写真で見るシトロエン「DS4」


 2010年のパリショーで初公開された5ドアクーペのシトロエン「DS4」。

 シトロエンではラインナップを「C」シリーズと「DS」シリーズで構成。前者はシトロエンの伝統を継承するどちらかといえばコンサバティブなモデル、後者が大胆な発想によるクルマ作りを行うモデルと位置づけている。

 また、CもDSも、型番はコンパクトな「3」、ミドルサイズの「4」、フラッグシップの「5」となっており、ここからDS4の立ち位置を想像すれば「大胆な発想によるミドルサイズのクルマ」ということになる。

 どのくらい大胆なのかといえば、先に発表された「C4」と比較すると分かりやすい。フロントマスクやルーフラインなど基本的な造形はよく似ているものの、全長は55mmも短く、全幅は逆に20mm広い。加えて全高は45mmアップされており、目立たないようデザインされたリアドアと相まって、SUV風のマッシブなフォルムを演出。街中に違和感なく溶け込むC4とは異なり、人目を惹きつける強烈な個性を醸し出しているのだ。

 パワートレインは直列4気筒DOHC1.6リッターエンジンで、自然吸気ユニットはなくターボユニットのみ。スポーツモデルの「Sport Chic」(スポーツシック)には147kW(200PS)を発生するハイパワータイプを搭載する。

 トランスミッションはベーシックグレートの「Chic」(シック)は6速シングルクラッチAT「EGS」だが、スポーツシックは6速MTに。さらに18インチオーバーのタイヤ装着を前提としたギアレシオの採用や、ブレーキも大径化が図られるなど、スポーティカー並のスペックとなっている。

 サスペンションはC4と同じフロントがストラット、リアがトーションビーム。ただし、スプリングとダンパーは7~10%、リアのトーションビームは約25%強化されている。同時にスタビライザーも強化されるなど、専用セッティングが施されている。

 グレードは前述したようにシックとスポーツシックの2タイプ。車両価格はシックが309万円、スポーツシックが345万円。ボディーカラーは全6色で、「ブラン ナクレ(白系)」と「ノアール ペルラネラ(黒系)」には、スポーティなエクステリアパーツとツートンレザーシートが含まれるパッケージオプション「パックペルソ」が用意される。

DS4 スポーツシック

スポーツシック。撮影車両のボディーカラーはブラン ナクレ

 

 

ダーククロームのダブルシェブロンは「パックペルソ」オプションに含まれる。ボンネットにはDSエンブレムが付くドアミラーは熱線入り電動格納タイプ。リバース連動機能も付く。クロームドアミラーカバーは「パックペルソ」オプションに含まれるドア部のカラーサイドモールはスポーツシックのみ装着
Bピラー上部にもDSエンブレムリアのドアハンドルはブラックアウトされた部分に配置され、3ドアに見える。リアドアの開き方も特徴的
フューエルリッドは右側。給油口はキャップレスタイプだ丸みを帯びたリアエンドはボリューム感タップリ。リアワイパーも装備マットブラックのルーフスポイラーはパックペルソによる装備。ノーマルはボディー同色になる
リアセンターには「DS」と「4」をデザイン化したエンブレムとシトロエンのロゴフロント&リアバンパーには障害物を感知するための超音波センサーを内蔵
ヘッドライトはバイキセノンタイプ。コーナリング方向に15度向きを変えるディレクショナル機構も内蔵
ポジションランプはフォグランプ内の外縁に。フォグランプはウインカーやステアリング操作により点灯するコーナリングライト機能付き
独特な表情を持つリアコンビネーションランプ
リアフォグランプはコンビネーションランプと分離した単独タイプ
アンテナはねじ込み式のロッドタイプテールゲートは傾斜角が強いフロントワイパーは外側支点で中央交差するタイプ
エンジンは吸気タイミングとバルブリフト量を可変とするVTiなどにより147kW(200PS)、275Nmを発生するハイパワー型を搭載タイヤは225/45 R18のミシュラン「パイロットスポーツ3」
ブレーキまわりはスポーツシック専用チューン。ディスク径はフロント340mm、リア290mmで、パッドも大面積で材質が異なる専用品。マスターシリンダー径は25.4mmに拡大されているエキゾーストパイプはバンパーに組み込まれクロームデコレーションが施される

