写真で見るMINI「クロスオーバー」


 MINIハッチバック、MINIコンバーチブル、MINIクラブマンに続き、新たにMINIファミリーの一員に加わったのがMINIクロスオーバー。

 前3車が2ドアハッチバックまたは変則3ドアボディーだったのに対し、クロスオーバーはファミリー初の4枚ドアを採用。そのため、ボディーサイズは4105×1790×1550mm(全長×全幅×全高)と、ひと回り以上大きくなっている(ちなみにMINIハッチバックのワンは3740×1685×1430mm)

 外観は基本的にはMINIらしさが感じられるものとなっているが、ヘッドライトやフェンダー部のサイドインジケーターまわり、ルーフおよびサイドウインドー形状など、随所にオリジナリティを盛り込んだ仕上がりとなっている。

 エンジンは全車1.6リッターの直列4気筒DOHCユニットを搭載するが、グレードによってスペックが異なる。ベーシックモデルの「ワン」には72KW(98PS)/6000rpm、153Nm/3000rpmを発生する自然吸気ユニット。「クーパー」も自然吸気ユニットだが、90KW(122PS)/6000rpm、160Nm/4250rpmと若干ハイチューンなスペック。もっともホットなモデルに位置づけられる「クーパーS」に搭載されるユニットは、ツインスクロールターボにより、135kW(184PS)/5500rpm、240Nm/1600-5000rpm(オーバーブースト時は260Nm)のハイパワーを実現している。

 駆動方式はほかのモデル同様に前輪駆動が基本となるが、「クーパーS」にのみMINI初の4輪駆動システム「ALL4」採用した「クーパーS ALL 4」を設定。「ALL4」は、電子制御の多板クラッチにより、路面状況に応じて自動的に前輪、後輪への駆動配分を行うもの。

 トランスミッションは全モデルに6速ATと6速MTを設定。MT車および「クーパーS」のAT車にブレーキ・エネルギー回生システムを搭載するほか、MT車には「エンジン・オートマチック・スタート・ストップ機能」を搭載。信号待ちなどで停車した際にギアをニュートラルにしてクラッチを戻すとエンジンが自動停止、クラッチを踏み込むと自動的にエンジンを始動してくれる。

 これらによりMT車は「平成17年排出ガス規制基準75%低減レベル」および「平成22年度燃費基準+25%」を達成。エコカー減税対象車となり、取得税と重量税が75%軽減される。AT車は「クーパーS」のみ「平成17年排出ガス規制基準50%低減レベル」および「平成22年度燃費基準+15%」を達成。取得税と重量税が50%軽減される。

 MINIファミリーならではの豊富なカラーバリエーションも継承。まず、基本スタイルとして「ワン」はボディー同色ルーフとつや消しブラックのドアミラーキャップに、それ以外のモデルはブラックのルーフ&ドアミラーキャップまたはホワイトのルーフ&ドアミラーキャップの組み合わせが基本だが、オプションでボディー同色ルーフも選択できる。ボディーカラーはライト・ホワイトなどソリッドカラーが5色、オックスフォード・グリーンなどのメタリックカラーが6色の計11色。

 そのほか、シート表皮の素材やドアトリム&アームレストのカラーも複数が用意され、好みに応じて選択することが可能。

 価格は「ワン」が265万円/278万円(6速MT/6速AT、以下同)、「クーパー」が299万円/312万円、「クーパーS」が345万円/358万円、「クーパーS ALL 4」が366万円/379万円となっている。

 撮影車両のボディーカラーは「クーパー」がサーフ・ブルー、「クーパーS ALL 4」がライト・ホワイト。

クーパー

ルックスはハッチバックに似たもの。写真ではサイズが掴みにくいが、実車を前にするとかなり大きなボディーであることが実感できる。車高は欧州仕様では1561mmだが、日本仕様は1550mmとタワー式駐車場に入るサイズに調整されている

 

