【連載】NAOさんのDIYでクルマいじり 第8回:どうせやるなら徹底的に! |
フロントドアに続いてリアドアもデッドニング施工したデュエット。ドアの制振防音は満足できたが、今度はリアハッチからのノイズが気になってしまい…… |
■これだけ効果が体感できると、やはり1台まるごとやりたくなるぞ
フロントドアのデッドニング、リアドアのデッドニングと進んだ時点で勘のよい読者さんはお気づきのことと思うが、今度はリアハッチからの侵入ノイズが猛烈に気になり出した。まあ予想どおりの展開ではあるが(笑)、効果が体感できるデッドニング施工だからこそ、次々と不満=すなわち改善したいポイントが見えてくる。
お手軽デッドニング開始から活用しているエーモン工業の「音楽計画」だが、スピーカーの搭載されているドア部分での活用のみならず、鉄板の振動を抑えて余計なノイズを吸収するという目的であればクルマ全体に活用できてしまうのだ。筆者はクーペからセダンに乗り換え、その後セダンからミニバンに乗り換えるというジャパニーズおっさんの王道とも言えるクルマ歴なのだが、かなり静かな某セダンから走り重視?の某大きなミニバンに乗り換えたときの車内騒音たるや、今思い出してもゾッとするほどの衝撃だった。
納車直後は当然の儀式としてフル分解して電装品などの取り付け作業に掛かるわけだが、いざ完成して初ドライブに出かけたところ私も妻も「……スライドドアが開いているんじゃないの!?」と思うほどの強烈なロードノイズと、試乗車とは異なり4WDだという理由で何故かカッチリ固められていた足まわりの乗り心地のヒドさに、新車の感動は一瞬にして吹き飛んでしまったのだ。
これにはまあさまざまな原因と経緯がありここでは紹介しきれないのだが、クルマの快適性と静かさは切っても切り離せないものだと改めて痛感したものだ。ちなみに現在の愛車は特に何もしなくても最初から静かで快適なので非常に助かっている。冒頭から脱線したが、中途半端に、いやもとい、ドア4枚だけをデッドニング施工してバランスがまたまたおかしくなってしまったデュエットをより快適にするべく、今回はリアハッチ部分も施工してみることにしよう。
■「ナチュラルサウンドキット」を流用しまくる
リアハッチを分解し始めてまず驚いたのは、こんなに大きなパネルなのに制振材も吸音材も一切施工されていなかったことだ。その昔筆者が初めて自分名義で買ったクーペはバブル真っ直中の設計だったためか、エントリークラスのFF 1.6リッターにもかかわらず(当時としては)ガッチリしたボディー剛性と比較的豪華な装備が取り付けられていた。もちろんデッドニング作業も行ったが、ドアパネルはもちろん要所要所にしっかりと制振防音材が入っており、さすがはトヨタと感心したものだ。その後厳しいコストダウンが必要なご時世となり開発者もさぞ原価率低減に苦労しているのだろうと察するが、いくらOEMお買い物クルマとは言えここまで「素の」状態だとは、驚きを禁じ得ない。まあ、10年前のクルマなので、現在販売されている同クラスの車両には最新技術で安く実装できるようになった制振防音材がきっと施工されていることだろう(と、期待しつつ、買い換えの際には絶対確認しようと心に誓う)。
落下事故などに気をつけつつリアハッチの大きな金属パネルを取り外すのだが、取り外して手に持った瞬間から「ボワ~ンボワ~ン」という音が鳴りまくる。思わず「お~ま~え~は~あ~ほ~か~」とパネルを叩きたくなる衝動を抑えつつ、各部に制振材と吸音材を貼り付けていく。リアハッチ内部は衝突安全対策のためか空洞(潰れしろ)が多く、せっかくなので吸音材をどんどん詰め込んだ。基本的には水が入る恐れのない場所なので、ニードルフェルトなどを詰め込んでもよいだろう。ハッチ自体も小さいため、詰めた部材の重さにガスダンパーが負けて下がってくることもなさそうだ。
■フロントドア+リアドア+リアハッチ、まずはこの3個所への施工がお勧め!
音楽計画を活用したお手軽デッドニング作業だが、これまで書き進めてきたとおりフロントドアに施工したところリアドアのノイズが気になり、リアドアにも施工したところリアハッチからの騒音が気になった。正直、リアハッチに施工してもまたバランスが崩れて他の個所をやらないとダメだろうと思いつつデッドニング後のご近所1周テスト走行にスタート。
おおぉ……リアからの進入ノイズが格段に少なくなっているぞ!……(しばらく走行)……うん、結構快適だ。おや?いつもならここで「次はここのノイズが気になるぞ」となるはずなのだが、今回は納得できるバランスに仕上がっている。車種にもよるだろうが、今回実験台にした10年落ちデュエットの場合は、フロントドア、リアドア、リアハッチの3個所に施工することで、明らかに体感でき、かつバランスの崩れをあまり感じない仕上がりに完成させることができた。
「低音しっかり」「ボーカルはっきり」「ナチュラルサウンド」などキットごとの特徴をふまえて1キットだけで完成させるのももちろんアリ(というかそれが普通の使い方)だが、ポイント制振材、インナーパネル用、アウターパネル用などさまざまな部材が入っているキットを自分なりに解釈分解して、ドア以外にも施工してみることをお勧めしたい。
ドア内装は分解する度にクリップが割れてしまうことも多く「バラしは1度で済ませたい!」と思う方がほとんどだろうが、今回筆者はキットごとに分解組み立てを繰り返したことで「この吸音材は、このぐらいの効果なのか~」と自分の五感で楽しむことができた。「そうは言っても時間もないし、ちょっとな~」と思っているそこのクルマ好きのアナタ! 無理に休暇を取ってでもやってみる価値はありますよ~。
デュエットでこの効果なら、もともと静かなヴェルファイアにも……次回に続く(笑)。
※クルマいじりは自己責任で。無理な改造は事故や故障、怪我の原因となる場合があります。もちろん、違法改造はやめましょう。