写真で見るボルボ「C70」


 オープンモデル「C70」は、1997年に日本に導入。2006年にフルモデルチェンジを実施してから初となるデザイン変更を4月に実施した。それに伴い、「C70 2.4i SE」「C70 T5 TE」の2グレード体制から「C70 T5 GT」の1グレードに統一している。

 2009年8月に登場したXC60以降、ボルボはデザインを刷新した。同社はこれを“次世代のデザイン”と呼び、デザイン変更前のモデルが100m先からボルボと分かるものだとしたら、「次世代デザインのボルボは200m先からでも分かるもの」と主張するように、エクステリアデザインはよりブランド主張の強まったデザインになった。

 V字に型どられたフロントフェイスには大型のアイアンマークをあしらい、切れ長のヘッドライトとフォグランプまわりの装飾は上向きになるとともに、リア方向に流れる造形を施した。リアまわりは楕円形で囲まれる造形とし、クルマを低く、どっしりとした印象を受けるデザインになった。

 ルーフは3分割リトラクタブル・ハードトップを採用。ルーフ開閉に要する時間は約30秒と少々待たねばならないものの、ルーフを開ければオープンエアーを堪能でき、クローズすればクーペの表情を楽しむことができる。

 インテリアは高い静粛性を体感できるほか、大人4名が座れる座席スペースを確保。従来モデルではC30やXC60などと共通デザインのダッシュボードが与えられていたが、新たに専用デザインを採用。ダッシュボード上部はなだらかなラインを描き、材質は柔らかなソフトパット材を使用する。あわせてシボのデザインも独自のものが与えられている。

 また、ボルボ独自のセンターコンソール「フリーフローティング・センタースタック」は標準でアルミニウムを採用するが、明るい色から暗い色にグラデーションで変化する「オイスター・バースト」と「ノルディックライトオーク・ウッドパネル」をオプションで設定する。

 エンジンはターボチャージャー付き直列5気筒2521ccの「B5254」。最高出力は169kW(230PS)/5000rpm、最大トルクは320Nm(32.6kgm)/1500-5000rpmで、10・15モード燃費は9.3km/Lとした。5速ATを介して前輪を駆動する。

 ボディーカラーはブラック、アイスホワイト、シルバーメタリック、ブラックサファイアメタリック、バレンツブルーメタリック、マジックブルーメタリック、セレスチャブルブルーメタリック、エレクトリックシルバーメタリック、バニラパールの全9色を設定。

 単一グレードのC70だが、オプションとして「ラグジュアリー・パッケージ」を用意する。これは内外装の装備充実を図ったもので、標準で装備されるレザーより上質なプレミアム・ソフトレザーシート(セミアニリンレザーシート)や本革巻きステアリング/シフトノブ、プレミアムサウンド・オーディオシステム、18インチアルミホイールのほか、斜め後方死角の警報システム「BLIS(ブラインドスポット・インフォメーション・システム)」、盗難防止警報システム「ボルボ・ガード・システム」などをまとめたパッケージ。これだけの装備を追加しながら価格は40万円と、実に魅力的な内容に仕上がっている。

オープン状態。ボディーサイズは4615×1835×1405mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2640mm。乗車定員は4名。撮影車両はラグジュアリー・パッケージ装着車で、ボディーカラーはバニラパール
クローズ状態。ルーフはスチール製の3分割リトラクタブル・ハードトップを採用し、弧を描くようにトランクルームへ収納される。ルーフ開閉の所要時間は約30秒


ルーフ開閉の様子

ボルボ伝統のVシェイプデザインが施されるフロントフェイスC70のアイアンマークは大型化ヘッドライトは自動光軸調整機構付きデュアル・キセノン。従来のキセノンヘッドライトより視界を約230%拡大したと言う。急な加減速をしても適正な照射角を維持する
ラグジュアリー・パッケージ装着車は、18インチアルミホイールを装備。タイヤサイズは235/40 R18サイドウィンカー付きドアミラーは、リモコンで点灯可能なグラウンドライトを内蔵。くもり止めのヒーターも付く。カメラはBLIS用のもの
グリップタイプのドアノブ。リモコンキーから施錠/解錠を行えるテールランプ内には24個のLEDを配置。50km/hを越えた状態で急制動するとブレーキランプを毎秒4回の速さで点滅し、後続車に警告を行うアダプティブ・ブレーキライトを装備
フューエルリッドを開いてみる。使用燃料は無鉛プレミアムガソリンリアまわりは楕円形で囲まれる造形吸排気バルブ双方に連続可変バルブタイミング機構「デュアルCVVT」を備える直列5気筒2521cc ターボエンジン
「C70」のエンブレムは車体左側のテールレンズ下「T5」のエンブレムは車体右側のテールレンズ下

撮影車はラグジュアリー・パッケージ装着車で、インテリアカラーはオフブラック、シートはカカオの組み合わせドアの一部はシートカラーと同色にコーディネート。収納スペースも設けられる
プレミアム・ソフトレザーシートは、ボルボのなかでも最上級のものだと言う。カラーはカカオのほかにカルサイトクリームも用意されるリアシートは26度傾斜し、ゆったりともたれることができる。フロントシートをスライドさせるイージーエントリー機能により乗降性も高めている運転席、助手席ともに8ウェイパワーシート。3人分のドライビングポジションを記憶できる
C70はスマートキーシステムを採用しており、インパネ内のスターターをまわせばエンジンをかけられるステアリングのボタンでクルーズコントロールの調整やオーディオなどの音量調整が行える
メーターパネル内の表示。瞬間燃費や平均燃費、平均速度、走行可能距離などの表示が可能
フリーフローティング・センタースタックは標準のアルミニウム。オーディオやエアコンの調整が可能フリーフローティング・センタースタック裏には小物を置けるスペースが用意される
ルーフ開閉スイッチの隣にシガーソケットBLISのON/OFFスイッチ。BLISはドアミラーに内蔵するカメラで車両側方を監視し、死角に入った車両が接近してくるとフロントドアポストに内蔵したランプが点灯し、ドライバーに警告を行うBLISの警告ランプ
センターコンソールの収納。USBポートも備える前席用カップホルダー
ライトスイッチ。フューエルリッドの操作スイッチもここにあるルームランプパイオニア製のHDDカーナビは標準装備
自動防眩機能付きルームミラーはコンパス機能を内蔵(ラグジュアリー・パッケージ)バニティミラーは照明付き運転席側のドアに設けられるスイッチで各ウインドーの開閉、ドアミラーの角度調整などが行える
ドアの解錠/施錠もできるドア下部には収納スペースATなので2ペダル
キッキングプレートにはVOLVOのロゴトランスミッションは5速AT。手動でシフトアップ/ダウン操作も行える後席のカップホルダー
運転席側のシートバックポケットROPS(ロールオーバープロテクションシステム)。横転事故発生時に瞬時にロールバーが飛び出し、搭乗者をサポートする。ROPSが作動すると、ドア内蔵型インフレータブル・カーテンおよびプリテンショナー付き3点式シートベルトも連動して搭乗者の頭部保護を行うトランクスルー機構を設け、長尺物の積み込みも可能。室内を汚さないためのバッグも付く
ルーフオープン時にトランクから荷物の出し入れを行う際、収納されたルーフ類の開口部側を約20cm程持ち上げ、クローズ状態でも荷物の積み下ろしを容易にした

(編集部:小林 隆 / 堤晋一)
2010年 6月 3日