ヘッドライトは手前にウインカー、奥にライトユニットの組み合わせはハッチバックと同様。ただし、形状は楕円タイプからちょっとエッジがある立体的な形状に変更された。ホワイトタイプのターンシグナルレンズはオプション「ワン」と「クーパー」には一般的なハロゲンヘッドライトが標準。バイキセノンもオプションで選択可能
「クーパー」以上のグレードにはポジションランプと一体のフォグランプが標準装備となる
似ているようでどのモデルとも異なるリアコンビランプは初代R50型に近い雰囲気。ヘッドライト同様に奥行きのある立体的な造形となっている。リア・フォグ・ランプも内蔵
リアコンビランプの点灯パターン。左がブレーキランプのみ、中央がウインカー点灯時、右はさらにバックランプも点灯した状態

 

エンジンは1.6リッター自然吸気の直列4気筒DOHCユニット。可変バルブタイミング機構などを採用し、90KW(122PS)/6000rpm、160Nm/4250rpmを発生するボンネットフードはヘッドライト部分がくり抜かれた独特の造形自然吸気エンジンを搭載するモデルはシングルタイプのテールパイプとなる
タイヤサイズは205/60 R16。クーパーS ALL4はランフラットタイヤが標準、そのほかのグレードはオプションとなる。ホイールは16インチの5スター・シングル・スポークが標準。「ワン」はタイヤ&ホイールサイズは同様ながらスチールホイールが標準フェンダーのアクセントとなるターン・シグナル・ランプ。通常はレンズそのものがオレンジ色だが、撮影車にはオレンジバルブを採用するホワイトタイプが装着されていた(オプション)ルーフにはルーフ・レールを標準装備。「ワン」と「クーパー」はつや消しシルバーとなる
サイドドアハンドルはメッキタイプ給油口は手動開閉式。キャップにもロックがないタイプだリアゲート右側にグレードを示すエンブレムが装着される

 

インパネまわりの造形は基本的なエッセンスは他モデル同様ながら、クロスオーバー独特のもの。センターメーターがより強調されたイメージだミニならではのトグルスイッチは健在。「クーパー」以上のグレードにはオートエアコンが標準となる
「ワン」と「クーパー」にはスタンダードタイプのシートが標準。乗車定員も基本は4名で、5名乗車はオプションとなる4名乗車モデルにはセンター・レール・システムを採用。カップホルダーや小物入れなど、必要な装備を選んで自由な位置にセットできる。写真のスルー・タイプのほか前後席で分割され、後席で左右に移動できる2ピースタイプもオプション設定する
5名乗車モデルの場合はセンター・レール・システムはフロントのみのショート・タイプとなるが、中央部をアームレスト的に使えるなどのメリットも。シートスライドは全席独立ではなく左右分割タイプ

クーパーS ALL 4

「クーパーS ALL4」はフロントグリルやリアバンパーなど、専用エクステリアを採用し差別化が図られている

 

エンジンはツインスクロールターボチャージャー付きとなるほか、可変バルブ・タイミング、可変バルブ・リフトなど採用。135kW(184PS)/5500rpm、240Nm/1600-5000rpmと高出力化が図られているタイヤサイズは205/55 R17。標準ではスター・ダブル・スポークのシルバータイプだが、撮影車両はオプションのスター・ダブル・スポーク・コンポジットのアンスラサイトカラーを装着。タイヤはランフラットテールパイプはクローム仕上げのデュアルタイプ
ハニカム形状のグリル、その下のセンター・エア・インテーク、ブレーキ用エアダクトを配したロワー・エア・インテークなど、フロントマスクは力強さとパフォーマンスの高さを感じさせる造形フロントドアにはALL4のエンブレム。フロントフェンダーのサイドターンランプ部にもSのエンブレムが装着されるなど、ノーマルモデルとの違いを強調
ドアミラーキャップはルーフと同色が基本で、ブラックまたはホワイトが選択可能。オプションでボディー同色やクローム仕上げも選べるホワイト・ターン・シグナル・ランプは標準装備
ヘッドライトはバイキセノンタイプが標準。コーナリング時に照射範囲を自動的に調整するアダプティブ・ヘッドライトがオプションで用意されている
Cピラーから後ろはルーフが少し下がっている「ヘルメットルーフ」がクロスオーバーの特長グレードを示すエンブレムは他のグレード同様リアゲート右側。バンパー部の丸いのはオプションのパーク・ディスタンス・コントロール用センサーマウント部を日本仕様専用形状としたアンテナ。これにより全高が11mm低くなり、立体駐車場にも駐車可能な1550mmを実現している
ルーフ同色のリアスポイラー。「クーパーS」系グレードのみ若干大型化したスポーツタイプを装着するリアゲートのオープナーはMINIのロゴ部分全8モデル中、5モデルがエコカー減税対象車。撮影車両はAT車だったため対象外