 

インパネまわりはC4とほぼ同じデザイン。CDプレーヤー付き6スピーカーオーディオは標準だが、カーナビはオプションステアリングにはクルーズコントロールなど各種スイッチを装備
シフトレバーは丸形。バックギアはノブ下のリングを引いて入れるタイプ。パーキングブレーキは電動式で、電源OFFによる自動作動やヒルスタートアシストも装備するMTなので当然3ペダル。ペダル表面はレーシーなアルミタイプ
メーターパネルは中央部と左右を独立してカラー調節が可能。調整幅はホワイトからブルーの5段階ずつとなる
ウインカーの作動音を4パターンから選択できるC4にはないドアハンドル。グリップ部のDS模様エンボスガーニッシュはパックペルソ専用トリム。ノーマルのスポーツシックはアルミトリムとなる
インパネ右にはフューエルリッドオープナーのほかパーキングアシスト、チャイルドロックなどのスイッチパネルを配置
シートは標準でレザーシート。撮影車両はオプションのパックペルソを選択しているのでツートーンタイプとなっているスポーツシックではアクティブランバーサポートに加えシートヒーターも標準装備フロントのサイドシルには専用デザインのドアステップガードを装着
リアシートもツートーンカラーとなる

シック

撮影車両のボディーカラーはブラウンヒッコリー

 

スポーツシックとの違いが分かりやすいのはホイールデザインとカラーサイドモールの有無

 

ノーマルモデルのダブルシェブロンはメッキ仕上げバイキセノンタイプのヘッドライトとコーナリングライト機能付きのフォグランプはこちらも標準フォグランプ外縁にはLEDポジションランプ
カラーサイドモールがないためすっきりとした感じのサイドビュー標準装備のリアスポイラーはボディー同色1.6リッターのツインスクロールターボ付きDOHC16バルブエンジンを搭載。ベーシック仕様とはいえ115kW(156PS)、240Nmのスペックは十分スポーティ
タイヤは215/55 R17のミシュラン「プライマシーHP」ブレーキディスク径はC4の上位グレードエクスクルーシブと同じフロント302mm、リア268mm。マスターシリンダー径は23.8mm

 

ドライバーの上方約45度まで視界が広がるパノラミックウインドウを採用。クーペライクなルックスながらルーミーな室内を実現しているステアリング形状や材質はスポーツシックと同様。ただし、後方には6速EGS用のパドルシフトが備わる。右パドルがシフトアップ、左パドルがシフトダウンだシフトノブはかなり小さめで、R-N-A-Mの4ポジションのみ。パーキングレンジがないが、ニュートラルでエンジンを切ると自動的にエレクトリックパーキングブレーキが作動する仕組み
CDプレーヤー付き6スピーカーオーディオが標準。花粉やほこりなどをカットするフィルターを備えた左右独立調整式オートエアコンも標準だペダルは2ペダルだがデザインはスポーツシックと同じアルミを用いたスポーティなもの
シフトノブ前方にはスライド式のカバーを備えた小物入れ。内部にはシガーソケットも
アームレストは前後だけでなく角度調整が可能
アームレスト下の物入れ。その前方にはカップホルダーやエレクトリックパーキングブレーキのレバーを配置グローブボックスの容量はかなり少なめシート表皮はファリックとレザーのコンビネーションタイプ。カラーも明るいグレーとブラックのコンビネーション
ドアハンドルのトリムは専用のシンプルなものリアシートもファリックとレザーのコンビネーションだが、こちらはブラックで統一
130mmの稼働幅を持つスライディングサンバイザー。裏面にはバニティミラーを装備死角をカバーするブラインドスポットモニターを標準装備。アラートはドアミラーにオレンジ色のランプで表示されるC4よりボディーサイズは小さいものの、ラゲッジルームの容量はほぼ同等といえる370L(C4は380L)を確保
分割可倒式のリアシートを利用すれば大型の荷物も積載可能。C4にはないトランクスルーも装備
ラゲッジフロア下にはスペアタイヤを収納。スポーツシックはパンク修理キットになるラゲッジルームの壁面には取り外してハンドライトとしても使える照明を装備

 


写真で見る バックナンバー
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(安田 剛)
2011年 10月 17日