを装備
左右どちらにも開くセンターアームレストの収納
フロントシート
助手席シートのリクライニングと前後スライドは運転席やリアシートからも可能
フロントドア内側
オーバーヘッドコンソール
サングラス収納スペースも用意される
ダッシュボードセンターに装備されるナビゲーションを始めとする情報画面。タッチ操作も可能
リアシート
センターアームレストをおろしたところ
アームレストにカップホルダーがある
リアの吹き出し口
リアドアの内側
電動式リアサンシェード
ゴルフバッグが4個収納可能というトランクルーム
トレイ下にはスペアタイヤの代わりに収納スペースがある。オプションでスペアタイヤの選択も可能
メーターパネルセンターの表示。高精細な表示で表現力も高い。
燃費表示も可能
ECO評価もしてくれる
方角表示
同じ車車間通信のシステムを搭載する車両の接近を知らせる
クルーズコントロール表示
表示できる項目は多い
ITS Connect関連の設定
オーディオ関係の表示
右折時にITS Connectの情報を受信、警告が発せられた
主にエアコンの表示をするダッシュボード中央下型のディスプレイ。エアコンの操作は基本的にタッチパネル
走行モードもこちらから。スポーツモードを設定。変更部分が透けて色が付いている
ノーマルモード
エコモード
スノーモード。雪が降っている様子を図で表現
ソナーの動作設定
リアサンシェードも開閉もこちらから
アイドリングストップ機能の動作状況もこちらから
画面設定
エアコンの細かい設定もタッチパネルで行う。運転席、助手席で異なる設定にもできる

クラウン アスリート G(ハイブリッド)

直4 2.5リッター+モーターのハイブリッド仕様。ボディーカラーは白光(こがね)
ハイブリッド仕様の青が入ったクラウンのエンブレム
タイヤは17インチ
テールライト
ハイブリッド車のリアバンパー下部はブラックとなり、エキゾーストエンドは下向きで後方から見えない
撮影車は360度方向が映し出されるパノラミックビューモニターを装備しているため、フロントのナンバー上にカメラを装備
サイドミラーの下側にもカメラを装備
リアにもバックビューカメラを装備
インテリアは本革で、カラーは「こがね」
リアシート
フロントシート
トランクルーム。ガソリンエンジン車よりも奥行きなどが異なり若干狭い
パワーユニットは直列4気筒 2.5リッター+モーターのハイブリッド仕様、最高出力は131KW(178PS)/6000rpm、最大トルクは221Nm(22.5kgm)/4200~4800rpm、JC08モード燃費は23.2km/L
ハイブリッド仕様ではタコメーターがなく、充放電状態を知らせるハイブリッドシステムインジケーター
メーターパネル中央のディスプレイでは各種表示や設定ができる
ハイブリッド仕様では、車両接近通報装置をON/OFFするボタンが右側にある。エアコンなどを設定する
リアビューカメラの映像。ステアリングの切れ具合をふまえて黄色い線で予測線を表示
パノラミックビューモニターの設定
障害物を立体的に表示することが可能
実際にはこのようにカラーコーンを置いた

(正田拓也/Photo:安田 剛)