 

ステアリングは3本スポークとなるスポーク・スポーツ・レザー・ステアリング・ホイール。AT車のみシフト・パドルが装着される。スポーク部にマルチファンクション・スイッチが付くタイプもオプションで選択可能センターメーターはハッチバックと同様のデザインステアリングコラムに装着されるタコメーター。上部ディスプレイは時刻や外気温など、下部はオンボードコンピューターのディスプレイで平均速度やシフト・ポイント・インジケーター(MT車のみ)などの表示が可能
イグニッションキーはMINIシリーズに共通したもの。スタート/ストップをボタンで行うのも同様グローブボックスの容量は車検証プラスアルファといった程度シフトレバーにもSのロゴ入り。スポーティなシフトチェンジが楽しめるステップトロニック・モードを備える
サイドブレーキレバーは独特な形状だが操作感はかなりイイアクセル、ブレーキおよびフットレストにはアルミタイプのカバーが付くセンターコンソールまわりは「クーパー」と大差なし。最下部のセンター操作パネル、右から3番目にある「SPORTS」ボタンはオプションで、選択するとステアリングとアクセルペダルのレスポンス、シフトタイミングがスポーティーに変更される
シートはスポーツタイプが標準。ちょっとクラシカルなムードのカーボン・ブラック「レザー・ラウンジ」表皮はオプションセンター・レール・システムに装着されるセンター・アームレスト(オプション)。3段階の高さ調整が可能で、内部は小物入れになっている
4名乗車仕様車に装着されるセンター・レール・システム。撮影車にはセンター・アームレストやカップ・ホルダー、メガネ・ケースなどが装着されていた。オプションのライト・パッケージを装着すると内側を様々な色調でライトアップすることが可能シフトレバー後方にはポータブル音楽プレーヤーなどで使える外部入力用端子を用意オプションのストレージ・パッケージを選択すると、フロントシート後方中央下部に後席用12Vソケットが付く
ルーフにはマップランプのほか、イルミネーション類のON/OFFスイッチなどを配置運転席、助手席ともサンバイザー裏にはバニティミラーとランプを用意前後2分割の電動ガラスサンルーフはオプション。直射日光を防ぐローラー・ブラインドも装備
フロントドア。パワーウインドーのスイッチはセンターコンソールに配置されるため、アームレスト部にはドアミラーの操作スイッチのみが用意されるサイドシルには専用のスカッフプレート
4名乗車仕様のリアシートは左右独立してリクライニング&スライドが可能
MINIファミリー初のリアドア。フロントドアから連続する楕円をモチーフとしたデザインが施されているドアマウントされるハーマンカードン製スピーカーはオプション。合計10個のスピーカー合計の最大出力は640Wで、臨場感あふれるサウンドが楽しめるリアドア用のパワーウインドースイッチ。フロントと同じくトグルスイッチタイプを採用するなどこだわりが感じられる
ラゲッジスペースはリアシート使用時で350L、未使用時には1130Lが確保されている
標準装備のラゲッジ・セパレーション・ボードを使用することで、ラゲッジスペースの荷物がパッセンジャースペースに溢れるのを防ぐことが可能。その際もフラット・ロード・フロアによりフラットなラゲッジスペースが確保されるボード下部にもラゲッジスペースが用意されている
ラゲッジルームにもDC12Vのアクセサリーソケットを用意5名乗車仕様のラゲッジルーム。写真では下部の収納スペースが見えているが、本来はフラット・ロード・フロアによりラゲッジはフラットになる

 


写真で見る バックナンバー
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(安田 剛)
2011年 2月 21日